竹中半兵衛
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「日焼け止め、ちゃんと塗ってるつもりなんだけどなあ」
首元が大きく空いている服を着て気づいたことがある。普段露出しがちな部分が、少し日に焼けていることだった。
「なんか首の色がちょっと違う……」
気になり始めると止まらない。
やっぱり日焼け止めはこまめに塗り直さないとだめなのだろうか。でも今更後悔しても遅いのだろう、だってもう色が変わってしまっているのだから。
「はぁ、よりによって半兵衛さんと会う直前に気づくなんて」
そう、半兵衛さんはもうすぐ私の部屋に来る。
予約困難だと噂のケーキを持ってやって来るのだ。
「やっぱり違う服にしよう。あんまり首元を露出しないような……」
急いでクローゼットを開けて中を物色するが、なんだかぴんと来ない。
無地のTシャツ、ジーンズ……これは半兵衛さんの隣に立つことを考えるとカジュアルすぎる。こっちのフリルが付いたシャツはちょっと子供っぽいし……。
「でもやっぱり半兵衛さんが好きそうなのってこれなんだよなあ」
結局今着ているものがしっくり来てしまう。
それにこれは今日着るために買ったようなものだ。今日着なかったらいつ着るんだ。
「まあ、ご愛嬌ってことで許してもらおう……」
ご愛嬌、なんとも便利な言葉だ。
私は恋人のご愛嬌という免罪符を手にして、半兵衛さんを出迎えることにした。
「え、今何時?」
もうすぐ約束の時間のはずだ。
時間を確認しようと携帯のロック画面を確認したら、半兵衛さんからメッセージが入っていた。
〈もうすぐ着くよ。君の目当てのものと一緒にね〉
目当てのもの、というのはケーキのことだろう。私が軽々しく「予約さえ困難らしいですよ。でも食べてみたいんですよね〜」と口にしたところ「いいよ。今度君の家に手土産として持っていくさ」とさらっと言われてしまったのだ。
今思えばそこで私の部屋に来る約束をしれっとされていたわけだ。色々と抜かりない。
半兵衛さんとのトーク画面を開いてスタンプを返信したその時、ちょうどインターホンが鳴った。
「はーい……ってクローゼット開けっぱなし!」
急いでクローゼットを閉めて、玄関へと向かう。日焼けの後悔も、一緒にクローゼットにしまえただろうか。
*
「やあ、君のために苦労して買ってきたよ」
ドアを開けて半兵衛さんと対面した直後、半兵衛さんは涼しい顔で言い放った。
苦労なんてしてませんよ、みたいな顔をしているけど発言から察するにきっと頑張ってくれたのだろう。
「本当にありがとうございます……!」
半兵衛さんから箱を丁重に受け取る。なんだか記念品の贈呈式みたいだ。
「安いものだよ。これで君と二人で過ごせるならね」
「な、なんだかまるで私が手土産を持ってこないと二人で過ごしてくれないみたいな言い方……」
「そうは言っていないさ。でもこれで僕の株はさらに上がったかい?」
「それはもう、かなり上昇です」
「ならいいんだ。それが目的のひとつだからね」
半兵衛さんはいつものように微笑んだ。ていうか目的のひとつってなんだ。他にも目標があるということなのだろうか。
「半兵衛さんの目的はいくつあるんですか?」
「教えてしまったら君が怖がるだろう?」
「その回答がもう怖いです」
「ふふ、そうかい?でも単純なことだよ。ただなまえを可愛がりたいというだけだから」
「可愛がるってそんな、子供じゃないんですから」
「……そうだよ、僕たちは子供じゃない。君は聡いから分かっているだろう?」
「何を、ですか」
「僕がなまえを可愛がる、という意味さ」
「……どうでしょう?」
多分、分かっている。私は分かってしまっているのだ。「可愛がる」ということがどういうことなのかを。具体的な内容までは分からないけど、だいたいの意味は。
「と、とりあえず食べましょうよ。せっかく買ってきていただいたんですから」
このままではいけない思考で脳内が満たされてしまう。これが応急処置になるのかは分からないが、ケーキを食べて空腹を満たすことにした。
「そうだね、まずは君の目的を達成しないと。僕の目的はまだ取っておかないとね」
焦る私とは対照的に、半兵衛さんは余裕の笑みを浮かべていた。というか今の半兵衛さんの発言から察するに、私の目的を達成したら次は半兵衛さんの目的を……。
私は、ケーキをちゃんと味わうことができるのだろうか。
*
「さて、お味のほどは如何だったかな」
「……すっごく美味しかったです」
先ほどの心配はどこに行ってしまったのだろうか。私は半兵衛さんが買ってきてくれたケーキをものすごく味わって食べた。
一口食べてすぐに分かった。このケーキは只者ではないと。
「流石は予約困難なだけありますね」
「気に入ってくれたようだね。それにしても君、かなり夢中になって食べていたじゃないか」
「えっ」
突如半兵衛さんの指摘が私を刺す。
かなり夢中になって……いた。自覚はある。
「可愛かったよ」
「……からかってますね?」
今の「可愛かった」は完全に子供を見る目だった。生憎半兵衛さんが子供に慈愛の眼差しを向けている場面には遭遇したことがないが、例えるならばソフトクリームを食べて顔をべちゃべちゃに汚している子供を見た保護者のような眼差しだった。
「本当に可愛いと思ってるさ。君は僕の前だと少し子供っぽくなるから」
「そ、そんなこと」
「口元にクリームが付いた状態じゃ説得力がないよ」
「え」
本当に子供みたいな状況になっていたらしい。
い、いつから?食べ終わってすぐ?それとも、もっと前から……?
「やっぱり可愛いよ。そうやってすぐ照れるところもね」
「や、やめてください……というかすみません、お行儀悪くて……」
半兵衛さん……つまり気を許した恋人の前だからとはいえ、なんだか恥ずかしいところを見せてしまった。
「……生憎、今日の僕もお行儀が悪いんだよ。だから気にする必要はないさ」
「え?」
隣に座る半兵衛さんは何やら意味深なことを呟くと、私の顔へと手を伸ばした。
「あぁ、拭ってくれるということか」と理解するまでにそう時間はかからなかった。
「えへへ、すいませ……」
「なまえは無防備で心配になるよ」
口元を拭うはずの手は、何故か私の頬を包むように添えられてしまった。
そして半兵衛さんは、困惑する私にキスを落とした。ご丁寧に、唇が離れる時に口元のクリームを回収して。
……"回収"された時に、私の肩が少し跳ねたのは半兵衛さんに気づかれただろうか。きっと気付かれているのだろう。だってあの時、少しだけ微笑んだから。
いっそのこと、もうこのままソファに沈んでしまいたい。
「ふふ、ご馳走様」
「半兵衛さん……!」
「言っただろう?君の目的を達成したら僕の目的だって」
「もう、どんな目的ですか……」
半兵衛さんの目的。
だいたいの察しはついているのに分からないフリを貫く私もずるいのは分かっている。半兵衛さんも、私のずるいところには長く触れてこない。たまに触れて指摘してくるけど。
「恋人らしいことをするんだよ、僕と君で」
────恋人らしいこと。
ここで言う恋人らしいこと、というのは手を繋ぐとか抱き締めるとかそういうことではないのだろう。
「さっき、キスもしたのに?」
「あれで足りるはずがないだろう?今日の君は特に扇情的だからね」
「……じゃあ、たくさんしてくれるんですね?」
「今の言い方はよくないな。まるでなまえがそう望んでいるみたいに聞こえるよ」
「……してほしいから、言ってるんです」
自分で言っておきながら何故顔が赤くなるのだろう。自分の発言なんだからその辺はコントロールできればいいのに。
「まったく、僕をどうしたいんだい……」
半兵衛さんは私が羽織っているカーディガンのリボンを解くと、肩口に指をかけてゆっくりと引き下げた。肩が覗き、さらに袖が二の腕まで滑り落ちたところで、その手を止めた。
……何やらじっと見られている気がする。あぁ、これのことだろうか。
「あんまり見ないでください……ちょっと油断して日焼けしちゃったんです」
「なるほど。普段露出しているところが分かると言うのはいいね、分かりやすくて」
「分かりやすいってなんですか」
「君、痕を付けるなら隠れるところに付けろって言うじゃないか」
「……痕?」
半兵衛さんは微笑みながら日焼け跡の境目を撫でてくる。妙にくすぐったくてぞわぞわする。
「ひっ……あ、もう、変な触り方しないで……」
「君もそういう声を出してるんだからおあいこだろう?」
指でなぞられた箇所に口付けを落とされる。
そして半兵衛さんはそのまま「痕」を付けた。
「そ、そんな境目ぎりぎりに……」
「分かりやすく境界線があるのだから活用しない手はないだろう?」
「もう、意地悪なことばっかりするじゃないですか……」
「なら、僕は好きな子に意地悪をする傾向があるのかもしれないね」
キャミソールのストラップをずらされ、そこにまた口付けを落とされる。
もう、なんでそんな変なところに……!
「可愛いんだよ、なまえの反応は。だからやめられなくなるのさ。意地悪も、甘やかすのもね」
「……も、もう、変なことしながら言わないでください!」
「ああ、照れているんだね。分かりやすくて助かるよ」
「照れるに決まってるじゃないですか、こんなことされたら……!」
「そうかい?ならなまえも僕にやってみるといいよ」
「絶対できません……!」
半兵衛さんは私の返答を聞くなり「残念だね。じゃあ気が向いたらいつか」と言って微笑んだ。この人には一生敵わないのだろうと察するとともに、しばらくデコルテを露出する服装はできないな、と悟るのだった。
そして、日焼け止めをこまめに塗り直すことを誓うのだった。
首元が大きく空いている服を着て気づいたことがある。普段露出しがちな部分が、少し日に焼けていることだった。
「なんか首の色がちょっと違う……」
気になり始めると止まらない。
やっぱり日焼け止めはこまめに塗り直さないとだめなのだろうか。でも今更後悔しても遅いのだろう、だってもう色が変わってしまっているのだから。
「はぁ、よりによって半兵衛さんと会う直前に気づくなんて」
そう、半兵衛さんはもうすぐ私の部屋に来る。
予約困難だと噂のケーキを持ってやって来るのだ。
「やっぱり違う服にしよう。あんまり首元を露出しないような……」
急いでクローゼットを開けて中を物色するが、なんだかぴんと来ない。
無地のTシャツ、ジーンズ……これは半兵衛さんの隣に立つことを考えるとカジュアルすぎる。こっちのフリルが付いたシャツはちょっと子供っぽいし……。
「でもやっぱり半兵衛さんが好きそうなのってこれなんだよなあ」
結局今着ているものがしっくり来てしまう。
それにこれは今日着るために買ったようなものだ。今日着なかったらいつ着るんだ。
「まあ、ご愛嬌ってことで許してもらおう……」
ご愛嬌、なんとも便利な言葉だ。
私は恋人のご愛嬌という免罪符を手にして、半兵衛さんを出迎えることにした。
「え、今何時?」
もうすぐ約束の時間のはずだ。
時間を確認しようと携帯のロック画面を確認したら、半兵衛さんからメッセージが入っていた。
〈もうすぐ着くよ。君の目当てのものと一緒にね〉
目当てのもの、というのはケーキのことだろう。私が軽々しく「予約さえ困難らしいですよ。でも食べてみたいんですよね〜」と口にしたところ「いいよ。今度君の家に手土産として持っていくさ」とさらっと言われてしまったのだ。
今思えばそこで私の部屋に来る約束をしれっとされていたわけだ。色々と抜かりない。
半兵衛さんとのトーク画面を開いてスタンプを返信したその時、ちょうどインターホンが鳴った。
「はーい……ってクローゼット開けっぱなし!」
急いでクローゼットを閉めて、玄関へと向かう。日焼けの後悔も、一緒にクローゼットにしまえただろうか。
*
「やあ、君のために苦労して買ってきたよ」
ドアを開けて半兵衛さんと対面した直後、半兵衛さんは涼しい顔で言い放った。
苦労なんてしてませんよ、みたいな顔をしているけど発言から察するにきっと頑張ってくれたのだろう。
「本当にありがとうございます……!」
半兵衛さんから箱を丁重に受け取る。なんだか記念品の贈呈式みたいだ。
「安いものだよ。これで君と二人で過ごせるならね」
「な、なんだかまるで私が手土産を持ってこないと二人で過ごしてくれないみたいな言い方……」
「そうは言っていないさ。でもこれで僕の株はさらに上がったかい?」
「それはもう、かなり上昇です」
「ならいいんだ。それが目的のひとつだからね」
半兵衛さんはいつものように微笑んだ。ていうか目的のひとつってなんだ。他にも目標があるということなのだろうか。
「半兵衛さんの目的はいくつあるんですか?」
「教えてしまったら君が怖がるだろう?」
「その回答がもう怖いです」
「ふふ、そうかい?でも単純なことだよ。ただなまえを可愛がりたいというだけだから」
「可愛がるってそんな、子供じゃないんですから」
「……そうだよ、僕たちは子供じゃない。君は聡いから分かっているだろう?」
「何を、ですか」
「僕がなまえを可愛がる、という意味さ」
「……どうでしょう?」
多分、分かっている。私は分かってしまっているのだ。「可愛がる」ということがどういうことなのかを。具体的な内容までは分からないけど、だいたいの意味は。
「と、とりあえず食べましょうよ。せっかく買ってきていただいたんですから」
このままではいけない思考で脳内が満たされてしまう。これが応急処置になるのかは分からないが、ケーキを食べて空腹を満たすことにした。
「そうだね、まずは君の目的を達成しないと。僕の目的はまだ取っておかないとね」
焦る私とは対照的に、半兵衛さんは余裕の笑みを浮かべていた。というか今の半兵衛さんの発言から察するに、私の目的を達成したら次は半兵衛さんの目的を……。
私は、ケーキをちゃんと味わうことができるのだろうか。
*
「さて、お味のほどは如何だったかな」
「……すっごく美味しかったです」
先ほどの心配はどこに行ってしまったのだろうか。私は半兵衛さんが買ってきてくれたケーキをものすごく味わって食べた。
一口食べてすぐに分かった。このケーキは只者ではないと。
「流石は予約困難なだけありますね」
「気に入ってくれたようだね。それにしても君、かなり夢中になって食べていたじゃないか」
「えっ」
突如半兵衛さんの指摘が私を刺す。
かなり夢中になって……いた。自覚はある。
「可愛かったよ」
「……からかってますね?」
今の「可愛かった」は完全に子供を見る目だった。生憎半兵衛さんが子供に慈愛の眼差しを向けている場面には遭遇したことがないが、例えるならばソフトクリームを食べて顔をべちゃべちゃに汚している子供を見た保護者のような眼差しだった。
「本当に可愛いと思ってるさ。君は僕の前だと少し子供っぽくなるから」
「そ、そんなこと」
「口元にクリームが付いた状態じゃ説得力がないよ」
「え」
本当に子供みたいな状況になっていたらしい。
い、いつから?食べ終わってすぐ?それとも、もっと前から……?
「やっぱり可愛いよ。そうやってすぐ照れるところもね」
「や、やめてください……というかすみません、お行儀悪くて……」
半兵衛さん……つまり気を許した恋人の前だからとはいえ、なんだか恥ずかしいところを見せてしまった。
「……生憎、今日の僕もお行儀が悪いんだよ。だから気にする必要はないさ」
「え?」
隣に座る半兵衛さんは何やら意味深なことを呟くと、私の顔へと手を伸ばした。
「あぁ、拭ってくれるということか」と理解するまでにそう時間はかからなかった。
「えへへ、すいませ……」
「なまえは無防備で心配になるよ」
口元を拭うはずの手は、何故か私の頬を包むように添えられてしまった。
そして半兵衛さんは、困惑する私にキスを落とした。ご丁寧に、唇が離れる時に口元のクリームを回収して。
……"回収"された時に、私の肩が少し跳ねたのは半兵衛さんに気づかれただろうか。きっと気付かれているのだろう。だってあの時、少しだけ微笑んだから。
いっそのこと、もうこのままソファに沈んでしまいたい。
「ふふ、ご馳走様」
「半兵衛さん……!」
「言っただろう?君の目的を達成したら僕の目的だって」
「もう、どんな目的ですか……」
半兵衛さんの目的。
だいたいの察しはついているのに分からないフリを貫く私もずるいのは分かっている。半兵衛さんも、私のずるいところには長く触れてこない。たまに触れて指摘してくるけど。
「恋人らしいことをするんだよ、僕と君で」
────恋人らしいこと。
ここで言う恋人らしいこと、というのは手を繋ぐとか抱き締めるとかそういうことではないのだろう。
「さっき、キスもしたのに?」
「あれで足りるはずがないだろう?今日の君は特に扇情的だからね」
「……じゃあ、たくさんしてくれるんですね?」
「今の言い方はよくないな。まるでなまえがそう望んでいるみたいに聞こえるよ」
「……してほしいから、言ってるんです」
自分で言っておきながら何故顔が赤くなるのだろう。自分の発言なんだからその辺はコントロールできればいいのに。
「まったく、僕をどうしたいんだい……」
半兵衛さんは私が羽織っているカーディガンのリボンを解くと、肩口に指をかけてゆっくりと引き下げた。肩が覗き、さらに袖が二の腕まで滑り落ちたところで、その手を止めた。
……何やらじっと見られている気がする。あぁ、これのことだろうか。
「あんまり見ないでください……ちょっと油断して日焼けしちゃったんです」
「なるほど。普段露出しているところが分かると言うのはいいね、分かりやすくて」
「分かりやすいってなんですか」
「君、痕を付けるなら隠れるところに付けろって言うじゃないか」
「……痕?」
半兵衛さんは微笑みながら日焼け跡の境目を撫でてくる。妙にくすぐったくてぞわぞわする。
「ひっ……あ、もう、変な触り方しないで……」
「君もそういう声を出してるんだからおあいこだろう?」
指でなぞられた箇所に口付けを落とされる。
そして半兵衛さんはそのまま「痕」を付けた。
「そ、そんな境目ぎりぎりに……」
「分かりやすく境界線があるのだから活用しない手はないだろう?」
「もう、意地悪なことばっかりするじゃないですか……」
「なら、僕は好きな子に意地悪をする傾向があるのかもしれないね」
キャミソールのストラップをずらされ、そこにまた口付けを落とされる。
もう、なんでそんな変なところに……!
「可愛いんだよ、なまえの反応は。だからやめられなくなるのさ。意地悪も、甘やかすのもね」
「……も、もう、変なことしながら言わないでください!」
「ああ、照れているんだね。分かりやすくて助かるよ」
「照れるに決まってるじゃないですか、こんなことされたら……!」
「そうかい?ならなまえも僕にやってみるといいよ」
「絶対できません……!」
半兵衛さんは私の返答を聞くなり「残念だね。じゃあ気が向いたらいつか」と言って微笑んだ。この人には一生敵わないのだろうと察するとともに、しばらくデコルテを露出する服装はできないな、と悟るのだった。
そして、日焼け止めをこまめに塗り直すことを誓うのだった。
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