大阪城・宴会の乱
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─────そしていつの間にか宴会当日。
「……なまえ、以前話したときに言うておったな」
「え?なによ刑部」
「太閤と賢人が宴会という名の下、秘密裏に何か企んでいるのではないかという話よ」
「あぁ……確かに怪しさ満点ではあるけど」
連日準備に追われてすっかり忘れていたけど、そういえばそんなこともあったな。
「昨夜、いかにも怪しい荷物が運ばれておってなァ」
「怪しい荷物?」
荷物ならたくさん運ばれていたけど、怪しい荷物ってどういうこと?
「丑三つ時……それも限りなく少人数での搬入。賢人のみが直接立ち会って行われておったわ」
「そ、それはいかにも……」
怪しい。怪しすぎる。
「半兵衛さんに直接聞いてみようかな」
「それがまったく捕まえられずよ。われも探しているが、昨夜の搬入のあとは姿さえ見当たらぬわ」
「なにそれ!?余計怪しいじゃないのよ」
「……やはり怪しいと思うか。いやなに、三成は"半兵衛様には深いお考えがある"の一点張りでな」
「まあ、三成くんはそうかもね」
……正直、薄々おかしいとは思っていた。
秀吉さんと半兵衛さんが泥酔したことも、そんな状態で今回のことを決めたことも。
「錚々たる武将が集うゆえ、一波乱どころではないかもしれぬなァ」
─────雲行きが一気に怪しくなった。
私は、今日を無事に終えることができるのだろうか。
*
刑部と会話を交わした後、私は会場へと赴いた。
とりあえず無事に終わりますように……と一応太陽に向かって祈ってみる。なんだか日輪を信仰しているあの人みたいになってしまった。
「はぁ……うわっ!?」
ぼーっとしていたら誰かにぶつかってしまった。会場設営担当の兵だろうか。
「ご、ごめんなさ……」
「Ha, 会いたかったぜhoney?まさかなまえから烈熱なinvitationをいただけるとは思わなかったぜ」
こ、この声!そしてその南蛮語は……
「伊達政宗……!」
たしか奥州筆頭だの竜王だのと名乗っている派手な武将……正直苦手なタイプだ。南蛮語もそんなに詳しいわけじゃないし。
……従者の片倉さんは近くにいないのだろうか。とりあえずさっさと案内して、解放させてもらおう。
「大阪城へようこそおいでくださました。遠方からはるばるいらっしゃったんですからお疲れでしょう?まだ宴会の開始時刻には早いですが、とりあえずあちらに……」
「水臭えじゃねえか。今はアンタのお望み通り、二人きりだぜ?」
「…………は?」
何を言ってるんだこの人は。お望み通り二人きり?私むしろこの人苦手なんですけど。
「アンタから言ったんだぜ、オレと二人きりになりたいって」
「は???」
つい食い気味に返事をしてしまった。
いや、ちゃんとした返事ではないんだけど。
「えっ……すみません。なんのことですか?」
「何って、なまえがinvitationに書いたんだろ?」
「……何を?」
「オレとparty抜け出して二人になりたいって……オイなんだその顔」
─────奴だ。左近だ、左近だわ。
思わず敬称をつけ忘れたけどもう許してほしい。や、やりやがったわね!?招待状を出す時に私の名前を借りただのなんだの言ってたけど、名前を借りるだけじゃなくて変なことも書いてたってワケね……!
「左近くん、せめて助けて……」
「ここで他の男の名前を呼ばれるオレの立場はなんなんだ?これオレが悪いのか?」
「あー、いやすいません。ちょっと豊臣でも色々ありまして。端的に言うとですね、これは……」
*
「OK……オレはアイツに騙されたってことかよ……!」
「まあ、そういうことになりますね……ていうかこれ私も被害者ですよね?島左近被害者の会を今ここに設立しましょう」
「あぁ、アイツは見つけ次第ブチのめす」
まさかの被害者の会が設立されてしまった。
でもこれは左近くんが悪い。
「しかも左近くん、多分同じ内容で複数人に出してるんですよねえ……下手したら会員数とんでもないことになりますよ」
「マジかよアイツ……」
すごい、あの伊達政宗が露骨に引いている。
「アンタのlove callに応えるために、わざわざ小十郎も撒いてきたってのにな」
「それは……ご、ごめんなさい」
「─────ってワケで、これくらいは許されるよな?」
伊達さんは突然私の手を取ると、手の甲に口付けをする。
「はぁ!!?」
「単なる挨拶だ、深い意味はねえ。まあ、アンタがどうしても意味を見出したいってんならそれでもいいが」
「と、突然何して……」
「深い意味は、なまえが本心からオレを求めた時に与えたい」
と、突然なんなんだこの人!
……私、やっぱりこの人苦手かもしれない!
「……なまえ、以前話したときに言うておったな」
「え?なによ刑部」
「太閤と賢人が宴会という名の下、秘密裏に何か企んでいるのではないかという話よ」
「あぁ……確かに怪しさ満点ではあるけど」
連日準備に追われてすっかり忘れていたけど、そういえばそんなこともあったな。
「昨夜、いかにも怪しい荷物が運ばれておってなァ」
「怪しい荷物?」
荷物ならたくさん運ばれていたけど、怪しい荷物ってどういうこと?
「丑三つ時……それも限りなく少人数での搬入。賢人のみが直接立ち会って行われておったわ」
「そ、それはいかにも……」
怪しい。怪しすぎる。
「半兵衛さんに直接聞いてみようかな」
「それがまったく捕まえられずよ。われも探しているが、昨夜の搬入のあとは姿さえ見当たらぬわ」
「なにそれ!?余計怪しいじゃないのよ」
「……やはり怪しいと思うか。いやなに、三成は"半兵衛様には深いお考えがある"の一点張りでな」
「まあ、三成くんはそうかもね」
……正直、薄々おかしいとは思っていた。
秀吉さんと半兵衛さんが泥酔したことも、そんな状態で今回のことを決めたことも。
「錚々たる武将が集うゆえ、一波乱どころではないかもしれぬなァ」
─────雲行きが一気に怪しくなった。
私は、今日を無事に終えることができるのだろうか。
*
刑部と会話を交わした後、私は会場へと赴いた。
とりあえず無事に終わりますように……と一応太陽に向かって祈ってみる。なんだか日輪を信仰しているあの人みたいになってしまった。
「はぁ……うわっ!?」
ぼーっとしていたら誰かにぶつかってしまった。会場設営担当の兵だろうか。
「ご、ごめんなさ……」
「Ha, 会いたかったぜhoney?まさかなまえから烈熱なinvitationをいただけるとは思わなかったぜ」
こ、この声!そしてその南蛮語は……
「伊達政宗……!」
たしか奥州筆頭だの竜王だのと名乗っている派手な武将……正直苦手なタイプだ。南蛮語もそんなに詳しいわけじゃないし。
……従者の片倉さんは近くにいないのだろうか。とりあえずさっさと案内して、解放させてもらおう。
「大阪城へようこそおいでくださました。遠方からはるばるいらっしゃったんですからお疲れでしょう?まだ宴会の開始時刻には早いですが、とりあえずあちらに……」
「水臭えじゃねえか。今はアンタのお望み通り、二人きりだぜ?」
「…………は?」
何を言ってるんだこの人は。お望み通り二人きり?私むしろこの人苦手なんですけど。
「アンタから言ったんだぜ、オレと二人きりになりたいって」
「は???」
つい食い気味に返事をしてしまった。
いや、ちゃんとした返事ではないんだけど。
「えっ……すみません。なんのことですか?」
「何って、なまえがinvitationに書いたんだろ?」
「……何を?」
「オレとparty抜け出して二人になりたいって……オイなんだその顔」
─────奴だ。左近だ、左近だわ。
思わず敬称をつけ忘れたけどもう許してほしい。や、やりやがったわね!?招待状を出す時に私の名前を借りただのなんだの言ってたけど、名前を借りるだけじゃなくて変なことも書いてたってワケね……!
「左近くん、せめて助けて……」
「ここで他の男の名前を呼ばれるオレの立場はなんなんだ?これオレが悪いのか?」
「あー、いやすいません。ちょっと豊臣でも色々ありまして。端的に言うとですね、これは……」
*
「OK……オレはアイツに騙されたってことかよ……!」
「まあ、そういうことになりますね……ていうかこれ私も被害者ですよね?島左近被害者の会を今ここに設立しましょう」
「あぁ、アイツは見つけ次第ブチのめす」
まさかの被害者の会が設立されてしまった。
でもこれは左近くんが悪い。
「しかも左近くん、多分同じ内容で複数人に出してるんですよねえ……下手したら会員数とんでもないことになりますよ」
「マジかよアイツ……」
すごい、あの伊達政宗が露骨に引いている。
「アンタのlove callに応えるために、わざわざ小十郎も撒いてきたってのにな」
「それは……ご、ごめんなさい」
「─────ってワケで、これくらいは許されるよな?」
伊達さんは突然私の手を取ると、手の甲に口付けをする。
「はぁ!!?」
「単なる挨拶だ、深い意味はねえ。まあ、アンタがどうしても意味を見出したいってんならそれでもいいが」
「と、突然何して……」
「深い意味は、なまえが本心からオレを求めた時に与えたい」
と、突然なんなんだこの人!
……私、やっぱりこの人苦手かもしれない!