片倉小十郎
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(……まだ付き合ってねえのかあの二人は!)
「昨日、畑で山ほど野菜を収穫できてな」
「政宗様がなまえに会いたいとおっしゃっていた。俺がなまえのことを話したからなのだろうが……」
なまえと話す小十郎は目に見えていつもと違う。
小十郎はなまえに恋をしている。
Earnestly……そうだな、いつもなまえを熱心に見ている。いつも見ているからこそ、なまえがpinchの時はおのずと助けている。なまえにとっちゃ、小十郎はheroみたいなもんだ。
なまえからも小十郎の話を聞いたことがある。stray dog(野良犬)に吠えられた時も、heavyな荷物を持てずに困っていた時も助けてもらったって話を聞いた。
なまえがjerk(クソ野郎)に因縁をつけられてしつこく迫られた時も、小十郎はなまえを助けたらしい。
……帰ってきた時の小十郎、俺がビビるくらいには殺気が凄かったからな。
小十郎はこういうことを許せない男だ。多分なまえだから助けたってわけじゃねえ。
……まぁ、迫られたのがなまえじゃなきゃ、あんな殺気は纏わなかったかもしれねえけどな。
*
【以下、筆頭がうるさくなります。なぜかなまえさんの心の声にツッコミをいれています。なんで?もはやオーディオコメンタリーです。( )のセリフが筆頭です。】
小十郎さんはやさしいひとだ。
こんな私を、好きだと言ってくれたから。
(小十郎は優しいだけじゃねえ、小十郎はなぁ……以下略)
以前迫ってきた男のひとが、またしつこく私に何か言ってくるようになった。
(は?wait a minute, ンなこと聞いてねぇよ!あのゲス野郎がまたなまえに?)
そのひとは、あのとき私を助けてくれた小十郎さんのことを悪く言った。私にたぶらかされているだとか、お前みたいな女を選ぶだなんて趣味が悪いだとか。
(……そんなこと言われたのか?)
違う。
小十郎さんは、やさしいから。
やさしいから、私と接してくれているだけなのに。
(No!!!!!なぜそう解釈する!?小十郎はなまえのことが好きなんだよ!)
そのひとは、顔を合わせるたびに私と小十郎さんのことを悪く言った。
小十郎さんには言えなかった。前に迫ってきたひとが、またしつこく何か言ってくるだなんて。
(………おい、そいつをマジで何発か殴らねえと気が済まねえんだが)
だって、そんなの迷惑だ。
(いや迷惑じゃねえよ!迷惑なのはあのjerk(ゲス野郎)だ!)
小十郎さんはやさしいから、きっとまた私を助けてくれる。頼ったら、きっと迷惑だ。
(だから迷惑じゃねえ!あいつけっこうなまえにデレデレしてるぞ!なまえは気付いてねえみたいだが!)
私はしばらく、そのひとの嫌味に耐え続けた。
私を悪く言うのはなんとも思わなかったけど、小十郎さんのことを悪く言われるのは、すごく嫌だった。
(なまえ、lovable(健気)が過ぎねぇか……?オレだったら間違いなくブン殴ってるぜ)
いつものように嫌味を言われているときだった。突然ぷつんと自分の中で何かが切れた。
(お……?)
「うるさい!」
(よく言ったなまえ!!!great!The best!)
自分でもびっくりするくらい大きな声が出た。そのひとは一瞬驚いたような顔をした。でも、すぐに激昂したような様子で私に近づいてきた。
しまった、と思った瞬間、私は男に殴られた。
(は?コイツ、なまえを殴……?やっぱりコイツ殴……いや斬る)
殴られて痛いからなのか、悔しいからなのか。そのどちらでもあるのかもしれない。気づいたら、涙がぽろぽろと溢れていた。
(なまえを泣かせるなんてマジのゲス野郎だな、ていうかコイツ殺されるぞ小十郎に)
泣く私を見て、男はばつが悪そうにしてその場を去った。
私はその場で泣いた。泣いても泣いても涙は止まらなかった。
しばらくすると雨が降ってきた。それも土砂降りだ。
顔も髪も、服もぐしゃぐしゃだ。今の私、すごくみじめだ。なんで私ってこうなんだろう。
(みじめなわけねぇだろ!なまえは強い。強いheartを持ってんだよ!!あのゲス野郎には何もわからねえだろうがな!)
今日はもう帰ろう。こんな姿、小十郎さんに見られたくない。もし見られたらきっと立ち直れない。
(……まぁ、小十郎が今のなまえを見たら、なまえを殴ったあのゲス野郎の命はないと思うけどな)
「なまえ……?」
(Hmm……は?小十郎の声じゃねえかこれ)
聞き慣れた声がした。
なんで今、よりによって。
(まぁぶっちゃけもう少し早く来て欲しかったよな)
「こんな雨の中、傘も持たずにどうしたんだ?」
「どうした?……泣いているのか?」
(That's right! あのゲス野郎のせいで泣いてんだよ!)
嫌だ、殴られた顔なんて見られたくない。
泣いてぐしゃぐしゃな顔も、雨で乱れてしまった髪も、汚れてしまった着物も。
私が小十郎さんから背を向けようとすると、小十郎さんは、はっとしたような顔をした。
(あー、これは気付いたな。ヤツの命はもうないぜ)
「なまえ、その顔……ッ」
ああ、見られてしまった。小十郎さんには見られたくなかった。
「……誰にやられた?」
……小十郎さん、なんだか怖い。
怒っているのかな。
(怒ってるに決まってんだろ!!!!!!!!!!!今の小十郎、なんだか怖いなんてレベルじゃねえからな!?)
「だ、大丈夫です、私」
「……俺が大丈夫じゃない」
「えっ?」
「なまえのそんな顔を見ておいて放っておけるほど、俺は薄情じゃない」
(あぁもうそのまま告っちまえ小十郎!!)
「……なんで?なんでそんなにやさしいんですか?小十郎さん、いつも私を助けてくれるから」
(だから小十郎はなまえのことが好きなんだよ!!!!!)
私がそう言うと、小十郎さんはちょっと困ったような顔をした。
(Go!小十郎Go!告れもう小十郎!)
「何故だろうな。気付いたらなまえを目で追っていて、気付いたらなまえを助けている」
(Really!?これもうconfession(告白)だろ!ついに言ったか小十郎!……ったく、待たせやがって)
「す、すみません。私、そんなに目障りですか……?」
(No!!!!!!!!!!!!!!why!!?なんでそうなる!?)
「な、何故そうなる?違う、俺が言いてえのは……」
(早く言え小十郎!straightに好きだと伝えちまえばいいだろ!)
小十郎さんは言い淀むと、しばらく考え込んでしまった。
あぁ、また気を遣わせてしまった。目障りですか、なんて聞いたら困るに決まっているじゃない。
(違え……!違うそうじゃねぇなまえ!)
「ご、ごめんなさ」
「俺はなまえが好きなんだ」
(い…………ッ、言ったッ!言いやがったついに!今日はもうpartyだなこれ)
謝ろうと思って頭を下げかけたら、小十郎さんからとんでもないことを言われたような気がして、そのまま動けなくなった。
「す……?え……?な、何て……?」
戸惑いながら下げかけた頭を上げると、小十郎さんがまっすぐ私を見つめていた。
「……もう一度言わせる気か?」
「あっ、いや、その……なんか、絶対に小十郎さんが言わないようなことが聞こえて、聞き間違えたのかなって」
「そうか、俺はなまえのことが好きだと言ったんだがな」
「えっ、そ、そんなの……本当に?」
「最初は、なまえが危なっかしくて放っておけなかった。遠慮せずに、もっと誰かに頼ればいいと思っていた。今は、なまえが好きだから放っておけない。俺以外の誰かではなく、俺を頼ってほしい」
「小十郎さん……」
「まだ信じられねえか?」
「す、すみません。びっくり、しちゃって」
「……急にこんなこと言っちまって悪かった。別に返事が聞きてえわけじゃねえ。なまえから好かれなくたっていい。ただ、もっと俺を頼ってほしい。なまえは我儘を言うくらいでいいんだ」
(……ヤベェ、思わず聞き入っちまった。覚悟キマった顔してんじゃねえか小十郎。good luck to you……これからも幸せでいろよ)
なんでだろう、また涙が溢れそうだ。
小十郎さん。私を助けてくれる、やさしいひと。
────私のことを、好きでいてくれるひと。
(言っとくがななまえ、小十郎のアンタへの感情はtoo heavy……と言ったところだ。一時期はなまえを想いすぎて身を引こうとしたくらいだ。ちゃんと受け止めろよ)
「……で、なまえを殴って泣かせた奴は誰なんだ?」
(今度は違う意味で覚悟キメた顔してるじゃねえか!!!kidsどころか大の大人も逃げ出す勢いのあの殺気……終わったな、あのゲス野郎)
「昨日、畑で山ほど野菜を収穫できてな」
「政宗様がなまえに会いたいとおっしゃっていた。俺がなまえのことを話したからなのだろうが……」
なまえと話す小十郎は目に見えていつもと違う。
小十郎はなまえに恋をしている。
Earnestly……そうだな、いつもなまえを熱心に見ている。いつも見ているからこそ、なまえがpinchの時はおのずと助けている。なまえにとっちゃ、小十郎はheroみたいなもんだ。
なまえからも小十郎の話を聞いたことがある。stray dog(野良犬)に吠えられた時も、heavyな荷物を持てずに困っていた時も助けてもらったって話を聞いた。
なまえがjerk(クソ野郎)に因縁をつけられてしつこく迫られた時も、小十郎はなまえを助けたらしい。
……帰ってきた時の小十郎、俺がビビるくらいには殺気が凄かったからな。
小十郎はこういうことを許せない男だ。多分なまえだから助けたってわけじゃねえ。
……まぁ、迫られたのがなまえじゃなきゃ、あんな殺気は纏わなかったかもしれねえけどな。
*
【以下、筆頭がうるさくなります。なぜかなまえさんの心の声にツッコミをいれています。なんで?もはやオーディオコメンタリーです。( )のセリフが筆頭です。】
小十郎さんはやさしいひとだ。
こんな私を、好きだと言ってくれたから。
(小十郎は優しいだけじゃねえ、小十郎はなぁ……以下略)
以前迫ってきた男のひとが、またしつこく私に何か言ってくるようになった。
(は?wait a minute, ンなこと聞いてねぇよ!あのゲス野郎がまたなまえに?)
そのひとは、あのとき私を助けてくれた小十郎さんのことを悪く言った。私にたぶらかされているだとか、お前みたいな女を選ぶだなんて趣味が悪いだとか。
(……そんなこと言われたのか?)
違う。
小十郎さんは、やさしいから。
やさしいから、私と接してくれているだけなのに。
(No!!!!!なぜそう解釈する!?小十郎はなまえのことが好きなんだよ!)
そのひとは、顔を合わせるたびに私と小十郎さんのことを悪く言った。
小十郎さんには言えなかった。前に迫ってきたひとが、またしつこく何か言ってくるだなんて。
(………おい、そいつをマジで何発か殴らねえと気が済まねえんだが)
だって、そんなの迷惑だ。
(いや迷惑じゃねえよ!迷惑なのはあのjerk(ゲス野郎)だ!)
小十郎さんはやさしいから、きっとまた私を助けてくれる。頼ったら、きっと迷惑だ。
(だから迷惑じゃねえ!あいつけっこうなまえにデレデレしてるぞ!なまえは気付いてねえみたいだが!)
私はしばらく、そのひとの嫌味に耐え続けた。
私を悪く言うのはなんとも思わなかったけど、小十郎さんのことを悪く言われるのは、すごく嫌だった。
(なまえ、lovable(健気)が過ぎねぇか……?オレだったら間違いなくブン殴ってるぜ)
いつものように嫌味を言われているときだった。突然ぷつんと自分の中で何かが切れた。
(お……?)
「うるさい!」
(よく言ったなまえ!!!great!The best!)
自分でもびっくりするくらい大きな声が出た。そのひとは一瞬驚いたような顔をした。でも、すぐに激昂したような様子で私に近づいてきた。
しまった、と思った瞬間、私は男に殴られた。
(は?コイツ、なまえを殴……?やっぱりコイツ殴……いや斬る)
殴られて痛いからなのか、悔しいからなのか。そのどちらでもあるのかもしれない。気づいたら、涙がぽろぽろと溢れていた。
(なまえを泣かせるなんてマジのゲス野郎だな、ていうかコイツ殺されるぞ小十郎に)
泣く私を見て、男はばつが悪そうにしてその場を去った。
私はその場で泣いた。泣いても泣いても涙は止まらなかった。
しばらくすると雨が降ってきた。それも土砂降りだ。
顔も髪も、服もぐしゃぐしゃだ。今の私、すごくみじめだ。なんで私ってこうなんだろう。
(みじめなわけねぇだろ!なまえは強い。強いheartを持ってんだよ!!あのゲス野郎には何もわからねえだろうがな!)
今日はもう帰ろう。こんな姿、小十郎さんに見られたくない。もし見られたらきっと立ち直れない。
(……まぁ、小十郎が今のなまえを見たら、なまえを殴ったあのゲス野郎の命はないと思うけどな)
「なまえ……?」
(Hmm……は?小十郎の声じゃねえかこれ)
聞き慣れた声がした。
なんで今、よりによって。
(まぁぶっちゃけもう少し早く来て欲しかったよな)
「こんな雨の中、傘も持たずにどうしたんだ?」
「どうした?……泣いているのか?」
(That's right! あのゲス野郎のせいで泣いてんだよ!)
嫌だ、殴られた顔なんて見られたくない。
泣いてぐしゃぐしゃな顔も、雨で乱れてしまった髪も、汚れてしまった着物も。
私が小十郎さんから背を向けようとすると、小十郎さんは、はっとしたような顔をした。
(あー、これは気付いたな。ヤツの命はもうないぜ)
「なまえ、その顔……ッ」
ああ、見られてしまった。小十郎さんには見られたくなかった。
「……誰にやられた?」
……小十郎さん、なんだか怖い。
怒っているのかな。
(怒ってるに決まってんだろ!!!!!!!!!!!今の小十郎、なんだか怖いなんてレベルじゃねえからな!?)
「だ、大丈夫です、私」
「……俺が大丈夫じゃない」
「えっ?」
「なまえのそんな顔を見ておいて放っておけるほど、俺は薄情じゃない」
(あぁもうそのまま告っちまえ小十郎!!)
「……なんで?なんでそんなにやさしいんですか?小十郎さん、いつも私を助けてくれるから」
(だから小十郎はなまえのことが好きなんだよ!!!!!)
私がそう言うと、小十郎さんはちょっと困ったような顔をした。
(Go!小十郎Go!告れもう小十郎!)
「何故だろうな。気付いたらなまえを目で追っていて、気付いたらなまえを助けている」
(Really!?これもうconfession(告白)だろ!ついに言ったか小十郎!……ったく、待たせやがって)
「す、すみません。私、そんなに目障りですか……?」
(No!!!!!!!!!!!!!!why!!?なんでそうなる!?)
「な、何故そうなる?違う、俺が言いてえのは……」
(早く言え小十郎!straightに好きだと伝えちまえばいいだろ!)
小十郎さんは言い淀むと、しばらく考え込んでしまった。
あぁ、また気を遣わせてしまった。目障りですか、なんて聞いたら困るに決まっているじゃない。
(違え……!違うそうじゃねぇなまえ!)
「ご、ごめんなさ」
「俺はなまえが好きなんだ」
(い…………ッ、言ったッ!言いやがったついに!今日はもうpartyだなこれ)
謝ろうと思って頭を下げかけたら、小十郎さんからとんでもないことを言われたような気がして、そのまま動けなくなった。
「す……?え……?な、何て……?」
戸惑いながら下げかけた頭を上げると、小十郎さんがまっすぐ私を見つめていた。
「……もう一度言わせる気か?」
「あっ、いや、その……なんか、絶対に小十郎さんが言わないようなことが聞こえて、聞き間違えたのかなって」
「そうか、俺はなまえのことが好きだと言ったんだがな」
「えっ、そ、そんなの……本当に?」
「最初は、なまえが危なっかしくて放っておけなかった。遠慮せずに、もっと誰かに頼ればいいと思っていた。今は、なまえが好きだから放っておけない。俺以外の誰かではなく、俺を頼ってほしい」
「小十郎さん……」
「まだ信じられねえか?」
「す、すみません。びっくり、しちゃって」
「……急にこんなこと言っちまって悪かった。別に返事が聞きてえわけじゃねえ。なまえから好かれなくたっていい。ただ、もっと俺を頼ってほしい。なまえは我儘を言うくらいでいいんだ」
(……ヤベェ、思わず聞き入っちまった。覚悟キマった顔してんじゃねえか小十郎。good luck to you……これからも幸せでいろよ)
なんでだろう、また涙が溢れそうだ。
小十郎さん。私を助けてくれる、やさしいひと。
────私のことを、好きでいてくれるひと。
(言っとくがななまえ、小十郎のアンタへの感情はtoo heavy……と言ったところだ。一時期はなまえを想いすぎて身を引こうとしたくらいだ。ちゃんと受け止めろよ)
「……で、なまえを殴って泣かせた奴は誰なんだ?」
(今度は違う意味で覚悟キメた顔してるじゃねえか!!!kidsどころか大の大人も逃げ出す勢いのあの殺気……終わったな、あのゲス野郎)
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