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初めて来たテレビ局。
見渡せば今を時めく芸能人が目に入る。
「わ、あの人俳優の…!うわー!あっちには人気歌手の」
「一条さん、キョロキョロし過ぎです。そう言う貴方もアイドルなんですからね?」
すれ違う人や遠くに見えた人を視界に入れていると、木崎さんに注意されてしまった。
「…まだ全然実感が沸かないんですけど」
小声でそう言うと、速水くんが私の肩をポンと叩いて微笑んだ。
「大丈夫です。これから嫌という程実感が沸きますから」
「笑顔で言う台詞じゃなくない?」
そんな感じでスタジオに向かっていると、やけに明るい声が私たちを呼び止める。
「やぁやぁ、天使の皆さん!こんにちは~」
「わ!今度はNoir≠Luciferの天王寺さん!本物!?」
見ると、笑顔で手を振りながらこちらに歩み寄って来る天王寺さんが見えた。
「こんな可愛い子が俺の事知ってくれとるやなんて嬉しいわぁ」
天王寺さんが、恐らく私の頭を撫でようと片手を上げた時。
木崎さんがその手を素早く掴んで天王寺さんを睨んだ。
「天王寺…!」
「わっ、ミッキー!」
「うちのタレントに手を出そうなんて考えてないだろうな」
「ハハ…そんなアホな、ミッキー怖い顔なっとんで…?」
天王寺さんが引きつった笑みを漏らしていると、更に後ろから2人の声がした。
「コウ、また女に手出そうとして玉砕してんのか」
「喋らなかったらイケメンなのになー!」
「ミッキーも2人もほんま酷いぃ!コウちゃん泣いちゃうで!」
「一条さん、天王寺コウには今後一切関わらないように」
「は、はぁ……?」
なんだか賑やかになって来たテレビ局の廊下。
それを一瞬で静まらせたのは、天王寺さんの後ろに居た小さな男の子の驚いた声だった。
「Ang★Jewelの新入りの一条って、唯だったのか!?」
「ユウちゃん、天使のかわいこちゃんと知り合いだったん?」
「…ユウちゃんって、もしかして結紫くん…?」
確かに、あの頃と比べ大人っぽい顔付きだが、昔の面影が残っている。
「覚えててくれてたのか!10年振り…かな?唯、昔と変わらねーな」
「結紫くんこそ!相変わらず私より小さいね」
「なっ!お前が昔から平均よりでかいだけだ!」
「身長いじられるとムキになる所も変わらないね」
「絶対お前の身長抜いてやるからな!」
「それ昔も聞いたよ?」
人差し指をビシッと私に向けそう宣言する結紫くんをバシッと一蹴しておく。
幼なじみなりの愛情表現である。
その後も昔の話に花を咲かせるが、そろそろ収録時間だと木崎さんに背中を押されてしまった。
「じゃーな!頑張れよ、唯!」
「ありがと、結紫くん!」
昔と変わらない笑顔のはずなのに、何故か心臓が高鳴った。
その理由を自覚したのは、もう少し後になってから。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「花曇」様よりお借りしました。
ちなみに結紫くんの身長は164cmです。
2014/09/21
見渡せば今を時めく芸能人が目に入る。
「わ、あの人俳優の…!うわー!あっちには人気歌手の」
「一条さん、キョロキョロし過ぎです。そう言う貴方もアイドルなんですからね?」
すれ違う人や遠くに見えた人を視界に入れていると、木崎さんに注意されてしまった。
「…まだ全然実感が沸かないんですけど」
小声でそう言うと、速水くんが私の肩をポンと叩いて微笑んだ。
「大丈夫です。これから嫌という程実感が沸きますから」
「笑顔で言う台詞じゃなくない?」
そんな感じでスタジオに向かっていると、やけに明るい声が私たちを呼び止める。
「やぁやぁ、天使の皆さん!こんにちは~」
「わ!今度はNoir≠Luciferの天王寺さん!本物!?」
見ると、笑顔で手を振りながらこちらに歩み寄って来る天王寺さんが見えた。
「こんな可愛い子が俺の事知ってくれとるやなんて嬉しいわぁ」
天王寺さんが、恐らく私の頭を撫でようと片手を上げた時。
木崎さんがその手を素早く掴んで天王寺さんを睨んだ。
「天王寺…!」
「わっ、ミッキー!」
「うちのタレントに手を出そうなんて考えてないだろうな」
「ハハ…そんなアホな、ミッキー怖い顔なっとんで…?」
天王寺さんが引きつった笑みを漏らしていると、更に後ろから2人の声がした。
「コウ、また女に手出そうとして玉砕してんのか」
「喋らなかったらイケメンなのになー!」
「ミッキーも2人もほんま酷いぃ!コウちゃん泣いちゃうで!」
「一条さん、天王寺コウには今後一切関わらないように」
「は、はぁ……?」
なんだか賑やかになって来たテレビ局の廊下。
それを一瞬で静まらせたのは、天王寺さんの後ろに居た小さな男の子の驚いた声だった。
「Ang★Jewelの新入りの一条って、唯だったのか!?」
「ユウちゃん、天使のかわいこちゃんと知り合いだったん?」
「…ユウちゃんって、もしかして結紫くん…?」
確かに、あの頃と比べ大人っぽい顔付きだが、昔の面影が残っている。
「覚えててくれてたのか!10年振り…かな?唯、昔と変わらねーな」
「結紫くんこそ!相変わらず私より小さいね」
「なっ!お前が昔から平均よりでかいだけだ!」
「身長いじられるとムキになる所も変わらないね」
「絶対お前の身長抜いてやるからな!」
「それ昔も聞いたよ?」
人差し指をビシッと私に向けそう宣言する結紫くんをバシッと一蹴しておく。
幼なじみなりの愛情表現である。
その後も昔の話に花を咲かせるが、そろそろ収録時間だと木崎さんに背中を押されてしまった。
「じゃーな!頑張れよ、唯!」
「ありがと、結紫くん!」
昔と変わらない笑顔のはずなのに、何故か心臓が高鳴った。
その理由を自覚したのは、もう少し後になってから。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「花曇」様よりお借りしました。
ちなみに結紫くんの身長は164cmです。
2014/09/21
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