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「ん~~~」
私の日課は、週末に藤吾先輩の部屋を訪れて、ベッドに腰掛け読書をする先輩を、ぬいぐるみよろしく後ろから抱き締める事だ。
「ぎゅーーー!!!」
初めの頃はなんやねん、とか色々ツッコんでくれたりしたのに、最近はすっかり慣れてしまったようで読書に集中し続けている。
「…先輩、構ってくださいよ」
「今本読んでんねん」
「彼女と読書、どっちが大事なんですかぁ!」
「読書」
「即答!?」
しょぼーん、と口で言いながら、ベッドに身を投げる。
先輩の様子を眺めていると、不意にパタン、と本を閉じた。
そして振り向き私の顔を見ると、
「いあッ」
無表情のまま、私の頬を摘んだ。
「なんですか、痛いじゃないですか」
「ん、構え言うたのは唯やん?」
「そうですけど」
「ほら」
先輩は私の腕を引っ張って、ベッドから立たせてくれる。
そして頭をポンと軽く叩いた。
「今日は何処行きたいん?」
「えーっと…」
こうしてデートをするのも、私達の日課である。
「外出てから決めます!」
「ほな行くか」
外で大きく息を吐くと、寒さで白くなった空気が散った。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「花曇」様よりお借りしました。
2014/02/08
私の日課は、週末に藤吾先輩の部屋を訪れて、ベッドに腰掛け読書をする先輩を、ぬいぐるみよろしく後ろから抱き締める事だ。
「ぎゅーーー!!!」
初めの頃はなんやねん、とか色々ツッコんでくれたりしたのに、最近はすっかり慣れてしまったようで読書に集中し続けている。
「…先輩、構ってくださいよ」
「今本読んでんねん」
「彼女と読書、どっちが大事なんですかぁ!」
「読書」
「即答!?」
しょぼーん、と口で言いながら、ベッドに身を投げる。
先輩の様子を眺めていると、不意にパタン、と本を閉じた。
そして振り向き私の顔を見ると、
「いあッ」
無表情のまま、私の頬を摘んだ。
「なんですか、痛いじゃないですか」
「ん、構え言うたのは唯やん?」
「そうですけど」
「ほら」
先輩は私の腕を引っ張って、ベッドから立たせてくれる。
そして頭をポンと軽く叩いた。
「今日は何処行きたいん?」
「えーっと…」
こうしてデートをするのも、私達の日課である。
「外出てから決めます!」
「ほな行くか」
外で大きく息を吐くと、寒さで白くなった空気が散った。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「花曇」様よりお借りしました。
2014/02/08
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