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「失礼しますよー」
私は珍しく自分で宿題を終わらせ、環に会いに生徒会室に来ていた。
環はソファに腕を組んで座っている。
近付くと聞こえる小さな寝息。
「あらら、寝てる…」
起こしてしまうのも悪いので、私は環の隣にそっと腰をおろした。
可愛い寝顔を眺めて数分。
ふと、無防備な耳に視線が行く。
私は好奇心に駆られ、環の耳朶を唇で挟んで舐めた。
すると環はビクッと身体を強ばらせた後、目を見開いた。
、何してやがる」
睨んではいるものの、赤くなった頬で全く怖くない。
「環の寝顔が可愛かったから、つい出来心で」
そう答えると、環に舌打ちされてしまった。
なので私は、環の肩に手を掛け耳元で囁く。
「いつもは従順なのに…反抗期ですか?」
ぺろり。
耳を舐める。
耳が弱い環は、すぐ喘ぐ。
「…っ、貴様…」
次はどうしようかと考えていると、「ごほん」とわざとらしい咳払いが聞こえた。
聞こえた方を見ると藤吾先輩が、読んでいる本から顔は上げずしきりに咳払いを続けている。
気まずい沈黙が続いた。
とりあえず私は環に笑顔を向けて、逃げるようにソファから立ち上がった。
「失礼シマシター…」
それから2、3日環が口をきいてくれなかったのは、自業自得ながらも少し寂しかった。


─ END ─


【あとがき】
耳が弱い会長可愛い。笑
2013/09/23
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