麗しの姫
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◆四之森環
「失礼しまーす!」
生徒会室に入ると、やはりそこは沢山の生徒でごった返していた。
空いているスペースに移動すると、隣には藤吾先輩が。
「予想以上に参加者多なってしもたなぁ」
「優勝者にはキスーとか言うからですよ。それより、私聞いてないんですけど!」
「さっき集会で言うたやろ」
「うわ、環みたいな事を仰る!」
その環を見ると、生徒達に何やらプリントを渡している。
「あのプリント何ですか?」
「注意事項と下半分はエントリー用紙や」
「へぇ…」
環が軽く説明をして、生徒達は生徒会室を出て行く。
「ざっと全校の3分の1は来てたな。コレは盛り上がるに違いない」
「そういう環はエントリーしないの?」
「はあぁ?この俺様が女装!?」
さらりと私が言うと、環は随分驚いたような声を上げた。
「てっきり環も参加するのかと思ってたよ。結構ノリノリで提案してたし」
「全校が盛り上がるよう提案したまでだ。何も俺様が女装したくて提案した訳じゃねぇ」
言いながら環は、余ったプリントを整理する。
「…お姫さん、環は女装した事あるんよ」
突然、藤吾先輩が笑いながら言った。
「本当ですか!?」
「昔、環の姉さんがいつも自分の服環に着せて遊んでたんやって」
「悟史、何故それを知ってる!?」
声を荒げる環を見ると、恥ずかしさからか顔は真っ赤になっていた。
「なんでって言われてもなぁ…俺結構環の姉さんに気に入られてるみたいやし、勝手に向こうが喋ってくるんよ」
「した事あるなら良いじゃないですか!環、エントリーしましょうよう」
「こういうイベントに参加して優勝する、ってのがキングやろ?司会進行は俺がやったるから」
「ニヤニヤしながら言うな悟史」
藤吾先輩は、すまんすまんと言いながら手で口元を隠した。
「しかしそうだな…キングであるからには優勝して、全校生徒にキングもとい会長であるという示しをつけねぇとな…」
環は顎に手を添えて考え込む。
その様子を見ながら、私と藤吾先輩はコソコソと話す。
「相変わらず、環はチョロいなぁ」
「心配になる程チョロいですね…」
「決めたぞ!!エントリーして優勝してやろうじゃねぇか!」
──女装コンテスト本番直前
「環もう着替えたかな」
環の所属するクラスへ行く途中、色々な教室の前を通って沢山の女装男子を見かけてきた。
ますます見るのが楽しみになって来る。
「四之森環は居ますか?」
教室を覗くも居る気配は無く、近くに居た生徒に訊いてみると、生徒会室じゃないかとの事。
私は礼を言って、生徒会室へ向かった。
「失礼しますよー」
「唯っ!?」
ノックして扉を開けると、既に着替え終えた環と、企画進行の確認をしている藤吾先輩が居た。
「え、環…?」
環は上品なデザインのミニ丈ワンピースに身を包み、地毛と同じ色の緩くウェーブされたセミロングのウィッグを被っていた。
「なん、だよ。…てかそんなに見るな!」
「れい…」
「は?」
「綺麗っ!!もう彼女にしたいくらい!その服どうしたの?って薄くメイクもしてる!可愛いー!」
キャッキャッと環の周りをうろついてはしゃいでいると、彼は顔を赤くして椅子に座る。
「あ、ヒールも履いてる。…環、足組んだらすごくセクシー!誘ってるみたい」
そんな事を言うと、舌打ちして足を戻された。
「…服は訳を話して姉から借りた。化粧道具は無理矢理貸し出された」
「気合い入ってるねぇ。本当に優勝しそう」
「優勝する為にわざわざ女装したんだぞ。キスが賞品じゃ足りないくらいだ」
「私も環に優勝して貰わないと嫌なんだけどね。そこまで言うなら…考えない事もない」
「はっ、言ったな?」
環は見事コンテストで優勝し、その夜私を組み敷いたのは、また別の話である──。
→藤吾悟史
「失礼しまーす!」
生徒会室に入ると、やはりそこは沢山の生徒でごった返していた。
空いているスペースに移動すると、隣には藤吾先輩が。
「予想以上に参加者多なってしもたなぁ」
「優勝者にはキスーとか言うからですよ。それより、私聞いてないんですけど!」
「さっき集会で言うたやろ」
「うわ、環みたいな事を仰る!」
その環を見ると、生徒達に何やらプリントを渡している。
「あのプリント何ですか?」
「注意事項と下半分はエントリー用紙や」
「へぇ…」
環が軽く説明をして、生徒達は生徒会室を出て行く。
「ざっと全校の3分の1は来てたな。コレは盛り上がるに違いない」
「そういう環はエントリーしないの?」
「はあぁ?この俺様が女装!?」
さらりと私が言うと、環は随分驚いたような声を上げた。
「てっきり環も参加するのかと思ってたよ。結構ノリノリで提案してたし」
「全校が盛り上がるよう提案したまでだ。何も俺様が女装したくて提案した訳じゃねぇ」
言いながら環は、余ったプリントを整理する。
「…お姫さん、環は女装した事あるんよ」
突然、藤吾先輩が笑いながら言った。
「本当ですか!?」
「昔、環の姉さんがいつも自分の服環に着せて遊んでたんやって」
「悟史、何故それを知ってる!?」
声を荒げる環を見ると、恥ずかしさからか顔は真っ赤になっていた。
「なんでって言われてもなぁ…俺結構環の姉さんに気に入られてるみたいやし、勝手に向こうが喋ってくるんよ」
「した事あるなら良いじゃないですか!環、エントリーしましょうよう」
「こういうイベントに参加して優勝する、ってのがキングやろ?司会進行は俺がやったるから」
「ニヤニヤしながら言うな悟史」
藤吾先輩は、すまんすまんと言いながら手で口元を隠した。
「しかしそうだな…キングであるからには優勝して、全校生徒にキングもとい会長であるという示しをつけねぇとな…」
環は顎に手を添えて考え込む。
その様子を見ながら、私と藤吾先輩はコソコソと話す。
「相変わらず、環はチョロいなぁ」
「心配になる程チョロいですね…」
「決めたぞ!!エントリーして優勝してやろうじゃねぇか!」
──女装コンテスト本番直前
「環もう着替えたかな」
環の所属するクラスへ行く途中、色々な教室の前を通って沢山の女装男子を見かけてきた。
ますます見るのが楽しみになって来る。
「四之森環は居ますか?」
教室を覗くも居る気配は無く、近くに居た生徒に訊いてみると、生徒会室じゃないかとの事。
私は礼を言って、生徒会室へ向かった。
「失礼しますよー」
「唯っ!?」
ノックして扉を開けると、既に着替え終えた環と、企画進行の確認をしている藤吾先輩が居た。
「え、環…?」
環は上品なデザインのミニ丈ワンピースに身を包み、地毛と同じ色の緩くウェーブされたセミロングのウィッグを被っていた。
「なん、だよ。…てかそんなに見るな!」
「れい…」
「は?」
「綺麗っ!!もう彼女にしたいくらい!その服どうしたの?って薄くメイクもしてる!可愛いー!」
キャッキャッと環の周りをうろついてはしゃいでいると、彼は顔を赤くして椅子に座る。
「あ、ヒールも履いてる。…環、足組んだらすごくセクシー!誘ってるみたい」
そんな事を言うと、舌打ちして足を戻された。
「…服は訳を話して姉から借りた。化粧道具は無理矢理貸し出された」
「気合い入ってるねぇ。本当に優勝しそう」
「優勝する為にわざわざ女装したんだぞ。キスが賞品じゃ足りないくらいだ」
「私も環に優勝して貰わないと嫌なんだけどね。そこまで言うなら…考えない事もない」
「はっ、言ったな?」
環は見事コンテストで優勝し、その夜私を組み敷いたのは、また別の話である──。
→藤吾悟史