麗しの姫
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◆藤吾悟史
「失礼します」
私は生徒会室の扉を開いて中に入る。
そこには、会長と悟史以外の姿は無かった。
「あれ?誰も居ない…」
「丁度さっき解散したからな。予想以上に参加者が居て今年も盛り上がりそうだ」
会長が愉快そうに笑う。
女子からのキスを優勝賞品にしたんですから、当然っちゃあ当然ですよ。
私はそう思ったが、口には出さない。
「…ところでプリンセスは何しに来たんだ。エントリーするのか?」
「私女なので私服姿を晒して終わりじゃないですか。面白くないですよ」
じゃなくて!と私は悟史を見て続ける。
「悟史にエントリーして欲しいなぁと思って来たの」
「は…?なんで俺が女装せなあかんの。絶対嫌や」
悟史は驚いた後、予想通りエントリーを拒否する。
そこで私は、目を伏せ悲しげな表情を作りながら彼に言った。
「悟史は、私が他の男子とキスしても平気なんだ…?」
「そういう訳やないけど…」
「でも悟史がエントリーしてくれないと、そうなっちゃうよ?私、悟史以外の人とキスなんてしたくない」
「でも……」
他の人とキスさせるのも嫌だけど、女装姿を晒す事も躊躇われる。そんな様子だ。
私もどうしようかと悩んでいると、会長が口を挟む。
「エントリーすれば良いじゃねえか。優勝さえすれば女装して損は無いだろ」
「会長もああ言ってるし、エントリーしようよ!」
悟史は散々悩んだ挙げ句、渋々と言った様子で頷いた。
──コンテスト本番直前
もう着替えたかな。
それよりどんな格好するんだろう。
私はワクワクしながら生徒会室の扉をノックし、失礼しますと返事も待たずに開いた。
「唯、何で来たん?出場しない生徒は講堂で待機のハズやろ」
「うわ……っ!」
そう私に注意して来たのは、女装を済ませた悟史だった。
誰の案かは分からないが、悟史は膝丈の黒いワンピースにエプロンを着けた、所謂メイド服を着ている。
おまけに、黒のロングで毛先が巻かれたウィッグを被っていた。
「ごめん、早く悟史の女装見たくて…。似合っててビックリした」
「女装似合ってる言われても、全然嬉しないわ」
「ふふん、その割には顔赤いよ。照れてるメイドさん可愛いー」
「あんま、からかわんといてや」
悟史ははぁと盛大な溜め息を吐いて椅子に座る。
「そういえば、なんでメイドなの?可愛いけどさ」
「知らんわ。そこに居る奴に聞き」
頬杖をつく悟史は、会長を顎で指しながら言った。
「普通に女物着るより、メイド服の方が面白いじゃねーか」
聞いてみると、会長はそんな返答をする。
他人事だからこそ思い付いた案だろう。会長グッジョブ!
そんな事を思っていると、会長は声のボリュームを抑え、
「悟史のスカートも捲ってみろ」
笑いながら言った。
私は不思議に思いながらも椅子に座った悟史に近付き、スカートの裾を上げる。
「なぁっ…!いきなり何やの唯!!」
すぐにスカートは勢い良く抑えられる。
しかしチラリと見えてしまった。
「ガーターベルト着けてる!会長細かいですね。でも、この丈だったら絶対領域もガーターも見えないじゃないですか」
「悟史が短いのは嫌だと五月蝿くてな。女装も渋々だったし、直前で棄権されても面倒だからな」
そこは妥協してやったと、つまらなさそうに会長は言う。
それを聞いて私は悟史に近付き、会長には聞こえないよう彼に言った。
「私には後でミニスカ姿見せてくれるよね?それでご奉仕なんかも──」
「アホか…」
「またまた照れちゃってー。ホント可愛い」
顔を赤くする悟史の頬に、私は軽くキスをした。
→二階堂修次
「失礼します」
私は生徒会室の扉を開いて中に入る。
そこには、会長と悟史以外の姿は無かった。
「あれ?誰も居ない…」
「丁度さっき解散したからな。予想以上に参加者が居て今年も盛り上がりそうだ」
会長が愉快そうに笑う。
女子からのキスを優勝賞品にしたんですから、当然っちゃあ当然ですよ。
私はそう思ったが、口には出さない。
「…ところでプリンセスは何しに来たんだ。エントリーするのか?」
「私女なので私服姿を晒して終わりじゃないですか。面白くないですよ」
じゃなくて!と私は悟史を見て続ける。
「悟史にエントリーして欲しいなぁと思って来たの」
「は…?なんで俺が女装せなあかんの。絶対嫌や」
悟史は驚いた後、予想通りエントリーを拒否する。
そこで私は、目を伏せ悲しげな表情を作りながら彼に言った。
「悟史は、私が他の男子とキスしても平気なんだ…?」
「そういう訳やないけど…」
「でも悟史がエントリーしてくれないと、そうなっちゃうよ?私、悟史以外の人とキスなんてしたくない」
「でも……」
他の人とキスさせるのも嫌だけど、女装姿を晒す事も躊躇われる。そんな様子だ。
私もどうしようかと悩んでいると、会長が口を挟む。
「エントリーすれば良いじゃねえか。優勝さえすれば女装して損は無いだろ」
「会長もああ言ってるし、エントリーしようよ!」
悟史は散々悩んだ挙げ句、渋々と言った様子で頷いた。
──コンテスト本番直前
もう着替えたかな。
それよりどんな格好するんだろう。
私はワクワクしながら生徒会室の扉をノックし、失礼しますと返事も待たずに開いた。
「唯、何で来たん?出場しない生徒は講堂で待機のハズやろ」
「うわ……っ!」
そう私に注意して来たのは、女装を済ませた悟史だった。
誰の案かは分からないが、悟史は膝丈の黒いワンピースにエプロンを着けた、所謂メイド服を着ている。
おまけに、黒のロングで毛先が巻かれたウィッグを被っていた。
「ごめん、早く悟史の女装見たくて…。似合っててビックリした」
「女装似合ってる言われても、全然嬉しないわ」
「ふふん、その割には顔赤いよ。照れてるメイドさん可愛いー」
「あんま、からかわんといてや」
悟史ははぁと盛大な溜め息を吐いて椅子に座る。
「そういえば、なんでメイドなの?可愛いけどさ」
「知らんわ。そこに居る奴に聞き」
頬杖をつく悟史は、会長を顎で指しながら言った。
「普通に女物着るより、メイド服の方が面白いじゃねーか」
聞いてみると、会長はそんな返答をする。
他人事だからこそ思い付いた案だろう。会長グッジョブ!
そんな事を思っていると、会長は声のボリュームを抑え、
「悟史のスカートも捲ってみろ」
笑いながら言った。
私は不思議に思いながらも椅子に座った悟史に近付き、スカートの裾を上げる。
「なぁっ…!いきなり何やの唯!!」
すぐにスカートは勢い良く抑えられる。
しかしチラリと見えてしまった。
「ガーターベルト着けてる!会長細かいですね。でも、この丈だったら絶対領域もガーターも見えないじゃないですか」
「悟史が短いのは嫌だと五月蝿くてな。女装も渋々だったし、直前で棄権されても面倒だからな」
そこは妥協してやったと、つまらなさそうに会長は言う。
それを聞いて私は悟史に近付き、会長には聞こえないよう彼に言った。
「私には後でミニスカ姿見せてくれるよね?それでご奉仕なんかも──」
「アホか…」
「またまた照れちゃってー。ホント可愛い」
顔を赤くする悟史の頬に、私は軽くキスをした。
→二階堂修次