Short
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
なんとなく、前から様子がおかしいとは思っていた。
あまり笑顔を見なくなったし、物思いに耽っているのか、遠い目をして頬杖をついているのを多く見掛ける。
今日だって久しぶりに会えたのに、ろくにこちらの話を聞いていない様だ。
「コウさん、やっぱり最近おかしいですよ。何かありました?」
「んー?いや…何もないで?」
そう言って彼は笑顔を返す。
しかし私は、その笑顔を見て胸の奥がざわついた。
「何もないんだったら、良いんですけど……」
「あ、唯、いきなりで悪いんやけど」
「はい?」
言い出しにくそうに声を掛けて来たコウさんに、私は少し驚いて先を促す。
「唯はさ、俺と一緒におって、楽しい?」
「え?本当にいきなりですね…」
彼の顔を見ると、真剣だが微かに潤んだ瞳が、私をじっと見詰めていた。
「楽しいに決まってるじゃないですか。だから一緒に居るんですよ?」
「そ、か……」
力なく笑って、コウさんは私の頭を優しく撫でた。
なんとなく、嫌な予感がする。
「ごめんな」
「どういう意味ですか…?」
コウさんは答えなかった。
その日はそのまま別れ、気になった私は翌日、彼の住む部屋を訪ねた。
事務所に訪れると、ロビーで鳴海さんと結紫くんに会った。
「こんにちは、2人共」
「あ、唯!」
「結紫くん…どうしたの、そんなに焦って」
「コウ、どこに行ったか知らないか!?」
「え…?」
結紫くんの切羽詰まった様子に驚いていると、鳴海さんが説明をしてくれた。
「コウの行方が分からなくなったんだ。書き置きも無いし電話も繋がらない。何か知らないか?」
「嘘…え?昨日まで一緒に居たのに…」
「おい、大丈夫か」
私は鞄を漁って携帯を取り出す。
コウさんの番号を呼び出すも、現在この番号が使われていない旨を伝える無機質な音が響くのみだった。
その後、どうやって自分の部屋まで帰ったか全く覚えていない。
電話も通じない。
どこに行ったかも分からないから手紙すら出せない。
どうしてあの時、私に謝ったのか。
どうして突然、私の前から居なくなったのか。
彼に答えを求めるすべは、もう何も無い。
仕事に身が入らなくなり、私は部屋に籠もりがちになってしまった。
私の中で、コウさんの存在がどれだけ大きかったのか痛感する。
心配したメンバーや木崎さんが時折部屋を訪ねるが、今の私には誰かと会う事が苦痛に感じてしまう。
コウさんが居ないのなら、このまま生きていても意味が無い。
──私はそっと、カッターナイフを手に取った。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ルネの青に溺れる鳥」様よりお借りしました。
俺スタ!が2014年10月8日に配信停止になるようです。
運営さんの書き方では、また戻って来るかもと期待せざるを得ない感じでしたが…?
当サイトでは、変わらず俺スタ!キャラを登場させて行きたいと思います。
それにしても勢いで書いた小説がまさかの鬱エンド…。この後、誰かが助けてくれたかも知れないし、コウさん戻って来たかも知れないし…皆さんの想像にお任せします。
2014/08/05
あまり笑顔を見なくなったし、物思いに耽っているのか、遠い目をして頬杖をついているのを多く見掛ける。
今日だって久しぶりに会えたのに、ろくにこちらの話を聞いていない様だ。
「コウさん、やっぱり最近おかしいですよ。何かありました?」
「んー?いや…何もないで?」
そう言って彼は笑顔を返す。
しかし私は、その笑顔を見て胸の奥がざわついた。
「何もないんだったら、良いんですけど……」
「あ、唯、いきなりで悪いんやけど」
「はい?」
言い出しにくそうに声を掛けて来たコウさんに、私は少し驚いて先を促す。
「唯はさ、俺と一緒におって、楽しい?」
「え?本当にいきなりですね…」
彼の顔を見ると、真剣だが微かに潤んだ瞳が、私をじっと見詰めていた。
「楽しいに決まってるじゃないですか。だから一緒に居るんですよ?」
「そ、か……」
力なく笑って、コウさんは私の頭を優しく撫でた。
なんとなく、嫌な予感がする。
「ごめんな」
「どういう意味ですか…?」
コウさんは答えなかった。
その日はそのまま別れ、気になった私は翌日、彼の住む部屋を訪ねた。
事務所に訪れると、ロビーで鳴海さんと結紫くんに会った。
「こんにちは、2人共」
「あ、唯!」
「結紫くん…どうしたの、そんなに焦って」
「コウ、どこに行ったか知らないか!?」
「え…?」
結紫くんの切羽詰まった様子に驚いていると、鳴海さんが説明をしてくれた。
「コウの行方が分からなくなったんだ。書き置きも無いし電話も繋がらない。何か知らないか?」
「嘘…え?昨日まで一緒に居たのに…」
「おい、大丈夫か」
私は鞄を漁って携帯を取り出す。
コウさんの番号を呼び出すも、現在この番号が使われていない旨を伝える無機質な音が響くのみだった。
その後、どうやって自分の部屋まで帰ったか全く覚えていない。
電話も通じない。
どこに行ったかも分からないから手紙すら出せない。
どうしてあの時、私に謝ったのか。
どうして突然、私の前から居なくなったのか。
彼に答えを求めるすべは、もう何も無い。
仕事に身が入らなくなり、私は部屋に籠もりがちになってしまった。
私の中で、コウさんの存在がどれだけ大きかったのか痛感する。
心配したメンバーや木崎さんが時折部屋を訪ねるが、今の私には誰かと会う事が苦痛に感じてしまう。
コウさんが居ないのなら、このまま生きていても意味が無い。
──私はそっと、カッターナイフを手に取った。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ルネの青に溺れる鳥」様よりお借りしました。
俺スタ!が2014年10月8日に配信停止になるようです。
運営さんの書き方では、また戻って来るかもと期待せざるを得ない感じでしたが…?
当サイトでは、変わらず俺スタ!キャラを登場させて行きたいと思います。
それにしても勢いで書いた小説がまさかの鬱エンド…。この後、誰かが助けてくれたかも知れないし、コウさん戻って来たかも知れないし…皆さんの想像にお任せします。
2014/08/05
80/139ページ