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「あ、コラ!唯!」
藤吾先輩が油断している隙に、彼の顔から眼鏡をひょいと奪う。
それを掛けてみると、一気に視界が歪んだ。
「うわ、何も見えない!」
「当たり前やろ。ほら、目ぇ悪くするから、早よ返し」
腕を伸ばして先輩は催促する。
私は眼鏡を外したが、まだ返却はしない。
「ふふふ~。先輩、眼鏡無い方が格好良いですよ」
「そないな事言われても、俺は眼鏡無いと何も見えへんのや」
藤吾先輩は眉間に皺を寄せて私を睨む。
私は知らん振りして、彼の眼鏡をサングラスでする様に頭に乗せた。
そして鼻歌混じりに部屋を歩いて回る。
「唯。早よ返してくれんと、唯の顔が見れへん」
先輩は座ったまま困ったような表情で、歩き回る私を目で追う。
その表情は、なんとも可愛らしい。
「じゃあ私の顔が見える所まで、先輩が来れば良いじゃないですか」
そう言うと、先輩は溜息を吐いて私の所へ歩いて来る。
一応じっとしていると、先輩は至近距離で私の顔を覗き込んだ。
「やっと唯の可愛い顔が見えた」
「ぅ……」
藤吾先輩は悪戯っぽく笑うと、私の後頭部を押さえ込んで軽くキスをする。
すぐ離れてしまった熱の余韻に浸っていると、頭から眼鏡を奪われてしまった。
「人の眼鏡で悪戯するんはやめてな?」
「はーい」
眼鏡を掛けた先輩の顔を見て、やはり私はどんな先輩も好きなんだと、反省の欠片も無いような事を思った。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ルネの青に溺れる鳥」様よりお借りしました。
2014/03/19
藤吾先輩が油断している隙に、彼の顔から眼鏡をひょいと奪う。
それを掛けてみると、一気に視界が歪んだ。
「うわ、何も見えない!」
「当たり前やろ。ほら、目ぇ悪くするから、早よ返し」
腕を伸ばして先輩は催促する。
私は眼鏡を外したが、まだ返却はしない。
「ふふふ~。先輩、眼鏡無い方が格好良いですよ」
「そないな事言われても、俺は眼鏡無いと何も見えへんのや」
藤吾先輩は眉間に皺を寄せて私を睨む。
私は知らん振りして、彼の眼鏡をサングラスでする様に頭に乗せた。
そして鼻歌混じりに部屋を歩いて回る。
「唯。早よ返してくれんと、唯の顔が見れへん」
先輩は座ったまま困ったような表情で、歩き回る私を目で追う。
その表情は、なんとも可愛らしい。
「じゃあ私の顔が見える所まで、先輩が来れば良いじゃないですか」
そう言うと、先輩は溜息を吐いて私の所へ歩いて来る。
一応じっとしていると、先輩は至近距離で私の顔を覗き込んだ。
「やっと唯の可愛い顔が見えた」
「ぅ……」
藤吾先輩は悪戯っぽく笑うと、私の後頭部を押さえ込んで軽くキスをする。
すぐ離れてしまった熱の余韻に浸っていると、頭から眼鏡を奪われてしまった。
「人の眼鏡で悪戯するんはやめてな?」
「はーい」
眼鏡を掛けた先輩の顔を見て、やはり私はどんな先輩も好きなんだと、反省の欠片も無いような事を思った。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「ルネの青に溺れる鳥」様よりお借りしました。
2014/03/19
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