麗しの姫
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◆宍戸陸
退場していく生徒達の中に宍戸先輩の姿を見つけ、私は先輩の名を呼びながら駆け寄った。
「唯、どうしたの?」
「えっと、さっき藤吾先輩が発表してたの、聞いてましたよね?」
「当たり前でしょ。ボクは聞いてないと思った?」
「そういう訳じゃないけど…」
私は、腕を組む宍戸先輩に話を続ける。
「宍戸先輩もエントリーしてください!じゃないと、他の人にキスしないといけなくなるかも知れないし…!」
「ふふっ、良いよ」
語尾に音符マークが付いたような、意外と明るい返事が返ってきた。
「ボクも唯が他の奴にキスしてるの見たくないし。ボクはこのままでも可愛いから、女装したら優勝間違い無しだね」
そう言って愉快そうに笑う。
私はありがとうと礼を言って、そのまま一緒に生徒会室へ向かった。
「お前もエントリーするのか、珍しいな」
「環でしょ?勝手に唯のキスを賞品なんかにしたの」
ニヤニヤと口元を歪める会長に、口をへの字に曲げる宍戸先輩。
ちなみに、その様子を遠くで見ている藤吾先輩の口は真一文字だった。
「ま、せいぜい他の奴にプリンセスの唇を奪われないようにな」
「言われなくても優勝するよ」
──女装コンテスト本番直前
私は宍戸先輩を探すべく、待機しているよう告げられた講堂から抜け出した。
廊下を歩いていると、見覚えのある身長の子が向こうから歩いて来るのが見える。
「あ、唯」
「やっぱり宍戸先輩でしたか!」
宍戸先輩は、可愛らしいチェック柄のセーラー服に白のソックス、頭には大きめなリボンが付いたウサギ耳のカチューシャを乗せていた。
「どう?可愛いでしょ」
先輩は、笑顔を浮かべてその場をくるりと回って見せる。
「可愛いです!!宍戸先輩らしさがあって全然違和感も無い!似合ってます!可愛い~」
「当たり前でしょ」
そう答える宍戸先輩の頬が赤く見えたのは、私の気のせいだろうか。
コンテストは、宣言通り宍戸先輩の優勝で幕を閉じた。
会長はその事が余程面白くなかったのか、時間が押していると理由を付けて、キスを省いてしまった。
「はぁー、折角楽しみにしてたのになぁ。ま、環のあんな顔久々に見れたから良しとするかな」
スキップしそうな勢いで、ルンルンと廊下を先行く宍戸先輩。
「…宍戸先輩」
「ん?」
そんな彼に声を掛けて、振り向いた隙だらけの唇にキスをした。
「あ…唯…っ!」
「可愛いです、先輩」
顔を赤くして私を見詰める宍戸先輩が見れたから、私も先程の事を良しとした。
→執間和虎
退場していく生徒達の中に宍戸先輩の姿を見つけ、私は先輩の名を呼びながら駆け寄った。
「唯、どうしたの?」
「えっと、さっき藤吾先輩が発表してたの、聞いてましたよね?」
「当たり前でしょ。ボクは聞いてないと思った?」
「そういう訳じゃないけど…」
私は、腕を組む宍戸先輩に話を続ける。
「宍戸先輩もエントリーしてください!じゃないと、他の人にキスしないといけなくなるかも知れないし…!」
「ふふっ、良いよ」
語尾に音符マークが付いたような、意外と明るい返事が返ってきた。
「ボクも唯が他の奴にキスしてるの見たくないし。ボクはこのままでも可愛いから、女装したら優勝間違い無しだね」
そう言って愉快そうに笑う。
私はありがとうと礼を言って、そのまま一緒に生徒会室へ向かった。
「お前もエントリーするのか、珍しいな」
「環でしょ?勝手に唯のキスを賞品なんかにしたの」
ニヤニヤと口元を歪める会長に、口をへの字に曲げる宍戸先輩。
ちなみに、その様子を遠くで見ている藤吾先輩の口は真一文字だった。
「ま、せいぜい他の奴にプリンセスの唇を奪われないようにな」
「言われなくても優勝するよ」
──女装コンテスト本番直前
私は宍戸先輩を探すべく、待機しているよう告げられた講堂から抜け出した。
廊下を歩いていると、見覚えのある身長の子が向こうから歩いて来るのが見える。
「あ、唯」
「やっぱり宍戸先輩でしたか!」
宍戸先輩は、可愛らしいチェック柄のセーラー服に白のソックス、頭には大きめなリボンが付いたウサギ耳のカチューシャを乗せていた。
「どう?可愛いでしょ」
先輩は、笑顔を浮かべてその場をくるりと回って見せる。
「可愛いです!!宍戸先輩らしさがあって全然違和感も無い!似合ってます!可愛い~」
「当たり前でしょ」
そう答える宍戸先輩の頬が赤く見えたのは、私の気のせいだろうか。
コンテストは、宣言通り宍戸先輩の優勝で幕を閉じた。
会長はその事が余程面白くなかったのか、時間が押していると理由を付けて、キスを省いてしまった。
「はぁー、折角楽しみにしてたのになぁ。ま、環のあんな顔久々に見れたから良しとするかな」
スキップしそうな勢いで、ルンルンと廊下を先行く宍戸先輩。
「…宍戸先輩」
「ん?」
そんな彼に声を掛けて、振り向いた隙だらけの唇にキスをした。
「あ…唯…っ!」
「可愛いです、先輩」
顔を赤くして私を見詰める宍戸先輩が見れたから、私も先程の事を良しとした。
→執間和虎