酩酊めいど
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「あ〜!はんべえさん!むかえにきてくれたんですか〜?」
「酔って歩けないから車で迎えに来い、と連絡を寄越したのは君だろう?」
「だって!だって……はんべえさんはわたしの彼氏なのですから〜!!!」
「……相当飲んだようだね、困ったな。なまえはけっこう面倒な酔い方をするから」
「めんどう〜?」
「ところでなまえ、その格好……いや、理由は車の中で聞こう」
─────今の状況を簡単に説明すると、彼女の友人宅へ遊びに行ったなまえを迎えに行ったら相当酔っており、なぜかメイド服を着ていた……といったところだ。
*
なんとかなまえを助手席に座らせ、自宅へと向かう。
流石にこの格好はどうかと思い、僕が着ていたカーディガンを羽織らせたら『はんべえさんだいすき……』だのと言い出してどうにかなりそうだった。普段こんなこと滅多に言わないくせにね。
なまえとは同棲して数ヶ月になるけれど、まさかこんな格好の彼女を車に乗せて帰るだなんて思いもしなかった。
「……改めて聞くけど、その格好は?」
「これはぁ、食材の買い出しに行ったときに、見つけて……えへへ」
「そんなもの食品売り場に売ってないだろう」
「ヒント!ペンギン!あとは……どんどんどん♪どん」
「あぁ、あの店に行ったんだね……」
某ディスカウントショップへ行ったらしい。どうやら食品売り場だけでなく別のフロアも見たようだ。
「こんかいのテーマは、彼氏がすきそうなコスチュームをえらぶ!だったので、はんべえさんがすきそうなのをえらびました〜」
「……へえ、僕はこういう服が好きだと思われていたのかい?」
「え?きらいでしたか……?」
正直、こういう俗っぽいのは僕の趣味ではない。趣味ではないけれど……
「何故だろうね、君が着ていると不思議と可愛いと思うよ」
「え!かわいいですか!?」
「運転中でなければ、もっと君を見たいんだけどね」
「じゃあ、帰ってからいっぱいみてくれますか……?」
「……酔うとこういうことを言い出すから厄介だよね、君は」
「あはは、はんべえさん照れてる〜!あ、ちょうどあかしんごうですねえはんべえさん!」
何が丁度なんだい、と聞こうと思った瞬間、
なまえの手が僕の顔に触れた。
「やっぱり、家までなんて待てないですよねえ……?」
なまえはそう言うと、僕の顔をなまえの方へと向かせて唇に触れるだけのキスをする。
「きゃ〜!ちゅーしちゃいましたね」
「……君は僕をどうしたいんだい?」
これは完全に煽られている。
無自覚なのか、自覚があった上で誘っているのか。
「どうしたいって〜、それはぁ!はんべえさん、いっつも冷静でかっこよくて、いつもわたしがすごくどきどきしちゃって、劣勢?で、つまんないから……たまには私に負けてほしいなって……」
「へえ?」
「キスも、いつもはんべえさんからだし、わたしばっかりどきどきして……ずるいんだもんだって〜!」
……負けっぱなしなのは僕だし、ずるいのはなまえだと思うんだけどな。
君に惚れた時点で、なまえのことしか考えられなくなっているのだから。
「だから〜、からだのラインが出るようなやつ選んだし、みじかいタイトスカートのやつ選んだんですよ〜?ね、はんべえさん、どうですか……?」
なんでこの子は僕を煽るようなことばかり言ってくるのだろう。
よりにもよって運転中に。
「……残念ながら信号が変わってしまったね。家に帰ったらじっくり見せてもらおうかな」
「えへへ、いいですよ〜?はんべえさんのためだけに選んだんですもん……今日ははんべえさんの好きにしてください、ね……?」
「君は本当に……!もう僕以外の前では飲ませられないな……」
……僕としたことが、かなり動揺しているらしい。やはり僕はなまえに負けっぱなしだ。勝てたと思ったことなんて一度もない。
「君が隣にいるのに早く帰りたいと思ったのは初めてだよ」
アクセルを踏む力が強くなる。あと何分で着くだろうか。
……僕にはもう、なまえ以外のことを考える余裕すらないのかもしれない。
「酔って歩けないから車で迎えに来い、と連絡を寄越したのは君だろう?」
「だって!だって……はんべえさんはわたしの彼氏なのですから〜!!!」
「……相当飲んだようだね、困ったな。なまえはけっこう面倒な酔い方をするから」
「めんどう〜?」
「ところでなまえ、その格好……いや、理由は車の中で聞こう」
─────今の状況を簡単に説明すると、彼女の友人宅へ遊びに行ったなまえを迎えに行ったら相当酔っており、なぜかメイド服を着ていた……といったところだ。
*
なんとかなまえを助手席に座らせ、自宅へと向かう。
流石にこの格好はどうかと思い、僕が着ていたカーディガンを羽織らせたら『はんべえさんだいすき……』だのと言い出してどうにかなりそうだった。普段こんなこと滅多に言わないくせにね。
なまえとは同棲して数ヶ月になるけれど、まさかこんな格好の彼女を車に乗せて帰るだなんて思いもしなかった。
「……改めて聞くけど、その格好は?」
「これはぁ、食材の買い出しに行ったときに、見つけて……えへへ」
「そんなもの食品売り場に売ってないだろう」
「ヒント!ペンギン!あとは……どんどんどん♪どん」
「あぁ、あの店に行ったんだね……」
某ディスカウントショップへ行ったらしい。どうやら食品売り場だけでなく別のフロアも見たようだ。
「こんかいのテーマは、彼氏がすきそうなコスチュームをえらぶ!だったので、はんべえさんがすきそうなのをえらびました〜」
「……へえ、僕はこういう服が好きだと思われていたのかい?」
「え?きらいでしたか……?」
正直、こういう俗っぽいのは僕の趣味ではない。趣味ではないけれど……
「何故だろうね、君が着ていると不思議と可愛いと思うよ」
「え!かわいいですか!?」
「運転中でなければ、もっと君を見たいんだけどね」
「じゃあ、帰ってからいっぱいみてくれますか……?」
「……酔うとこういうことを言い出すから厄介だよね、君は」
「あはは、はんべえさん照れてる〜!あ、ちょうどあかしんごうですねえはんべえさん!」
何が丁度なんだい、と聞こうと思った瞬間、
なまえの手が僕の顔に触れた。
「やっぱり、家までなんて待てないですよねえ……?」
なまえはそう言うと、僕の顔をなまえの方へと向かせて唇に触れるだけのキスをする。
「きゃ〜!ちゅーしちゃいましたね」
「……君は僕をどうしたいんだい?」
これは完全に煽られている。
無自覚なのか、自覚があった上で誘っているのか。
「どうしたいって〜、それはぁ!はんべえさん、いっつも冷静でかっこよくて、いつもわたしがすごくどきどきしちゃって、劣勢?で、つまんないから……たまには私に負けてほしいなって……」
「へえ?」
「キスも、いつもはんべえさんからだし、わたしばっかりどきどきして……ずるいんだもんだって〜!」
……負けっぱなしなのは僕だし、ずるいのはなまえだと思うんだけどな。
君に惚れた時点で、なまえのことしか考えられなくなっているのだから。
「だから〜、からだのラインが出るようなやつ選んだし、みじかいタイトスカートのやつ選んだんですよ〜?ね、はんべえさん、どうですか……?」
なんでこの子は僕を煽るようなことばかり言ってくるのだろう。
よりにもよって運転中に。
「……残念ながら信号が変わってしまったね。家に帰ったらじっくり見せてもらおうかな」
「えへへ、いいですよ〜?はんべえさんのためだけに選んだんですもん……今日ははんべえさんの好きにしてください、ね……?」
「君は本当に……!もう僕以外の前では飲ませられないな……」
……僕としたことが、かなり動揺しているらしい。やはり僕はなまえに負けっぱなしだ。勝てたと思ったことなんて一度もない。
「君が隣にいるのに早く帰りたいと思ったのは初めてだよ」
アクセルを踏む力が強くなる。あと何分で着くだろうか。
……僕にはもう、なまえ以外のことを考える余裕すらないのかもしれない。
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