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「……ろ…!」
何やら声が聞こえる。
脳がぼんやりと夢から醒めた感覚がしたが、私は目を開ける気は無い。
このまま二度寝をしようと寝返りを打った時、勢いよく布団を剥がされた。
「起きろっつってんだろ!」
叫ぶ声が聞こえた方を見ると、剥いだ布団を持った染谷先輩がこちらを見下ろしていた。
「あ、染谷先輩。…寒いんで布団返してもらえませんかね」
「お前はこの状況でも二度寝しようとすんのか」
呆れた溜め息を吐いて、先輩は布団を軽く畳むと私の足元に置いた。
「だって休日ですよ……ていうか!なんで部屋に居るんですか?」
寝る前にきちんと部屋の鍵を掛けたはずだ。
この学校の事だから、ピッキングでも開かない仕様の鍵を使っているに違いないのに。
そんな事を思っていると、染谷先輩は片手を上げて持っている物をチャラリと見せた。
「部屋の合い鍵。世話係だからって四之森さんから預かった」
「プライベートな空間がもはや無い!」
「安心しろ、朝起こしに来るだけだから。プリンセスたるもの規則正しい生活を…だかなんだか」
「とか言って油断させて夜這いしかけて来る気でしょう」
「素直じゃねーな全く」
先輩は口元だけで笑うと、私の頭にポンと手を置いて言った。
「今ベッドから降りねーと朝飯抜き」
「朝ごはん!」
リビングから漂う美味しそうな匂いに誘われたように、私はベッドから降りた。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ひよこ屋」様よりお借りしました。
2014/03/29
何やら声が聞こえる。
脳がぼんやりと夢から醒めた感覚がしたが、私は目を開ける気は無い。
このまま二度寝をしようと寝返りを打った時、勢いよく布団を剥がされた。
「起きろっつってんだろ!」
叫ぶ声が聞こえた方を見ると、剥いだ布団を持った染谷先輩がこちらを見下ろしていた。
「あ、染谷先輩。…寒いんで布団返してもらえませんかね」
「お前はこの状況でも二度寝しようとすんのか」
呆れた溜め息を吐いて、先輩は布団を軽く畳むと私の足元に置いた。
「だって休日ですよ……ていうか!なんで部屋に居るんですか?」
寝る前にきちんと部屋の鍵を掛けたはずだ。
この学校の事だから、ピッキングでも開かない仕様の鍵を使っているに違いないのに。
そんな事を思っていると、染谷先輩は片手を上げて持っている物をチャラリと見せた。
「部屋の合い鍵。世話係だからって四之森さんから預かった」
「プライベートな空間がもはや無い!」
「安心しろ、朝起こしに来るだけだから。プリンセスたるもの規則正しい生活を…だかなんだか」
「とか言って油断させて夜這いしかけて来る気でしょう」
「素直じゃねーな全く」
先輩は口元だけで笑うと、私の頭にポンと手を置いて言った。
「今ベッドから降りねーと朝飯抜き」
「朝ごはん!」
リビングから漂う美味しそうな匂いに誘われたように、私はベッドから降りた。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ひよこ屋」様よりお借りしました。
2014/03/29
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