聖夜のとある恋人たち
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
─────楽しい時間はあっという間に過ぎた。クリスマスマーケットを覗いたり、半兵衛さんセレクトのちょっといいお店でディナーをいただいたり……。
デートのたびに思うけど、やっぱり半兵衛さんと一日一緒に過ごせるのは嬉しい。でも、お別れする時間が近づいていると思うと少しさみしい。
半兵衛さんも、そう思ってくれているといいな。
「なまえ」
「ん?」
「ふたりきりになれるところに行きたい。これから僕の家に来るのは……嫌かい?」
「へっ!?い、いや、いやなわけない……です」
「そうか、よかった……もし断られたらかなり落ち込んだよ」
……ど、どうしよう。緊張しちゃうってそんなの!キス以上のことは分からないけれど、多分キスはするんだろうし!
「そ、そんなこと言ってますけど半兵衛さん余裕そうじゃないですか」
「余裕のある男でいたいんだよ。特に君の前では」
「私は余裕がない半兵衛さんも見たいけどなあ」
「嫌だよ、君にかっこ悪いところは見せたくないんだ。かっこいいと思われたいし、何より嫌われたくないんだ」
君にかっこいいと思われたい、なんてことを言われてドキドキしないひとなんているのだろうか。私は今にも固まってしまいそうなのに、半兵衛さんは相変わらずそんな素振りをまったく見せない。
─────でも、最後の言葉は少し引っかかった。私はかっこ悪いところを見たくらいで半兵衛さんを嫌ったりなんかしないのに。
「私、仮に半兵衛さんがかっこ悪くても嫌いになんかなったりしません!今さらそんなことで嫌いになれないです」
「なまえ……」
「それにかっこいいところだけ見せるなんてずるいです!私は、半兵衛さんにぜんぶ見せるつもりなのに……」
「ッ……」
……もしかしたら、私はちょっと大胆なことを言ってしまったのかもしれない。
でも本心だし、半兵衛さんには全てを見せてもいいって思ってるし。
「今言ったこと、忘れたとは言わせないからね」
*
─────もうすぐ半兵衛さんの家だ。
にぎやかな駅前から抜け出し、現在私たちは閑静な住宅街を歩いている。
「いいね、君と帰る家が同じっていうのは」
「い、いやお邪魔するだけなんですけどね!?」
「でもいずれはそうなるだろう?」
「……気が早くないですか?」
「そうかい?」
駅前と違って静かだから、半兵衛さんの言葉がより響く。半兵衛さんもそれを分かっているのか、さっきからまあまあの頻度でこういうことを言ってくる。
「さ、着いたよなまえ」
半兵衛さんが住むマンションに到着した。
きょろきょろして落ち着かない私とは正反対に、半兵衛さんはスマートに入り口のオートロックを解除する。
こ、ここからエレベーターに乗って降りたら、もう半兵衛さんのお部屋……。
「そんなに緊張しなくてもいいだろう?」
「そんなこと言われても困ります……!」
エレベーターには私たち以外の人はいない。ここから本当にふたりっきりなのか……。
「なまえ」
「ん?」
半兵衛さんの顔が近い。
ちょっとあまりにも至近距離すぎませんか……!?
「あ、あの、はんべ、さ……」
私の頬に半兵衛さんの手が触れる。
あ、これキスされるやつだ。半兵衛さんはキスするとき、いつも私の頬を覆うように触れる。
─────あ、唇が触れた。
「……我ながら嫌な男だね。こんな場所で迫るだなんて」
「そ、そんなこと……」
「僕の部屋に行ったら、これ以上のことをしたい」
この人はどれだけ私をドキドキさせれば気が済むんだろう。これだけ近いと、私の心臓の音が半兵衛さんにも聞こえているんじゃないかと思ってしまう。
「……私も、これ以上のことをしたいです」
─────なんとか絞り出した言葉は、半兵衛さんにちゃんと聞こえただろうか。
*
「……私も、これ以上のことをしたいです」
何故なまえは、僕を昂らせることを言うのが上手なんだろうね。しかも、そんな表情で言うなんて。
「そんなことを言われたら、なまえを帰せなくなってしまうな」
僕がこう言ったら、君は顔を赤くして照れるんだろう?そういう反応も愛らしくて仕方ないと思ってしまうだなんて、僕は相当なまえのことが好きらしい。
「も、もし私が帰りたくないって言ったら……?」
「……間違いなく抱き潰すだろうね」
我ながら最低なことを口にしたのは分かっている。でも『帰りたくない』と僕に伝えるのは……そう思っていいってことだろう?
「潰っ……!?で、でも私、初めてでっ!その……」
「優しくしてほしい?」
「で、できれば」
「……善処するよ」
……丁度、目当ての階に到着したことを伝える音が鳴った。
*
「……はんべ、さっ……ちょっとくるしい、です」
半兵衛さんのお部屋にお邪魔するやいなや、突然深いキスをされた。さっきの触れるだけのキスとは違って、ちょっとだけ苦しい。
「ごめん、なまえが可愛いから……」
「そ、そう言えばぜんぶ許すわけじゃな……んぇ……」
半兵衛さんは、私が言い切る前にまたキスをしてきた。
ちょっとくるしいけど、気持ちいい。
「ひゃっ……!?」
半兵衛さんは私の服の中に手を入れて、私の背中をなぞった。半兵衛さんの手が少し冷たくて、思わず変な声が漏れてしまった。
…………どうしよう、本当にキス以上のことしちゃうんだ。
「……服、脱がせてもいいかな」
「ぬ、ぬがせ……っ!?」
─────ちょっと待って? そういえば私、今日下着ってどんなの着て…………あ、新しく買ったやつだ。
……こ、ここにきて不安になってきた。ちょっとこの下着、私にしてはえっちすぎたかな?あからさますぎるかな?半兵衛さん引いたりしないかな?
「やっぱり、怖いかい?」
優しく問いかける半兵衛さん。そんな半兵衛さんに引かれるのが怖いです、とは流石に言えず。
「あ、あの!今日……の下着、あんまり半兵衛さんが好きな感じじゃないかもしれなくて……ちょ、ちょっとえっちな感じなのなんて、好きじゃないですよね……」
ああもう……購入の文字をタップした時の謎の自信はどこに行ってしまったんだろう。怖気付くあまりとんでもないことを口走ってしまった。
「あ、あの半兵衛さ……っ」
「なまえは……僕を煽るのが本当に上手だね」
「やっ、そ、そんなっ……」
半兵衛さんは私をソファに押し倒すと、私が着ているインナーをそっと捲り上げた。
「……案外大胆だね、なまえ」
半兵衛さんが私の耳元で呟く。
これからいったいどうなってしまうんだろう。
まだ、夜は長い。
デートのたびに思うけど、やっぱり半兵衛さんと一日一緒に過ごせるのは嬉しい。でも、お別れする時間が近づいていると思うと少しさみしい。
半兵衛さんも、そう思ってくれているといいな。
「なまえ」
「ん?」
「ふたりきりになれるところに行きたい。これから僕の家に来るのは……嫌かい?」
「へっ!?い、いや、いやなわけない……です」
「そうか、よかった……もし断られたらかなり落ち込んだよ」
……ど、どうしよう。緊張しちゃうってそんなの!キス以上のことは分からないけれど、多分キスはするんだろうし!
「そ、そんなこと言ってますけど半兵衛さん余裕そうじゃないですか」
「余裕のある男でいたいんだよ。特に君の前では」
「私は余裕がない半兵衛さんも見たいけどなあ」
「嫌だよ、君にかっこ悪いところは見せたくないんだ。かっこいいと思われたいし、何より嫌われたくないんだ」
君にかっこいいと思われたい、なんてことを言われてドキドキしないひとなんているのだろうか。私は今にも固まってしまいそうなのに、半兵衛さんは相変わらずそんな素振りをまったく見せない。
─────でも、最後の言葉は少し引っかかった。私はかっこ悪いところを見たくらいで半兵衛さんを嫌ったりなんかしないのに。
「私、仮に半兵衛さんがかっこ悪くても嫌いになんかなったりしません!今さらそんなことで嫌いになれないです」
「なまえ……」
「それにかっこいいところだけ見せるなんてずるいです!私は、半兵衛さんにぜんぶ見せるつもりなのに……」
「ッ……」
……もしかしたら、私はちょっと大胆なことを言ってしまったのかもしれない。
でも本心だし、半兵衛さんには全てを見せてもいいって思ってるし。
「今言ったこと、忘れたとは言わせないからね」
*
─────もうすぐ半兵衛さんの家だ。
にぎやかな駅前から抜け出し、現在私たちは閑静な住宅街を歩いている。
「いいね、君と帰る家が同じっていうのは」
「い、いやお邪魔するだけなんですけどね!?」
「でもいずれはそうなるだろう?」
「……気が早くないですか?」
「そうかい?」
駅前と違って静かだから、半兵衛さんの言葉がより響く。半兵衛さんもそれを分かっているのか、さっきからまあまあの頻度でこういうことを言ってくる。
「さ、着いたよなまえ」
半兵衛さんが住むマンションに到着した。
きょろきょろして落ち着かない私とは正反対に、半兵衛さんはスマートに入り口のオートロックを解除する。
こ、ここからエレベーターに乗って降りたら、もう半兵衛さんのお部屋……。
「そんなに緊張しなくてもいいだろう?」
「そんなこと言われても困ります……!」
エレベーターには私たち以外の人はいない。ここから本当にふたりっきりなのか……。
「なまえ」
「ん?」
半兵衛さんの顔が近い。
ちょっとあまりにも至近距離すぎませんか……!?
「あ、あの、はんべ、さ……」
私の頬に半兵衛さんの手が触れる。
あ、これキスされるやつだ。半兵衛さんはキスするとき、いつも私の頬を覆うように触れる。
─────あ、唇が触れた。
「……我ながら嫌な男だね。こんな場所で迫るだなんて」
「そ、そんなこと……」
「僕の部屋に行ったら、これ以上のことをしたい」
この人はどれだけ私をドキドキさせれば気が済むんだろう。これだけ近いと、私の心臓の音が半兵衛さんにも聞こえているんじゃないかと思ってしまう。
「……私も、これ以上のことをしたいです」
─────なんとか絞り出した言葉は、半兵衛さんにちゃんと聞こえただろうか。
*
「……私も、これ以上のことをしたいです」
何故なまえは、僕を昂らせることを言うのが上手なんだろうね。しかも、そんな表情で言うなんて。
「そんなことを言われたら、なまえを帰せなくなってしまうな」
僕がこう言ったら、君は顔を赤くして照れるんだろう?そういう反応も愛らしくて仕方ないと思ってしまうだなんて、僕は相当なまえのことが好きらしい。
「も、もし私が帰りたくないって言ったら……?」
「……間違いなく抱き潰すだろうね」
我ながら最低なことを口にしたのは分かっている。でも『帰りたくない』と僕に伝えるのは……そう思っていいってことだろう?
「潰っ……!?で、でも私、初めてでっ!その……」
「優しくしてほしい?」
「で、できれば」
「……善処するよ」
……丁度、目当ての階に到着したことを伝える音が鳴った。
*
「……はんべ、さっ……ちょっとくるしい、です」
半兵衛さんのお部屋にお邪魔するやいなや、突然深いキスをされた。さっきの触れるだけのキスとは違って、ちょっとだけ苦しい。
「ごめん、なまえが可愛いから……」
「そ、そう言えばぜんぶ許すわけじゃな……んぇ……」
半兵衛さんは、私が言い切る前にまたキスをしてきた。
ちょっとくるしいけど、気持ちいい。
「ひゃっ……!?」
半兵衛さんは私の服の中に手を入れて、私の背中をなぞった。半兵衛さんの手が少し冷たくて、思わず変な声が漏れてしまった。
…………どうしよう、本当にキス以上のことしちゃうんだ。
「……服、脱がせてもいいかな」
「ぬ、ぬがせ……っ!?」
─────ちょっと待って? そういえば私、今日下着ってどんなの着て…………あ、新しく買ったやつだ。
……こ、ここにきて不安になってきた。ちょっとこの下着、私にしてはえっちすぎたかな?あからさますぎるかな?半兵衛さん引いたりしないかな?
「やっぱり、怖いかい?」
優しく問いかける半兵衛さん。そんな半兵衛さんに引かれるのが怖いです、とは流石に言えず。
「あ、あの!今日……の下着、あんまり半兵衛さんが好きな感じじゃないかもしれなくて……ちょ、ちょっとえっちな感じなのなんて、好きじゃないですよね……」
ああもう……購入の文字をタップした時の謎の自信はどこに行ってしまったんだろう。怖気付くあまりとんでもないことを口走ってしまった。
「あ、あの半兵衛さ……っ」
「なまえは……僕を煽るのが本当に上手だね」
「やっ、そ、そんなっ……」
半兵衛さんは私をソファに押し倒すと、私が着ているインナーをそっと捲り上げた。
「……案外大胆だね、なまえ」
半兵衛さんが私の耳元で呟く。
これからいったいどうなってしまうんだろう。
まだ、夜は長い。
2/2ページ