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何故か今、私の両隣には関西男子が座っている。
「なぁなぁ一条ちゃん、こない無愛想な男より俺と楽しい事せん?」
右隣に座るコウさんが、私の肩に腕を回して人懐っこい笑顔でそう言った。
「唯は俺のや。馴れ馴れしく触んな」
藤吾先輩はそんなコウさんをキッと睨み、私の腕を引っ張ってコウさんとの距離を離す。
「藤吾クンは独占欲強いなあ」
やれやれといった風に肩を竦めるコウさん。
「ところで一条ちゃんは、俺と藤吾クンどっちが好きなん?」
「えっ!?」
「もちろん俺やろ、唯」
2人の顔が近い。
これはなんと答えるのが正解なのだろうか。
「2人共好き…ですよ?」
穏便に済ませようとこう答えると、コウさんが頬を膨らませて言った。
「一条ちゃんは優しいなぁ」
「こないな奴に気ぃ遣わんで、素直に俺って言えばええのに」
藤吾先輩は眼鏡を指で押し上げてボソリと呟く。
どう答えようと、誰かの機嫌が悪くなるだけだったようだ。
「ま、藤吾クンもイケメンやもんなぁ。選べへん気持ちも分かるわ」
「そりゃどーも」
藤吾先輩は未だに警戒心…というより敵対心を剥き出しにして睨んでいる。
「せや、藤吾クン。今度じっくりお話しよや」
「なんで俺の貴重な時間割いてまでお前とお話せなあかんねん」
「ライバルの事を知っとくのは大事な事なんやで?」
コウさんがウインクをばっちり決めて言うと、藤吾先輩は呆れたように視線を戻して溜め息を吐く。
「今溜め息吐いたやろ!コウちゃん悲しいわ~」
くすんと泣き真似をする彼を冷ややかな目で見る先輩。
その視線に気付いたコウさんは、藤吾先輩を見詰めて言った。
「段々藤吾クンに冷たくあしらわれるの慣れて来たで。むしろなんかゾクゾクして来たわ」
「気持ち悪…」
ひょっとしたらこの2人、案外仲良くなれるのではないか?
とっくに蚊帳の外状態の私はそんな事を思ったのだった。
─ END ─
【あとがき】
何故この2人が?というのは気にしたら負けです。
コウさんは藤吾先輩と同じ関西人という事できっと仲良くなりたいんですね。
2014/11/16
「なぁなぁ一条ちゃん、こない無愛想な男より俺と楽しい事せん?」
右隣に座るコウさんが、私の肩に腕を回して人懐っこい笑顔でそう言った。
「唯は俺のや。馴れ馴れしく触んな」
藤吾先輩はそんなコウさんをキッと睨み、私の腕を引っ張ってコウさんとの距離を離す。
「藤吾クンは独占欲強いなあ」
やれやれといった風に肩を竦めるコウさん。
「ところで一条ちゃんは、俺と藤吾クンどっちが好きなん?」
「えっ!?」
「もちろん俺やろ、唯」
2人の顔が近い。
これはなんと答えるのが正解なのだろうか。
「2人共好き…ですよ?」
穏便に済ませようとこう答えると、コウさんが頬を膨らませて言った。
「一条ちゃんは優しいなぁ」
「こないな奴に気ぃ遣わんで、素直に俺って言えばええのに」
藤吾先輩は眼鏡を指で押し上げてボソリと呟く。
どう答えようと、誰かの機嫌が悪くなるだけだったようだ。
「ま、藤吾クンもイケメンやもんなぁ。選べへん気持ちも分かるわ」
「そりゃどーも」
藤吾先輩は未だに警戒心…というより敵対心を剥き出しにして睨んでいる。
「せや、藤吾クン。今度じっくりお話しよや」
「なんで俺の貴重な時間割いてまでお前とお話せなあかんねん」
「ライバルの事を知っとくのは大事な事なんやで?」
コウさんがウインクをばっちり決めて言うと、藤吾先輩は呆れたように視線を戻して溜め息を吐く。
「今溜め息吐いたやろ!コウちゃん悲しいわ~」
くすんと泣き真似をする彼を冷ややかな目で見る先輩。
その視線に気付いたコウさんは、藤吾先輩を見詰めて言った。
「段々藤吾クンに冷たくあしらわれるの慣れて来たで。むしろなんかゾクゾクして来たわ」
「気持ち悪…」
ひょっとしたらこの2人、案外仲良くなれるのではないか?
とっくに蚊帳の外状態の私はそんな事を思ったのだった。
─ END ─
【あとがき】
何故この2人が?というのは気にしたら負けです。
コウさんは藤吾先輩と同じ関西人という事できっと仲良くなりたいんですね。
2014/11/16
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