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………………。
………。
「………16。そして1万上乗せだ。」
「いーや14だな、キスだってしたことありませんって顔してやがんぜ。俺ァそんままだ…お、タバコ切れてら。」
「バッカおめー、コイツはジャッポーネのカタギだぜ?ンな歳じゃあ働けてねェーだろーがよォー……18だ。2万。」
「にしても、わっかりにくい顔してンなァ〜…えぇ?」
男たちの会話のなか、私は狸寝入りをキメていた。いや正確には、自分の気持ちを全力で落ち着けていた。マジな話、何か考えてないと気が狂いそうなのだ。イタリアに来てからどーも…信じたくないことばかり続いている。
目ぇ瞑ってるから周りの状況は分からないが…お、革靴の音がする。誰かがこっちに向かってきているな。……それにしても、ときおりふわりと漂ってくる火薬のにおいには毎回ギクリとさせられたが、この接近してくる男ものの香水は案外悪くないね。
「おら、そろそろ起きやがれ!こっちはもうてめーの歳で三万も賭けてンだぜ。」
革靴より遠い地点から野次が飛んでくる。イヤ、ひとの歳で勝手に賭けおっぱじめられてもやん?しかも全員間違っとるし。
「オイオイ!野郎扱うんじゃあねェんだからよォ〜」
と、革靴の音の主が野次の主を諌める。アッ……この声、14歳のひとだ…………
「オイ朝だぜbambina……あ?もう起きてんじゃあねーか。」
ペチリと頬をやられ、観念して目を開いた。どうやら狸寝入りはバレちまったらし……まって。目の前には金パツの伊達男。それも自分の色香を分かっててやってるってタイプの…ウン、ともかくそれがいる。
イヤもう白状すると、私にはこんな伊達男に対する耐性がない。文字通り、全く、ない。ヤバい。にやけそうだ。いやあかんて。今まで考えてたことブッ飛ぶやん。……あかんて。
ヨシ、ヨシ落ち着け私。冷静に考えよう。状況を整理しよう。冷静にだ。この伊達男、そしてその後ろの野郎たち。全員どこかしら個性的だが、身なりはよく、そして顔もよく………ウン?ときメモか?
いや違う。正気を保て私。ともかくもだ…私はなんでか連れ去られており、逃げられない、これは確かだろう。あと伊達男は朝だと言っていた。遮光カーテンは閉まっているが、まぁ信憑性はあると思われる。というかまず、この伊達男たちは誰だろう…ナンパ師?いやそれにしてはもっと重厚な…
…………もしかして。私はこの場に最もふさわしい、そして最もヤバい予想を打ち立ててしまった。つまり……この伊達男たち、最初にギの付く自由業の方がたではないか、と。そう思ってしまったのだ。
何だかそれがいかにも正解ですって感じがして、スゥッと背筋が寒くなった。とすると、だ。聞いたことがある。ギャングにつかまると、身内に身代金が請求されると。…あぁ……………マジか……
「ダメだこいつ、完全にブルッちまってやがる。なんも喋らねえ。」
………ン?アッ……話聞いてなかった…
………。
「………16。そして1万上乗せだ。」
「いーや14だな、キスだってしたことありませんって顔してやがんぜ。俺ァそんままだ…お、タバコ切れてら。」
「バッカおめー、コイツはジャッポーネのカタギだぜ?ンな歳じゃあ働けてねェーだろーがよォー……18だ。2万。」
「にしても、わっかりにくい顔してンなァ〜…えぇ?」
男たちの会話のなか、私は狸寝入りをキメていた。いや正確には、自分の気持ちを全力で落ち着けていた。マジな話、何か考えてないと気が狂いそうなのだ。イタリアに来てからどーも…信じたくないことばかり続いている。
目ぇ瞑ってるから周りの状況は分からないが…お、革靴の音がする。誰かがこっちに向かってきているな。……それにしても、ときおりふわりと漂ってくる火薬のにおいには毎回ギクリとさせられたが、この接近してくる男ものの香水は案外悪くないね。
「おら、そろそろ起きやがれ!こっちはもうてめーの歳で三万も賭けてンだぜ。」
革靴より遠い地点から野次が飛んでくる。イヤ、ひとの歳で勝手に賭けおっぱじめられてもやん?しかも全員間違っとるし。
「オイオイ!野郎扱うんじゃあねェんだからよォ〜」
と、革靴の音の主が野次の主を諌める。アッ……この声、14歳のひとだ…………
「オイ朝だぜbambina……あ?もう起きてんじゃあねーか。」
ペチリと頬をやられ、観念して目を開いた。どうやら狸寝入りはバレちまったらし……まって。目の前には金パツの伊達男。それも自分の色香を分かっててやってるってタイプの…ウン、ともかくそれがいる。
イヤもう白状すると、私にはこんな伊達男に対する耐性がない。文字通り、全く、ない。ヤバい。にやけそうだ。いやあかんて。今まで考えてたことブッ飛ぶやん。……あかんて。
ヨシ、ヨシ落ち着け私。冷静に考えよう。状況を整理しよう。冷静にだ。この伊達男、そしてその後ろの野郎たち。全員どこかしら個性的だが、身なりはよく、そして顔もよく………ウン?ときメモか?
いや違う。正気を保て私。ともかくもだ…私はなんでか連れ去られており、逃げられない、これは確かだろう。あと伊達男は朝だと言っていた。遮光カーテンは閉まっているが、まぁ信憑性はあると思われる。というかまず、この伊達男たちは誰だろう…ナンパ師?いやそれにしてはもっと重厚な…
…………もしかして。私はこの場に最もふさわしい、そして最もヤバい予想を打ち立ててしまった。つまり……この伊達男たち、最初にギの付く自由業の方がたではないか、と。そう思ってしまったのだ。
何だかそれがいかにも正解ですって感じがして、スゥッと背筋が寒くなった。とすると、だ。聞いたことがある。ギャングにつかまると、身内に身代金が請求されると。…あぁ……………マジか……
「ダメだこいつ、完全にブルッちまってやがる。なんも喋らねえ。」
………ン?アッ……話聞いてなかった…
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