長編「今度はあなたを」
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いつも束ねている髪は下ろして七分袖のニットにロングスカートにバレエシューズタイプのパンプス。
メイクだってファンデーションとルージュを乗せただけ。外出するけど着飾らない週末の格好だ。
けれども私はそわそわして落ち着かない。
別にこれはデートではないし、私自身、鵺野先生とそういう関係になることを望んではいない。
ただ、友達になりたい。
それだけだ。
お酒の勢いで誘ってしまったけれど、その時だって深い意味はなかった。
お互い興味のあるものを一緒に楽しもうというそれだけの気持ち。
けれども歳を重ねれば、男と女の二人きりで出かければ、傍目から見ればデートと見られるわけで。
いや、社会科見学の下見として男の先生と博物館やら美術館やら行くことだってある。
デートとは限らない。
さっきから私は何に対して言い訳をしているのだろう。
大幽霊展が気になって、そういうのに興味がある同僚と観に行くだけ。
いや、友達と出掛けるだけだ。
再び私は自分に言い聞かせながら、ハンドバッグを肩にかけ、ドアノブを握った。