猿飛さんといっしょ
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……ここ、どこ?」
目覚めて最初に認識したものは、いわゆる見知らぬ天井というやつだ。
……知らない部屋だ。そもそもここは学校なのだろうか。私は猿飛とふたりで新聞部の部室にいたはずだ。
「あ、ようやく目覚めた?」
「え?」
聞き慣れた声がした方向へ振り返ると、そこには猿飛が立っていた。
「色々と聞きたいんだけど、ここどこ?」
「それは俺様も知りたい」
「猿飛はどうやってここに?」
「なまえこそどうやって……って、その調子だと分からないっぽいな」
「……何も情報がないってことか」
「何故かパソコンは二台あったんだけどな。ほら、あそこの机に。一通り操作はしてみたけど、なぜかEx○elしか使えない」
「え、Ex○el??なんでExc○lは使えるの……?」
一体何のためのパソコンなんだ。事務作業でもさせるつもりなのだろうか。
「あと謎なのがあそこの電光掲示板らしきものな」
「……あれ?なんか文字流れてきてない?」
猿飛が指差した電光掲示板に突然文字が流れてきた。ちょうど私たちが話題にしたタイミングで……きっとただの偶然なんだろうけど。
【 〜 ふ た り で お 互 い の 好 き な と こ ろ を 合 計 5 0 0 個 挙 げ な い と 出 ら れ な い 部 屋 〜 】
「「えぇ……?」」
えらく綺麗なハモりだった。
「え……?500個?じゃあひとりあたり250個ってこと……?」
「えぇ……いや、俺様なまえちゃんのこと大好きよ?大好きだけどさあ」
「うん、多分私も猿飛と同じことを言いたいと思う。限度ってものがあるよね」
「せめて合計100個だろ」
「なに?500って何?ていうか数値が大きすぎてお互いの好きなところを言うっていう無茶振りをわりとすんなり受け入れつつある自分が怖いんだけど」
「奇遇だな、俺様もだよ」
「正直100個でもお世辞めちゃくちゃ介入させないと難しくない?500ってもう……何言えばいいの?」
「顔と身体の全パーツを褒めた上で内面にも触れつつ、あとは……」
「OK猿飛、私50いくから450は頼んだ」
「ちょちょちょちょ待って?」
「猿飛は分身できるじゃん、何人分もの頭脳があるってことで」
「体は増えても頭脳はひとつ!真実と頭脳はいつもひとつ!!」
「……仕方ないなあ。私100いくから、猿飛400ね」
「俺様の負担は大きいままなのね!?」
「ていうか100もあったら挙げていったの忘れちゃうよ。もはや事務作業だよ、Ex○el管理案件だよ」
「俺様400なんですけど?Ex○el管理案件は俺様でしょ?ていうかそもそもExc○lなんてこの部屋に……」
─────私と猿飛の視線が二台のパソコンへと向く。
「「Ex○elあるじゃん!!!!!?」」
事務作業でもさせるつもりか?とか言ってたけど本当に事務作業案件だった!
「え、このためのEx○el……?」
「このためのExc○lだろ、パソコン二台あるし……」
「そのためのパソコンなんだ……」
「そもそもこういうのって普通お互いの好きなところ言わせるとかじゃないの?なんでカップルに事務作業させてんの?」
「今こういうのって書き込んで提出が主流なの?」
お互いに疑問を呈しつつも、早く部屋を出たいので椅子に座りパソコンに向き合う。
「じゃ、さっさと50個挙げて帰りますか……」
「だから!俺様の負担!!」
*
─────入力してからどれくらい経っただろうか。俺様もなまえもかなりの時間集中して机に向き合っている気がする。
「……猿飛、今何個?」
「え〜……124個目」
なまえからの返答に答えながら、自分でもよくここまで書けたもんだなとちょっと感動している。なんだかんだ言って、俺もなまえのことを相当好きなわけで……
「え、遅くない?私もう230に到達したけど」
「にっ……は!?あんだけ50だの100だの言ってたのに!?なまえちゃんもしかして俺様のことめちゃくちゃ好き!?」
「いや、猿飛が作る料理が美味しいから好きって方面から攻めていったら230品目挙がってて……」
「料理!?俺様自身のことは!?ていうかそんなに品数作った覚えないけど!?」
確かに料理は度々振る舞うけど、いたって普通の家庭料理だ。今までに230品目も作ってたか……?いや、絶対にそこまでじゃない。
「ハイハイ、ちょっと内容拝見いたしますよっと」
「ええ〜恥ずかしいけど……まあ、いいよ」
「どれどれ……えーと?猿飛の作るお味噌汁が好き、卵焼きが好き……たらこパスタなんてなまえに作ったことあったか?」
「え、あったよ。絶対あったよ」
「……トムヤムクンも?」
「あ、あったよ」
……最初こそ知っている料理ばかりだったのが、スクロールするたびに知らない料理一覧表になりつつある。
「俺様プーパッポンカリーもナシゴレンもアマトリチャーナもガスパチョも振る舞った覚えないんだけど!?ていうか全部何料理!?」
「こ、このまま乗り切ろうと思ったのに!!」
「姑息!でも230品目も料理を覚えてるのはえらい!追加で記載させてもらうわ」
「さ、猿飛もなかなかのマインド……ていうかもう限界、230品目が限界だよ……」
「もう普通に俺様の好きなところ挙げない?」
なまえの世界の料理知識に限界がきたところで、謎の通知音が鳴る。
音がした方を見ると、またあの電光掲示板に文字が表示された。
【限界を迎えたあなたに───── 後日ガスパチョを作って我々に差し入れたら今日は解放します(^^)v差し入れ先は以下の住所〜〜……】
「運営ガスパチョ気になってるじゃないのさ!」
「猿飛のガスパチョは絶品だからね。脱出したらみんなに振る舞おうね」
「いやガスパチョのレシピ知らないけど!?」
4/4ページ
