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1章、提督募集
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レオンをラスパルマスに派遣してから少しすると、彼から犯人を発見したので牢屋に放り込んだといった内容の手紙が届いた。
やはり、ゴメス提督は犯人ではなかったのね…………
イサベルはほっとする反面、この商会に来てはくれればいいのに、とため息をついた。それをみて心配したミゲルが気を使ってこう言った。
「大丈夫ですよ、ご主人様。そのうち集まりますから」
「ええ…。でも早い方がいいのは事実だから………」
思惑通りにできた黒真珠が莫大な利益をもたらしてくれるが、それを使う提督が居ない。それに募集といっても、確かな信頼できる人材が来るとは限らない。彼女はほんの少しだけ焦り始めていた。
レオンが帰ってきて報告を受け、彼女は真犯人が例の海賊ラグナールであったことと、ゴメス提督が釈放され、航海指揮権を戻されたことを知った。犯人はレオンにたった2回殴られただけで気絶したらしい。彼女はそれを聞いて失笑した。
「レオンに殴られて失神なんて………。その海賊になら私でも素手でケンカに勝てるんじゃない?」
「いや、会長ならまず口喧嘩で先制点がとれると思います。」
「あらやだ。まだ子供の時のこと覚えてるの?」
彼女はレオンの意外な記憶力に驚いた。そして、幼かった日々を思い出した。
イサベルは幼少期、じつは体が弱かった。レオンも今でこそ海賊相手に頼もしい青年に成長したが、昔は喧嘩で泣かされてばかりだった。だから二人はいつも部屋で一緒に遊んでいたのだ。もちろん、喧嘩をすることもあったが、いつも勝つのはイサベルの方だった。その様子をいつも当時の会長だった彼女の父親は快く思ってはいなかったのだが……………。
そんなふうに懐かしい情景を思い出していると、突然の訪問客がやって来た。
それはなんと、ゴメス提督だった。
「ゴ…………ゴメス提督!?ど、どうしたんですか!?」
「いやー、国王陛下に許されはしたのですが、そんな信頼してくれない場所で働きたくはないとあっさり辞めてきました。」
あまりのいさぎよさに、イサベルは言葉も出なかった。彼の不運さと竹を割ったような性格は有名であるが、(特に不運といえば、3年間遭難し、さらにまた数年後3ヵ月遭難し、島のゴリラと仲良くなったという話がある)ここまではっきりしているとなると勧誘も出来ない。しかし、彼は自らイサベルの希望を叶えてくれた。
「それでなのですが、提督を募集されているとか。」
「は、はぁ………」
「私が入っても構いませんか?」
ミゲルは唖然として空いた口が塞がらない。レオンなど卒倒しそうになっている。そして肝心のイサベルはというと、流石は商人である。さっそく報酬の割合を切り出していた。
「ぜひ!頼もしいわ、報酬はどうします?」
「収入の5%で構いませんよ」
「そう、ではよろしくお願い致します。」
商談相手の気が変わらないうちに、契約を結ぶのは商売のテクニックの一つだった。自分の思うような方向に話を進めることも商才の一つだ。そうとは知らず、ゴメスは機嫌良さそうに首を縦に振った。それから、イサベルは例のジパングの話をした。
「ジパングを目指すとは……。しかし、傾いた商会を立て直すにはいい機会かも知れませんな。さっそく探検に行きましょう。」
今日はなんてついている日なんだろう。彼女はつくづくそう思った。提督も増え、しかも協力的ときた。
幸先の良い出航は、悪くないとイサベルは窓の外を見ながら密かに笑った。
────既に季節は春を迎えようとしている。
やはり、ゴメス提督は犯人ではなかったのね…………
イサベルはほっとする反面、この商会に来てはくれればいいのに、とため息をついた。それをみて心配したミゲルが気を使ってこう言った。
「大丈夫ですよ、ご主人様。そのうち集まりますから」
「ええ…。でも早い方がいいのは事実だから………」
思惑通りにできた黒真珠が莫大な利益をもたらしてくれるが、それを使う提督が居ない。それに募集といっても、確かな信頼できる人材が来るとは限らない。彼女はほんの少しだけ焦り始めていた。
レオンが帰ってきて報告を受け、彼女は真犯人が例の海賊ラグナールであったことと、ゴメス提督が釈放され、航海指揮権を戻されたことを知った。犯人はレオンにたった2回殴られただけで気絶したらしい。彼女はそれを聞いて失笑した。
「レオンに殴られて失神なんて………。その海賊になら私でも素手でケンカに勝てるんじゃない?」
「いや、会長ならまず口喧嘩で先制点がとれると思います。」
「あらやだ。まだ子供の時のこと覚えてるの?」
彼女はレオンの意外な記憶力に驚いた。そして、幼かった日々を思い出した。
イサベルは幼少期、じつは体が弱かった。レオンも今でこそ海賊相手に頼もしい青年に成長したが、昔は喧嘩で泣かされてばかりだった。だから二人はいつも部屋で一緒に遊んでいたのだ。もちろん、喧嘩をすることもあったが、いつも勝つのはイサベルの方だった。その様子をいつも当時の会長だった彼女の父親は快く思ってはいなかったのだが……………。
そんなふうに懐かしい情景を思い出していると、突然の訪問客がやって来た。
それはなんと、ゴメス提督だった。
「ゴ…………ゴメス提督!?ど、どうしたんですか!?」
「いやー、国王陛下に許されはしたのですが、そんな信頼してくれない場所で働きたくはないとあっさり辞めてきました。」
あまりのいさぎよさに、イサベルは言葉も出なかった。彼の不運さと竹を割ったような性格は有名であるが、(特に不運といえば、3年間遭難し、さらにまた数年後3ヵ月遭難し、島のゴリラと仲良くなったという話がある)ここまではっきりしているとなると勧誘も出来ない。しかし、彼は自らイサベルの希望を叶えてくれた。
「それでなのですが、提督を募集されているとか。」
「は、はぁ………」
「私が入っても構いませんか?」
ミゲルは唖然として空いた口が塞がらない。レオンなど卒倒しそうになっている。そして肝心のイサベルはというと、流石は商人である。さっそく報酬の割合を切り出していた。
「ぜひ!頼もしいわ、報酬はどうします?」
「収入の5%で構いませんよ」
「そう、ではよろしくお願い致します。」
商談相手の気が変わらないうちに、契約を結ぶのは商売のテクニックの一つだった。自分の思うような方向に話を進めることも商才の一つだ。そうとは知らず、ゴメスは機嫌良さそうに首を縦に振った。それから、イサベルは例のジパングの話をした。
「ジパングを目指すとは……。しかし、傾いた商会を立て直すにはいい機会かも知れませんな。さっそく探検に行きましょう。」
今日はなんてついている日なんだろう。彼女はつくづくそう思った。提督も増え、しかも協力的ときた。
幸先の良い出航は、悪くないとイサベルは窓の外を見ながら密かに笑った。
────既に季節は春を迎えようとしている。
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