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「うわぁ、人いっぱいだね!」
私は今、修次くんと学校近くの神社の夏祭りに来ている。
そのあまりの人の多さに驚いていると、ぎゅっと手を握られた。
隣を歩く修次くんを見上げると、彼はにこりと微笑んで言った。
「はぐれたら大変だからな」
「…そんな、こどもじゃないんだから」
そう口にしたものの、内心はとても嬉しくて。
私は修次くんの手をぎゅっと握り返した。
焼きそばやたこ焼きなど祭り定番の味を堪能し、今は修次くんと並んで石段に座り、チョコバナナを頬張っていた。
修次くんは、そんな私を面白そうに見つめている。
「唯はよくそんな量消費できるね」
「修次くんは逆に小食過ぎるんだよ。私より細くなったら毎日彰くんと同じ量食べさせちゃうからね!」
「それは困るなぁ」
そう言って苦笑する彼に思わず笑みを零すと、突然誰かに声を掛けられた。
声がした方を見ると、私達と同じく浴衣を纏った会長と藤吾先輩が居た。
「こんな人混みの中、まさかお前らに会うとはな」
「会長…それに、藤吾先輩もお祭り来たんですね。なんか意外というか」
そう本音を言うと、先輩は面倒そうに口を開いた。
「環に無理矢理連れて来られてん。人多くてほんま酔いそうなるわ」
「それは災難ですね…」
修次くんが先輩にそう返す。
「ま、チョコバナナ頬張るイヤラシイお姫さん見れたし。来て良かったかもな」
「イヤラシイのは先輩の脳内ですよ」
舌舐めずりして私を見る藤吾先輩を軽く睨んだ。
修次くんも渋い顔をしている。
「よし、悟史!次は向こうの方に行くぞ」
「あーはいはい。じゃあな、お姫さんとそのナイトさん」
子守の様で大変だなと2人の背を見ていると、女性グループに声を掛けられていてまた大変だな、と思い私は残りわずかだったチョコバナナを口に入れた。
「修次くん、この後はどうする?」
大体の屋台は回った。
修次くんに今後のプランを伺うと、彼は考える素振りをした後ちらと私の顔を見た。
「んー…あ、唯、ちょっと動かないで」
「え?うん」
修次くんの言う通りじっとしていると、彼の顔がすっと近付いて来た。
反射的に目を瞑ると、口元に生暖かいものが触れる。
「ごちそうさま。…ふふ、チョコ付いてたんだよ」
にっこりと微笑んでそう言う修次くん。
恐らく顔が赤くなっているであろう私。
そんな私に、悪戯っ子の様な顔をした修次くんが続ける。
「口にもして欲しい?」
控えめに頷いた瞬間、軽く触れ合った唇。
彼の浴衣の袖を掴むと、2度3度と啄む様なキスをされる。
「この後の予定、決まったね」
修次くんの台詞の意味を察した私は、顔を赤くする他無かった。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ルネの青に溺れる鳥」様よりお借りしました。
修次くんの浴衣姿は品がありますよねぇ(´`)
裏続編…気が向いたら書こうかな…。
2014/08/13
私は今、修次くんと学校近くの神社の夏祭りに来ている。
そのあまりの人の多さに驚いていると、ぎゅっと手を握られた。
隣を歩く修次くんを見上げると、彼はにこりと微笑んで言った。
「はぐれたら大変だからな」
「…そんな、こどもじゃないんだから」
そう口にしたものの、内心はとても嬉しくて。
私は修次くんの手をぎゅっと握り返した。
焼きそばやたこ焼きなど祭り定番の味を堪能し、今は修次くんと並んで石段に座り、チョコバナナを頬張っていた。
修次くんは、そんな私を面白そうに見つめている。
「唯はよくそんな量消費できるね」
「修次くんは逆に小食過ぎるんだよ。私より細くなったら毎日彰くんと同じ量食べさせちゃうからね!」
「それは困るなぁ」
そう言って苦笑する彼に思わず笑みを零すと、突然誰かに声を掛けられた。
声がした方を見ると、私達と同じく浴衣を纏った会長と藤吾先輩が居た。
「こんな人混みの中、まさかお前らに会うとはな」
「会長…それに、藤吾先輩もお祭り来たんですね。なんか意外というか」
そう本音を言うと、先輩は面倒そうに口を開いた。
「環に無理矢理連れて来られてん。人多くてほんま酔いそうなるわ」
「それは災難ですね…」
修次くんが先輩にそう返す。
「ま、チョコバナナ頬張るイヤラシイお姫さん見れたし。来て良かったかもな」
「イヤラシイのは先輩の脳内ですよ」
舌舐めずりして私を見る藤吾先輩を軽く睨んだ。
修次くんも渋い顔をしている。
「よし、悟史!次は向こうの方に行くぞ」
「あーはいはい。じゃあな、お姫さんとそのナイトさん」
子守の様で大変だなと2人の背を見ていると、女性グループに声を掛けられていてまた大変だな、と思い私は残りわずかだったチョコバナナを口に入れた。
「修次くん、この後はどうする?」
大体の屋台は回った。
修次くんに今後のプランを伺うと、彼は考える素振りをした後ちらと私の顔を見た。
「んー…あ、唯、ちょっと動かないで」
「え?うん」
修次くんの言う通りじっとしていると、彼の顔がすっと近付いて来た。
反射的に目を瞑ると、口元に生暖かいものが触れる。
「ごちそうさま。…ふふ、チョコ付いてたんだよ」
にっこりと微笑んでそう言う修次くん。
恐らく顔が赤くなっているであろう私。
そんな私に、悪戯っ子の様な顔をした修次くんが続ける。
「口にもして欲しい?」
控えめに頷いた瞬間、軽く触れ合った唇。
彼の浴衣の袖を掴むと、2度3度と啄む様なキスをされる。
「この後の予定、決まったね」
修次くんの台詞の意味を察した私は、顔を赤くする他無かった。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ルネの青に溺れる鳥」様よりお借りしました。
修次くんの浴衣姿は品がありますよねぇ(´`)
裏続編…気が向いたら書こうかな…。
2014/08/13
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