大阪城・宴会の乱
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本来であればこの時期は年末年始でお休みムード……のはずなのに、なぜか今日の大阪城は忙しない。
「ああ、これは直接秀吉に……それは僕が預かろう。そちらはすべて倉へ運んでくれて構わないよ」
半兵衛さんは次々と運ばれてくる荷物の仕分けをしている。今日一日ずっとこんな感じだ。
「半兵衛さん、今日はなんでこんなに荷物の搬入があるんですか?流石に全部お歳暮……なわけないですよね?年明け何かありましたっけ?」
「あぁ、まあ……そうだね」
えらく歯切れが悪い。
それに、さっきから全く目が合わない気もする。
この感じは多分……
「何か隠してます?」
「………………………いや?」
「いやいや流石に間が長すぎますけど」
「まあ、なまえには話しておくべきなのかもしれないね。実は……」
*
「─────年明けからいきなりそんなことを!?」
「しっ、声が大きいよなまえ」
「いやだって……そんな嘘みたいなことを!!!?」
「なぜさらに大きな声を!?」
「マジですか?各地から武将を集めた挙句宴会開くなんて……」
「仕方ないだろう?色々と事情があるんだよ、事情が」
「それにしたって半兵衛さんらしくないですよ。どうしちゃったんですか?それに豊臣軍主催の宴会なんて、もはや罠すぎて誰も来ないですよ」
「酷いことをさらっと言うじゃないかなまえ。いや、自分でも分かっているんだよ。ちょっと、その、勢いで決まってしまったというか」
「勢い?」
「まあ、その……」
─────半兵衛さんから聞いた話はこうだった。
・秀吉さんと呑んだ時に二人ともめちゃくちゃに酔っ払い、その場のノリで今回の宴会計画を決めてしまった
・その場のノリで決めた挙句その場で部下を呼んで色々と手配をさせてしまい、寝て起きて気づいた時には壮大な計画になっていた
・諸々の荷物やらも届き始めた挙句とんでもない数の人が動いており、いまさら「やっぱやめるわ」とは言い出せなくなってしまい、やらざるを得なくなった
……とのことらしく。
「経緯がアホすぎませんか!?」
「うん……いや、本当に……僕はもう、飲まないほうがいいね」
「その場のノリとはいえ、半兵衛さんと秀吉さんに命令されたら部下も断れないですって!おふたりが腹切れって言ったら本当に切る人達ばっかりですからね!?」
「忠誠心が高い部下ばかりで助かるよ」
「今回は逆に仇になってますけどね!?」
*
─────とはいえ、こうなってしまった以上は仕方ない。
なんとかして宴会を大成功……とまではいかなくていいものの、なんとかやり遂げなくては。
それにしても酔っていたとはいえ、あのふたりが宴会を企画するだなんていったい何があったんだ。
……本当に宴会だけで終わるんだよね?
半兵衛さんは現場の指揮で忙しそうだったので、ひとまず刑部に相談することにした。
「しかしまァ、太閤と賢人が……」
「絶対なんか企んでるよね?ていうかまず人来ると思う?」
「……新作げぇむのおーぷにんぐとやらを撮る、と理由を添えて招待すればおおかた来ると思うが」
「来ざるを得ない理由すぎるけど悪質すぎる!新作情報何もでてないのに!!」
「だからこそよなまえ。まずは動き出すこと、それが重要だとは思わぬか?それに今年は発売から20周年……宴会を題材にしたおーぷにんぐというのは、まあまあアリだとわれは思う」
「いやアリかもしれないけど……!」
「────というのは冗談にせよ、客人の招待に関しては三成と左近が担当しておる。賢人からのご指名でな」
三成くんと左近くんが招待担当?
それって……
「えっ、大丈夫?」
「……ヒヒッ」
なんか、大丈夫じゃなさそうだ。私の直感と刑部から漂う疲労オーラがそう言っている。
これは、ふたりの様子も見に行かないとまずそうだ。
*
城内の執務室へ向かうと、三成くんと左近くんがひたすら招待状を書いていた。
「どう?ふたりとも大丈夫?」
「何も問題はない。半兵衛様から仰せつかった業務だ、直ぐに完遂してみせる」
「こ、こっちのほうも全然大丈夫っす……よ!?いやまじで、本当に」
「……うん、ちょっと書いた招待状を見せてもらうね」
即答する三成くんも焦っている左近くんも不安すぎる。
招待状に変なこと書いてないといいんだけど……。
「これが私の書いたものだ。何も問題はないだろう」
三成くんは招待状を一枚私に渡してくれた。
どれどれ……
《来なければ、殺す》
「問題しかないよ三成くん!」
「秀吉様と半兵衛様が主催される宴会だ。不参加という愚かな選択をした輩には死を与えるのみだ」
「重すぎるよ!ていうかこれまだ送ってないよね!?ないよねえ!?」
「書いたものから兵に渡して送付しているが」
「うわーーーーーーっ!!!!手遅れ!届いちゃった人ごめんなさい!!!!!」
何人かは招待状という名の脅迫状を受け取ることになってしまったようだ。
……変な人に渡ってなきゃいいんだけど。
「左近くんは大丈夫……かな?」
「あー…………すんませんなまえさん!!」
「えっ何!?」
まさかの土下座だった。
いったい何を送ったっていうんだ。
「すんません俺、なまえさんの名前借りて招待状送りました!」
「私の?な、なんで?」
「い、いや〜、その……ぶっちゃけ秀吉様と半兵衛様の名前出すよりも、なまえさんの名前出したほうが来てくれそうだな〜みたいな人がまあまあいるかも?みたいな」
「ああ〜、まあ女子勢は確かにそうか。言ってくれたら私が書いたのに」
「まあ俺が書いたやつはみんななまえさんの名前借りたんですけどね……!」
「はぁ!?」
な、なんで!?普通に困る!当日は女子たちとキャッキャしてればいいかなあとか思ってたのになんか仕事増えた気がする!
「だ、だって半兵衛様がなんとしても絶対に客人のは全員招待しろってぇ……」
「参考までに教えて、誰に私の名前で出した!?」
「覚えてないです!すんません!!」
「潔すぎる!」
「だってめちゃくちゃあるんすよ!?すんごいあるんすよ!?いちいち名前覚えてないですって!」
「ゔっ……」
確かに、ざっと見た感じ相当な枚数を書いている。これは覚えていられないかもしれない。
「まあ、当日なまえさんにお誘いのお礼言ってきた人が該当者ってことで!」
……いったい誰に対して書いたんだ。
どうしようかな、当日怖い人にお礼とか言われたら。うまく対応できるだろうか。
「ああ、これは直接秀吉に……それは僕が預かろう。そちらはすべて倉へ運んでくれて構わないよ」
半兵衛さんは次々と運ばれてくる荷物の仕分けをしている。今日一日ずっとこんな感じだ。
「半兵衛さん、今日はなんでこんなに荷物の搬入があるんですか?流石に全部お歳暮……なわけないですよね?年明け何かありましたっけ?」
「あぁ、まあ……そうだね」
えらく歯切れが悪い。
それに、さっきから全く目が合わない気もする。
この感じは多分……
「何か隠してます?」
「………………………いや?」
「いやいや流石に間が長すぎますけど」
「まあ、なまえには話しておくべきなのかもしれないね。実は……」
*
「─────年明けからいきなりそんなことを!?」
「しっ、声が大きいよなまえ」
「いやだって……そんな嘘みたいなことを!!!?」
「なぜさらに大きな声を!?」
「マジですか?各地から武将を集めた挙句宴会開くなんて……」
「仕方ないだろう?色々と事情があるんだよ、事情が」
「それにしたって半兵衛さんらしくないですよ。どうしちゃったんですか?それに豊臣軍主催の宴会なんて、もはや罠すぎて誰も来ないですよ」
「酷いことをさらっと言うじゃないかなまえ。いや、自分でも分かっているんだよ。ちょっと、その、勢いで決まってしまったというか」
「勢い?」
「まあ、その……」
─────半兵衛さんから聞いた話はこうだった。
・秀吉さんと呑んだ時に二人ともめちゃくちゃに酔っ払い、その場のノリで今回の宴会計画を決めてしまった
・その場のノリで決めた挙句その場で部下を呼んで色々と手配をさせてしまい、寝て起きて気づいた時には壮大な計画になっていた
・諸々の荷物やらも届き始めた挙句とんでもない数の人が動いており、いまさら「やっぱやめるわ」とは言い出せなくなってしまい、やらざるを得なくなった
……とのことらしく。
「経緯がアホすぎませんか!?」
「うん……いや、本当に……僕はもう、飲まないほうがいいね」
「その場のノリとはいえ、半兵衛さんと秀吉さんに命令されたら部下も断れないですって!おふたりが腹切れって言ったら本当に切る人達ばっかりですからね!?」
「忠誠心が高い部下ばかりで助かるよ」
「今回は逆に仇になってますけどね!?」
*
─────とはいえ、こうなってしまった以上は仕方ない。
なんとかして宴会を大成功……とまではいかなくていいものの、なんとかやり遂げなくては。
それにしても酔っていたとはいえ、あのふたりが宴会を企画するだなんていったい何があったんだ。
……本当に宴会だけで終わるんだよね?
半兵衛さんは現場の指揮で忙しそうだったので、ひとまず刑部に相談することにした。
「しかしまァ、太閤と賢人が……」
「絶対なんか企んでるよね?ていうかまず人来ると思う?」
「……新作げぇむのおーぷにんぐとやらを撮る、と理由を添えて招待すればおおかた来ると思うが」
「来ざるを得ない理由すぎるけど悪質すぎる!新作情報何もでてないのに!!」
「だからこそよなまえ。まずは動き出すこと、それが重要だとは思わぬか?それに今年は発売から20周年……宴会を題材にしたおーぷにんぐというのは、まあまあアリだとわれは思う」
「いやアリかもしれないけど……!」
「────というのは冗談にせよ、客人の招待に関しては三成と左近が担当しておる。賢人からのご指名でな」
三成くんと左近くんが招待担当?
それって……
「えっ、大丈夫?」
「……ヒヒッ」
なんか、大丈夫じゃなさそうだ。私の直感と刑部から漂う疲労オーラがそう言っている。
これは、ふたりの様子も見に行かないとまずそうだ。
*
城内の執務室へ向かうと、三成くんと左近くんがひたすら招待状を書いていた。
「どう?ふたりとも大丈夫?」
「何も問題はない。半兵衛様から仰せつかった業務だ、直ぐに完遂してみせる」
「こ、こっちのほうも全然大丈夫っす……よ!?いやまじで、本当に」
「……うん、ちょっと書いた招待状を見せてもらうね」
即答する三成くんも焦っている左近くんも不安すぎる。
招待状に変なこと書いてないといいんだけど……。
「これが私の書いたものだ。何も問題はないだろう」
三成くんは招待状を一枚私に渡してくれた。
どれどれ……
《来なければ、殺す》
「問題しかないよ三成くん!」
「秀吉様と半兵衛様が主催される宴会だ。不参加という愚かな選択をした輩には死を与えるのみだ」
「重すぎるよ!ていうかこれまだ送ってないよね!?ないよねえ!?」
「書いたものから兵に渡して送付しているが」
「うわーーーーーーっ!!!!手遅れ!届いちゃった人ごめんなさい!!!!!」
何人かは招待状という名の脅迫状を受け取ることになってしまったようだ。
……変な人に渡ってなきゃいいんだけど。
「左近くんは大丈夫……かな?」
「あー…………すんませんなまえさん!!」
「えっ何!?」
まさかの土下座だった。
いったい何を送ったっていうんだ。
「すんません俺、なまえさんの名前借りて招待状送りました!」
「私の?な、なんで?」
「い、いや〜、その……ぶっちゃけ秀吉様と半兵衛様の名前出すよりも、なまえさんの名前出したほうが来てくれそうだな〜みたいな人がまあまあいるかも?みたいな」
「ああ〜、まあ女子勢は確かにそうか。言ってくれたら私が書いたのに」
「まあ俺が書いたやつはみんななまえさんの名前借りたんですけどね……!」
「はぁ!?」
な、なんで!?普通に困る!当日は女子たちとキャッキャしてればいいかなあとか思ってたのになんか仕事増えた気がする!
「だ、だって半兵衛様がなんとしても絶対に客人のは全員招待しろってぇ……」
「参考までに教えて、誰に私の名前で出した!?」
「覚えてないです!すんません!!」
「潔すぎる!」
「だってめちゃくちゃあるんすよ!?すんごいあるんすよ!?いちいち名前覚えてないですって!」
「ゔっ……」
確かに、ざっと見た感じ相当な枚数を書いている。これは覚えていられないかもしれない。
「まあ、当日なまえさんにお誘いのお礼言ってきた人が該当者ってことで!」
……いったい誰に対して書いたんだ。
どうしようかな、当日怖い人にお礼とか言われたら。うまく対応できるだろうか。
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