麗しの姫
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◆執間和虎
廊下を歩く執間先生に、後ろから小さく声を掛ける。
「唯!……一条。どうした?」
誰も聞いてないだろうし、名前でも良いのに…。
少ししゅんとしつつも、話をする。
「先生も聞いてましたよね、優勝者にはキス!」
「ああ、聞いてたよ」
「なので、女装コンテストにエントリーしてください!」
「え」
執間先生は目を見開いて驚いた。
私は、そんな先生の手を握り話を続ける。
「私のキスが懸かってるんですよ!?先生は、私が他人にキスしても、何も思わないって言うんですか!」
「そりゃ思わないって言ったら嘘になるけど…。俺の女装なんて誰が見たいの」
「私です!!」
間髪入れず自分を指差しながらそう叫ぶ。
「そうか…。でも優勝しないと意味が無い訳で、俺にそんな票を集める力なんて無いと思うけど」
「先生は分かんないと思いますけど、他校の女子から結構人気あるんですよ?それにカッコ良い人は女装綺麗!」
先生は余程女装をしたくないのか、未だにうーんと言い訳を考えている。
「言い訳も尽きた様なので、そろそろ承諾してくれませんか、先生」
「…唯には適わないな」
「では、大人しく生徒会室に行きましょうか」
「執間先生もエントリーするんですか」
「……まぁね」
先生は、お前のせいだと言わんばかりに溜め息を吐く。
その隣で私は思わず笑ってしまった。
──女装コンテスト本番直前
先生は何処で着替えているのだろうと校内をさまよって居ると、後ろから声を掛けられた。
「唯」
「執間先生…!?」
振り返ると、既に着替え終えた先生の姿が。
先生はYシャツにカーディガンを羽織り、私が貸した小花柄のロングスカートを履いていた。
更に頭にはセミロングのウィッグを被り、シュシュでサイドに結んでいる。
俗に言う、ゆるふわ系女子の様な格好だ。
「はぁ」
「そんな溜め息吐かなくても…。似合ってますよ、可愛いです!あ、メイクもしますか?」
「もうここまで来たらお願いしようかな」
「任せてください!もっと可愛くしてみせます」
メイクも済ませ一層可愛くなった先生に、女子生徒達は黄色い声を上げる。
結果は見事優勝。
大勢の前では恥ずかしいのか、執間先生は顔を赤くしてキスに応えてくれた。
「今日の先生可愛かったなぁ」
「随分と楽しそうだな。俺はあれだけで疲れたよ」
「また今度女装してくださいね。それでデートしましょう!」
「…それは遠慮しておこうかな」
→あとがき
廊下を歩く執間先生に、後ろから小さく声を掛ける。
「唯!……一条。どうした?」
誰も聞いてないだろうし、名前でも良いのに…。
少ししゅんとしつつも、話をする。
「先生も聞いてましたよね、優勝者にはキス!」
「ああ、聞いてたよ」
「なので、女装コンテストにエントリーしてください!」
「え」
執間先生は目を見開いて驚いた。
私は、そんな先生の手を握り話を続ける。
「私のキスが懸かってるんですよ!?先生は、私が他人にキスしても、何も思わないって言うんですか!」
「そりゃ思わないって言ったら嘘になるけど…。俺の女装なんて誰が見たいの」
「私です!!」
間髪入れず自分を指差しながらそう叫ぶ。
「そうか…。でも優勝しないと意味が無い訳で、俺にそんな票を集める力なんて無いと思うけど」
「先生は分かんないと思いますけど、他校の女子から結構人気あるんですよ?それにカッコ良い人は女装綺麗!」
先生は余程女装をしたくないのか、未だにうーんと言い訳を考えている。
「言い訳も尽きた様なので、そろそろ承諾してくれませんか、先生」
「…唯には適わないな」
「では、大人しく生徒会室に行きましょうか」
「執間先生もエントリーするんですか」
「……まぁね」
先生は、お前のせいだと言わんばかりに溜め息を吐く。
その隣で私は思わず笑ってしまった。
──女装コンテスト本番直前
先生は何処で着替えているのだろうと校内をさまよって居ると、後ろから声を掛けられた。
「唯」
「執間先生…!?」
振り返ると、既に着替え終えた先生の姿が。
先生はYシャツにカーディガンを羽織り、私が貸した小花柄のロングスカートを履いていた。
更に頭にはセミロングのウィッグを被り、シュシュでサイドに結んでいる。
俗に言う、ゆるふわ系女子の様な格好だ。
「はぁ」
「そんな溜め息吐かなくても…。似合ってますよ、可愛いです!あ、メイクもしますか?」
「もうここまで来たらお願いしようかな」
「任せてください!もっと可愛くしてみせます」
メイクも済ませ一層可愛くなった先生に、女子生徒達は黄色い声を上げる。
結果は見事優勝。
大勢の前では恥ずかしいのか、執間先生は顔を赤くしてキスに応えてくれた。
「今日の先生可愛かったなぁ」
「随分と楽しそうだな。俺はあれだけで疲れたよ」
「また今度女装してくださいね。それでデートしましょう!」
「…それは遠慮しておこうかな」
→あとがき