麦と真珠
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【第3話 月の光と星の光】
「……今日は星が綺麗に見えない」
「あー……今日は月の光が強いからなあ。まぁ仕方ないさ」
「くそう!月めっ」
今日のなまえは少し不機嫌だ。今日は月の光が強すぎる。星を見るなら月が出ていないほうがいいからな。
それにしても、星が好きなのは知ってたけど、まさか月の光に怒るなんてな。
……怒った顔も可愛いな、なまえは。
…………え?怒った顔"も"?
どうしちゃったの俺様、普段からなまえを可愛いって思ってるみたいなこと……。
「ご、ごめん……くそう!なんて言っちゃった……はしたないよね……」
肩を落として、恥じらいつつもしゅんとするなまえ。
……うーん、可愛いな?
いつも姫らしからぬ突飛な行動や発言をするもんだから気づかなかったけど、なまえはけっこう……いや、すごく可愛いと思う。
なまえが城の外に出られないのって、可愛いから外に出したくないとか思われてるとか、そんな理由なんじゃないの?
……まぁ、もっと重い理由っぽかったけどさ。
「え?あの、そんなに幻滅するほどだった……?」
「あ、あー!!いや、そんなことないってば!相変わらず発言が姫っぽくないな〜?なんて思ってさ!ほんと面白いよななまえって!」
「な、なんだ……びっくりした……せっかくお友達になったのに、幻滅されたらどうしようかと思ったよ」
と、とりあえず誤魔化せた。俺様としたことがなまえの前で考え事するなんて……。
「幻滅されてないみたいだから言っちゃうんだけどさ……あー!!!星が見たかったな!せっかく猿飛が来ているのに……猿飛と見たかったんだよ、星を……」
……そんなに俺様と見たかっただなんて強調されると、流石にちょっと小っ恥ずかしいんだけど?
「まあまあ、星なら出てるじゃない」
「でも、月の光で綺麗に見えない……大きな光は小さな光の邪魔をする……いつだってそうだよ……」
徐々になまえの表情が曇ってゆく。大きな光は、小さな光の邪魔をする……?
「何かと、重ね合わせてるのか?」
「うん、あの人……父上の話だよ。権力を持ちすぎたあの人の光は、必死に生きる民たちの光をかき消してしまっているような気がしてならないの」
なまえの父……つまり、ここの城主と重ね合わせていたのか。確かに、ここの城主のそういう噂はよく聞く。刃向かう者は皆粛清される……有名な話だ。
「ねえ、ずっとこのままなのかな……私はここに閉じ込められたままで、民達は……」
握りしめた拳は震えている。優しい子なんだ、なまえは。だからここの城主がやっていることを許せないし、見過ごせない……。
「まぁでも、状況は変わってると思うぜ?実際、ウチとなまえのとこは同盟を結ぶ一歩手前だからな。つまり、ふんぞり返ってるここの城主に意見を言える立場の人間が増えるってことだ。そうなれば……」
「あの人の考え方が、少しでも変わる望みがあるってこと……なの?」
「まあね。そういうことだ」
……実を言うと、ここの戦力が欲しいという理由は表向きの理由。暴走しつつあるここの城主を、なんとか押さえつけるための同盟でもある。
まぁ、同盟結びたがってる軍のほとんどはここの戦力目当てっぽいけどさ。俺様たちは一味違うんだぞってことで。
「……なら、信じてみようかな。猿飛と、猿飛の仲間たちを」
「あぁ、任せときな!……ちょっと荷が重いけどな」
……曇っていた表情が晴れつつある。よかった、少しは元気になったみたいだ。
「ところでなまえさ、バレてないの?夜とはいえ、けっこうな頻度で部屋から抜け出してるよな?」
「うん、ここの人にはバレてないみたい。むしろ猿飛みたいな他の軍の忍者さんにバレてる」
「それはそれでどうなのよ……世間に存在を隠すために閉じ込めている割には、外部にバレバレなんだけど?ここの城主サマはそれ分かってんの?」
「もし私が部屋から抜け出してるってことをあの人が知ってたら、私は今日猿飛と一緒に屋根の上にいないよ」
「それもそうか……っていうかそんなガバガバでいいのか?まぁそのおかげで、こうやってなまえと会えるワケだけどさ」
「まあね。そこは感謝しなきゃ」
強いな、なまえは……。
そして、閉じ込められてるって話だったけど案外甘い管理だった。まぁ確かになまえを城の外には出してないけどさ?俺様をはじめとする忍たちには存在がバレてるわけだし。
こうしてなまえと会ってる俺様が言うのもなんだけど、いいわけ?そんなんでさ……。
「……今日は星が綺麗に見えない」
「あー……今日は月の光が強いからなあ。まぁ仕方ないさ」
「くそう!月めっ」
今日のなまえは少し不機嫌だ。今日は月の光が強すぎる。星を見るなら月が出ていないほうがいいからな。
それにしても、星が好きなのは知ってたけど、まさか月の光に怒るなんてな。
……怒った顔も可愛いな、なまえは。
…………え?怒った顔"も"?
どうしちゃったの俺様、普段からなまえを可愛いって思ってるみたいなこと……。
「ご、ごめん……くそう!なんて言っちゃった……はしたないよね……」
肩を落として、恥じらいつつもしゅんとするなまえ。
……うーん、可愛いな?
いつも姫らしからぬ突飛な行動や発言をするもんだから気づかなかったけど、なまえはけっこう……いや、すごく可愛いと思う。
なまえが城の外に出られないのって、可愛いから外に出したくないとか思われてるとか、そんな理由なんじゃないの?
……まぁ、もっと重い理由っぽかったけどさ。
「え?あの、そんなに幻滅するほどだった……?」
「あ、あー!!いや、そんなことないってば!相変わらず発言が姫っぽくないな〜?なんて思ってさ!ほんと面白いよななまえって!」
「な、なんだ……びっくりした……せっかくお友達になったのに、幻滅されたらどうしようかと思ったよ」
と、とりあえず誤魔化せた。俺様としたことがなまえの前で考え事するなんて……。
「幻滅されてないみたいだから言っちゃうんだけどさ……あー!!!星が見たかったな!せっかく猿飛が来ているのに……猿飛と見たかったんだよ、星を……」
……そんなに俺様と見たかっただなんて強調されると、流石にちょっと小っ恥ずかしいんだけど?
「まあまあ、星なら出てるじゃない」
「でも、月の光で綺麗に見えない……大きな光は小さな光の邪魔をする……いつだってそうだよ……」
徐々になまえの表情が曇ってゆく。大きな光は、小さな光の邪魔をする……?
「何かと、重ね合わせてるのか?」
「うん、あの人……父上の話だよ。権力を持ちすぎたあの人の光は、必死に生きる民たちの光をかき消してしまっているような気がしてならないの」
なまえの父……つまり、ここの城主と重ね合わせていたのか。確かに、ここの城主のそういう噂はよく聞く。刃向かう者は皆粛清される……有名な話だ。
「ねえ、ずっとこのままなのかな……私はここに閉じ込められたままで、民達は……」
握りしめた拳は震えている。優しい子なんだ、なまえは。だからここの城主がやっていることを許せないし、見過ごせない……。
「まぁでも、状況は変わってると思うぜ?実際、ウチとなまえのとこは同盟を結ぶ一歩手前だからな。つまり、ふんぞり返ってるここの城主に意見を言える立場の人間が増えるってことだ。そうなれば……」
「あの人の考え方が、少しでも変わる望みがあるってこと……なの?」
「まあね。そういうことだ」
……実を言うと、ここの戦力が欲しいという理由は表向きの理由。暴走しつつあるここの城主を、なんとか押さえつけるための同盟でもある。
まぁ、同盟結びたがってる軍のほとんどはここの戦力目当てっぽいけどさ。俺様たちは一味違うんだぞってことで。
「……なら、信じてみようかな。猿飛と、猿飛の仲間たちを」
「あぁ、任せときな!……ちょっと荷が重いけどな」
……曇っていた表情が晴れつつある。よかった、少しは元気になったみたいだ。
「ところでなまえさ、バレてないの?夜とはいえ、けっこうな頻度で部屋から抜け出してるよな?」
「うん、ここの人にはバレてないみたい。むしろ猿飛みたいな他の軍の忍者さんにバレてる」
「それはそれでどうなのよ……世間に存在を隠すために閉じ込めている割には、外部にバレバレなんだけど?ここの城主サマはそれ分かってんの?」
「もし私が部屋から抜け出してるってことをあの人が知ってたら、私は今日猿飛と一緒に屋根の上にいないよ」
「それもそうか……っていうかそんなガバガバでいいのか?まぁそのおかげで、こうやってなまえと会えるワケだけどさ」
「まあね。そこは感謝しなきゃ」
強いな、なまえは……。
そして、閉じ込められてるって話だったけど案外甘い管理だった。まぁ確かになまえを城の外には出してないけどさ?俺様をはじめとする忍たちには存在がバレてるわけだし。
こうしてなまえと会ってる俺様が言うのもなんだけど、いいわけ?そんなんでさ……。