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「藤吾先輩」
私がソファに座って読書に励む先輩を呼ぶと、声だけが返って来た。
「なんやー」
「この学院の生徒って皆標準語じゃないですか。よく関西弁が取れないですね」
「あー。なんでやろな」
「むしろこっちが関西弁になっちゃう時ありますし」
私は藤吾先輩の隣に座る。
そしてたった今思い付いた事を高らかと叫ぶ。
「そうだ!今日いっぱい先輩は関西弁禁止です!」
「…は?」
3秒ほどの間を置いて、藤吾先輩は小説から顔を上げた。
「だから、今日1日、関西弁喋ったら駄目ですからね。もし喋ったら罰ゲームです」
「罰ゲーム、って?」
「んー……、今度皆が居る時に襲っちゃおうかな」
明るくそう言うと、藤吾先輩の顔は僅かに赤くなる。
「あ、先輩から見ればご褒美になっちゃうか」
「ほんまアホちゃう唯」
「はいはい、じゃあ今からスタートですよ」
そして関西弁禁止ゲームを開始してから1時間が経とうとしている。
「先輩、折角なんで喋ってくださいよ」
先輩は小説に目を落としたまま口を開かない。
このまま1日話さない気だろうか。
それならば私にだって考えがあるというもの。
「先輩!外見てください!UFO飛んでます!」
「んな訳無いやろ」
小説をペラリと1ページ捲ってから、彼は「あ」と小さく声を漏らした。
「先輩、罰ゲーム決定ですね!」
その翌日から、皆と集まっていると面白い程にこちらを窺い警戒する先輩を密かに楽しむ日々が続いた。
─ END ─
【あとがき】
2014/06/15
私がソファに座って読書に励む先輩を呼ぶと、声だけが返って来た。
「なんやー」
「この学院の生徒って皆標準語じゃないですか。よく関西弁が取れないですね」
「あー。なんでやろな」
「むしろこっちが関西弁になっちゃう時ありますし」
私は藤吾先輩の隣に座る。
そしてたった今思い付いた事を高らかと叫ぶ。
「そうだ!今日いっぱい先輩は関西弁禁止です!」
「…は?」
3秒ほどの間を置いて、藤吾先輩は小説から顔を上げた。
「だから、今日1日、関西弁喋ったら駄目ですからね。もし喋ったら罰ゲームです」
「罰ゲーム、って?」
「んー……、今度皆が居る時に襲っちゃおうかな」
明るくそう言うと、藤吾先輩の顔は僅かに赤くなる。
「あ、先輩から見ればご褒美になっちゃうか」
「ほんまアホちゃう唯」
「はいはい、じゃあ今からスタートですよ」
そして関西弁禁止ゲームを開始してから1時間が経とうとしている。
「先輩、折角なんで喋ってくださいよ」
先輩は小説に目を落としたまま口を開かない。
このまま1日話さない気だろうか。
それならば私にだって考えがあるというもの。
「先輩!外見てください!UFO飛んでます!」
「んな訳無いやろ」
小説をペラリと1ページ捲ってから、彼は「あ」と小さく声を漏らした。
「先輩、罰ゲーム決定ですね!」
その翌日から、皆と集まっていると面白い程にこちらを窺い警戒する先輩を密かに楽しむ日々が続いた。
─ END ─
【あとがき】
2014/06/15
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