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放課後の生徒会室。
普段は王国民に追われているから、恋人である悟史先輩とゆっくり過ごす事の出来る貴重な空間。
悟史先輩を王子様として発表しても良いのだが、生徒会顧問である執間先生いわく「早くに王子様が決まるのはツマラナイ」らしいので、この事実を知っているのは会長と執間先生、そして私の大切な友人の彰くんと修次くんだけだ。
「はぁ…。校内で堂々とイチャイチャしたいです先輩」
「俺やって、そうしたいのは山々やけどな…」
そう言う悟史先輩は、私には目もくれず書類やらファイルやらを片付けている。
珍しく会長は居ない。
静かな時間が続く。
書類より私を見て欲しい。
もっと構って欲しい。
「唯?」
「なんですか?」
「いや…めっちゃ憂鬱そうな顔しとったから」
「そりゃなりますよ。私よりそんな書類眺めちゃって…」
言ってからハッとした。
今のは、いくら何でも子供っぽい。
悟史先輩だって忙しいのに…呆れられたかな。
そんな私の心配とは裏腹に、悟史先輩は笑って言った。
「何、唯は書類に嫉妬でもしてたん?はは、ほんま可愛いなぁ」
そして悟史先輩は、書類を置いてソファに座る私に近付いて来た。
妖しい笑顔と共に。
「校内では出来ひんけど、環の前で存分にイチャつくってのも有りやと思わんか?」
それは思い付かなかったな。
「環はリアクションがおもろいからなぁ」
悟史先輩は私の隣に腰を降ろすと、じっと目を見つめてきた。
ドキドキしながら見つめ返すと、顎に指を添えられキスをされる。
瞬間、生徒会室の扉が開いて会長が入ってきた。
「悟史、書類は…──っ!?」
ちゅっ、とワザとらしく音を出して唇が離れ、悟史先輩は会長に返事をする。
「書類なら大方片付いたわ。って、そない冷めた目ぇせんでも…」
「…いや、生徒会室に戻って一番に見る光景じゃ無かったなと自分のタイミングの悪さを呪っていただけだ」
会長に悟史先輩とのキスを見られて、自分でも驚くくらいに心臓が動いている。
こんなんじゃ、校内でイチャイチャなんて出来ないな…。
と、私は2人のやりとりを見ながら、そんなどうでも良い事を思っていたのだった。
─ END ─
【あとがき】
2013/09/23
普段は王国民に追われているから、恋人である悟史先輩とゆっくり過ごす事の出来る貴重な空間。
悟史先輩を王子様として発表しても良いのだが、生徒会顧問である執間先生いわく「早くに王子様が決まるのはツマラナイ」らしいので、この事実を知っているのは会長と執間先生、そして私の大切な友人の彰くんと修次くんだけだ。
「はぁ…。校内で堂々とイチャイチャしたいです先輩」
「俺やって、そうしたいのは山々やけどな…」
そう言う悟史先輩は、私には目もくれず書類やらファイルやらを片付けている。
珍しく会長は居ない。
静かな時間が続く。
書類より私を見て欲しい。
もっと構って欲しい。
「唯?」
「なんですか?」
「いや…めっちゃ憂鬱そうな顔しとったから」
「そりゃなりますよ。私よりそんな書類眺めちゃって…」
言ってからハッとした。
今のは、いくら何でも子供っぽい。
悟史先輩だって忙しいのに…呆れられたかな。
そんな私の心配とは裏腹に、悟史先輩は笑って言った。
「何、唯は書類に嫉妬でもしてたん?はは、ほんま可愛いなぁ」
そして悟史先輩は、書類を置いてソファに座る私に近付いて来た。
妖しい笑顔と共に。
「校内では出来ひんけど、環の前で存分にイチャつくってのも有りやと思わんか?」
それは思い付かなかったな。
「環はリアクションがおもろいからなぁ」
悟史先輩は私の隣に腰を降ろすと、じっと目を見つめてきた。
ドキドキしながら見つめ返すと、顎に指を添えられキスをされる。
瞬間、生徒会室の扉が開いて会長が入ってきた。
「悟史、書類は…──っ!?」
ちゅっ、とワザとらしく音を出して唇が離れ、悟史先輩は会長に返事をする。
「書類なら大方片付いたわ。って、そない冷めた目ぇせんでも…」
「…いや、生徒会室に戻って一番に見る光景じゃ無かったなと自分のタイミングの悪さを呪っていただけだ」
会長に悟史先輩とのキスを見られて、自分でも驚くくらいに心臓が動いている。
こんなんじゃ、校内でイチャイチャなんて出来ないな…。
と、私は2人のやりとりを見ながら、そんなどうでも良い事を思っていたのだった。
─ END ─
【あとがき】
2013/09/23
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