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授業で出された課題をやろうと教科書やらノートやらを広げていたけれど、なかなか進まないどころか現在はプリントの隅に落書きを始めている始末だ。
これではいつまで経っても課題が終わらない、と私は修次くんの部屋に行く事にする。
課題の他に、教科書や筆記用具を持ちドアノブに手を掛けた。
そこで、修次くんは今街へ出掛けている事を思い出した。
もう戻っているだろうか。
修次くんの部屋の近くまで行くと、見覚えのある後ろ姿が目に入る。
私は声を掛けてみた。
「隼人さん。こんにちは」
「おや。こんにちは、一条さん」
振り返った隼人さんは、ふわりと微笑んで挨拶を返してくれた。
「修次くんに用ですか?」
「用という程でも無いんだけれど、近くを通ったから少し顔を見にね」
二階堂兄弟はとても仲が良い。
修次くんは「そんな事無い」って言っているけれど。
「修次くんなら、今お出掛け中ですよ」
「そうなんですか。ではまた今度来るとしましょうか」
「あ!そろそろ戻ると思うんで、良ければ私の部屋で待っていませんか?」
思わずそう言うと、隼人さんはキョトンとした顔で私を見た。
それも一瞬で、またいつもの柔らかい笑顔に戻り隼人さんは頷いてくれる。
「では、お言葉に甘えて」
隼人さんを部屋に招き、お茶の準備をする。
その間隼人さんは、楽しそうに部屋の家具を眺めていた。
「もしかして、勉強中でしたか?」
「あぁー…全然進まなくて、落書きしてましたね…」
「ふふ、お上手ですね」
隼人さんは、私がテーブルに置いておいた課題のプリントを見て微笑んだ。
その笑顔と褒めてくれた事に顔が熱くなる。
「ありがとうございます…!あっ、お茶どうぞ!!」
それから暫く、他愛のない世間話に花を咲かせていた。
窓から入る光が茜色に変わった頃、隼人さんがソファから立ち上がった。
「すみません、だいぶ長居してしまいましたね」
「もう帰っちゃうんですか?」
「これ以上居ても迷惑になるでしょうし。修次に宜しくお伝えください」
「はい、また機会があったら是非……あ」
「どうしました?」
「あの、ちょっとだけ待っててください」
そう言って私は机に向かう。
3分程で仕上げたそれを隼人さんに手渡した。
「これは……」
「隼人さんの似顔絵です。修次くんが、隼人さんの誕生日って言っていたのを思い出して。…誕生日、おめでとうございます!」
何故か緊張していて、少し早口になってしまった。
「さっと描いたので、ちょっと雑…ですけど」
「いえ。とても素敵に描いてくださって、申し訳無いくらいですよ。ありがとうございます、一条さん」
***********
Happy birthday!!
***********
「見てください、修次。一条さんが描いてくれたんですよ」
「兄さん、嬉しいのは分かるけどもう20回は聞いたよ…?」
「一条さんは本当に絵がお上手で…」
「兄さん、俺の話聞こう?」
─ END ─
【あとがき】
隼人さん誕生日おめでとうございます!
2014/09/10
これではいつまで経っても課題が終わらない、と私は修次くんの部屋に行く事にする。
課題の他に、教科書や筆記用具を持ちドアノブに手を掛けた。
そこで、修次くんは今街へ出掛けている事を思い出した。
もう戻っているだろうか。
修次くんの部屋の近くまで行くと、見覚えのある後ろ姿が目に入る。
私は声を掛けてみた。
「隼人さん。こんにちは」
「おや。こんにちは、一条さん」
振り返った隼人さんは、ふわりと微笑んで挨拶を返してくれた。
「修次くんに用ですか?」
「用という程でも無いんだけれど、近くを通ったから少し顔を見にね」
二階堂兄弟はとても仲が良い。
修次くんは「そんな事無い」って言っているけれど。
「修次くんなら、今お出掛け中ですよ」
「そうなんですか。ではまた今度来るとしましょうか」
「あ!そろそろ戻ると思うんで、良ければ私の部屋で待っていませんか?」
思わずそう言うと、隼人さんはキョトンとした顔で私を見た。
それも一瞬で、またいつもの柔らかい笑顔に戻り隼人さんは頷いてくれる。
「では、お言葉に甘えて」
隼人さんを部屋に招き、お茶の準備をする。
その間隼人さんは、楽しそうに部屋の家具を眺めていた。
「もしかして、勉強中でしたか?」
「あぁー…全然進まなくて、落書きしてましたね…」
「ふふ、お上手ですね」
隼人さんは、私がテーブルに置いておいた課題のプリントを見て微笑んだ。
その笑顔と褒めてくれた事に顔が熱くなる。
「ありがとうございます…!あっ、お茶どうぞ!!」
それから暫く、他愛のない世間話に花を咲かせていた。
窓から入る光が茜色に変わった頃、隼人さんがソファから立ち上がった。
「すみません、だいぶ長居してしまいましたね」
「もう帰っちゃうんですか?」
「これ以上居ても迷惑になるでしょうし。修次に宜しくお伝えください」
「はい、また機会があったら是非……あ」
「どうしました?」
「あの、ちょっとだけ待っててください」
そう言って私は机に向かう。
3分程で仕上げたそれを隼人さんに手渡した。
「これは……」
「隼人さんの似顔絵です。修次くんが、隼人さんの誕生日って言っていたのを思い出して。…誕生日、おめでとうございます!」
何故か緊張していて、少し早口になってしまった。
「さっと描いたので、ちょっと雑…ですけど」
「いえ。とても素敵に描いてくださって、申し訳無いくらいですよ。ありがとうございます、一条さん」
***********
Happy birthday!!
***********
「見てください、修次。一条さんが描いてくれたんですよ」
「兄さん、嬉しいのは分かるけどもう20回は聞いたよ…?」
「一条さんは本当に絵がお上手で…」
「兄さん、俺の話聞こう?」
─ END ─
【あとがき】
隼人さん誕生日おめでとうございます!
2014/09/10
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