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私がここ、ネアポリス中・高等学校に留学してきてから、はや2週間が経つ。

相変わらず伊語はド下手くそで通じんわ、水はどれもこれも硬水でこっぴどく腹を下すわで、散々っちゃあ…まァ散々だが、いま、それはさしたる問題ではない。

「Ciao! 今日は晴れて良かった、やっぱりきみの姿は青空に映える。」

来た。輝く金髪を三つ編みにまとめた、紛うことなき美少年。どこか近寄りがたい雰囲気を持ち、それでいて距離感が狂ったかのように私に話しかけてくれる、悩みのタネ。名は汐華 初流乃シオバナ ハルノ。聞いた話だと、彼は日本人と…どこだったかイタリアとは別なヨーロッパの人とのハーフで、ここでは“ジョルノ=ジョバァーナ”と呼ばれているのだそう。

「チャオ、シオバナ。……あのさァ、褒めてくれるのはいいんだけど、私…それにどう返せばいいか分かんない。」

「その方がいい、きみが特別なんだって思い知ることができるからな。あァところで、今日の昼空いてる?いっしょにランチなんてのはどう?」

「エッと…それはァ〜〜…ま、まァ考えとく……そんじゃあまた。」

そそくさと退散する。…とはいえ、彼は私とおなじクラスの、しかも前の席なんで、すぐ顔を合わせるハメになるんだが。

たしかに、彼には感謝すべきかもしれない。私がこのクラスにすんなり馴染めたのだって、人気者の彼に目を付けられたから…といっても過言じゃあないだろうし。

「だからっつってさァー…あんな人気者よ?しかも顔もイイしさァ〜〜…変にそれで近づくのも、気が引けるったらないっつーか……」

なんて別の友人にこぼしてみた事があった。そしたら、気がひけるだなんて、それはきっとジャポネーゼの悪いクセね…なんて笑われた。……ウルセーやい。







……とはいえ、ほんとうにお昼、どうしようか。これで恩に報い…られんのかどうかは分からんが、そういう気で一度、誘いに乗ってみようかな。
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