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私は悟史の部屋の扉をノックした。
中からすぐに返事が聞こえ、私は扉を開ける。
「唯から来るなんて珍しいな。どないしたん?」
悟史は椅子に足を組んで座り、手には小説を持っていた。
「悟史って、いつもどんな小説読んでるの?」
「官能小説」
「あー、やっぱり…」
驚きの返事が来たが、私の中では意外性も無かったので普通に流した。
すると悟史は溜め息混じりに言った。
「いや、嘘やから。やっぱりって何やねん。俺どんなイメージ持たれてんの?」
「…変態」
小声でそう言うと、悟史は聞こえていなかったのか聞かないフリをしたのか「用件は?」と聞いてきた。
「ああ、課題で読書感想文を出されたんです。こういうの苦手だし、そもそも何の本を読むかで悩んじゃってて…」
「そんで俺を頼って来たっちゅー訳か」
「はい。悟史は気付いたら本読んでるから」
「イヤミ?」
「いいえ、全く」
否定はしたものの、2人きりの時でさえ本を開く時があるから、無意識に出たイヤミだったかも知れない。
「…まぁええわ。唯の好きな作家とかジャンルは?」
「んー、恋愛モノ?」
「意外やな。…恋愛モノか。俺そういうん持ってへんしなぁ」
「官能小説ばかりだもんね」
「さっき嘘やって言うたよな、聞いとらんかった?」
「唯ジョークですよ」
「はいはい」
呆れて言いながら、悟史はコートを羽織った。
「何処か行くの?」
「唯も出掛ける準備しぃや」
「えー、寒いよ」
「なら留守番しとき。唯の為に難しい本借りてくるわ」
「待った!これから図書館に行くの?図書館デート?」
「…早よ準備せな置いてくで」
デートと口にした途端僅かに悟史の頬が赤くなったのを、私はニヤニヤしながら見つめた。
─ END ─
【あとがき】
冬休みに読書感想文ってあまり聞かないな、と書き終わって思った。
2013/12/26
中からすぐに返事が聞こえ、私は扉を開ける。
「唯から来るなんて珍しいな。どないしたん?」
悟史は椅子に足を組んで座り、手には小説を持っていた。
「悟史って、いつもどんな小説読んでるの?」
「官能小説」
「あー、やっぱり…」
驚きの返事が来たが、私の中では意外性も無かったので普通に流した。
すると悟史は溜め息混じりに言った。
「いや、嘘やから。やっぱりって何やねん。俺どんなイメージ持たれてんの?」
「…変態」
小声でそう言うと、悟史は聞こえていなかったのか聞かないフリをしたのか「用件は?」と聞いてきた。
「ああ、課題で読書感想文を出されたんです。こういうの苦手だし、そもそも何の本を読むかで悩んじゃってて…」
「そんで俺を頼って来たっちゅー訳か」
「はい。悟史は気付いたら本読んでるから」
「イヤミ?」
「いいえ、全く」
否定はしたものの、2人きりの時でさえ本を開く時があるから、無意識に出たイヤミだったかも知れない。
「…まぁええわ。唯の好きな作家とかジャンルは?」
「んー、恋愛モノ?」
「意外やな。…恋愛モノか。俺そういうん持ってへんしなぁ」
「官能小説ばかりだもんね」
「さっき嘘やって言うたよな、聞いとらんかった?」
「唯ジョークですよ」
「はいはい」
呆れて言いながら、悟史はコートを羽織った。
「何処か行くの?」
「唯も出掛ける準備しぃや」
「えー、寒いよ」
「なら留守番しとき。唯の為に難しい本借りてくるわ」
「待った!これから図書館に行くの?図書館デート?」
「…早よ準備せな置いてくで」
デートと口にした途端僅かに悟史の頬が赤くなったのを、私はニヤニヤしながら見つめた。
─ END ─
【あとがき】
冬休みに読書感想文ってあまり聞かないな、と書き終わって思った。
2013/12/26
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