名残の空は初春を告げて
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─────結局お菓子に負けた私が折れて左近くんを泊めることになり、二人でだらだらしながらテレビを見つつご飯やお菓子を食べた。
再会した当初は甘い雰囲気みたいなものが漂っていたけど、数十分後にはそんな感じはなくなっていた。いや、健全で何よりなんだけどね!?
……なんやかんやで年を越したわけだけど、そういえば寝る時ってどうしようかな。ベッドはひとつだけだし、来客用の布団とかないし。
い、一緒に寝てもらうしかないのか?
「……あー、ところでなまえさんってもうお風呂入りました?」
「え?お風呂?まだ入ってないよ」
そういえばお風呂に入っていなかったな。
テレビとか色々見終えた後、年を越してからゆっくり入るつもりだったから。
「じゃあ一緒に入りません?」
「なっ……げほっ、ごほっ……お、お茶飲んでる時にとんでもないこと言わないで!?」
完全にまったりモードの中、とんでもない発言が飛んできたせいで一気に緊急事態だ。
「わ、私たち今日付き合うってなったばっかりだよね……!?」
「……やっぱ流石にダメかあ」
「だめに決まってるよ!なんで聞いたの!?」
「やっぱ勝負師としては、勝つ可能性が低くても勝負したいんすよね……ワンチャンあるかもって!」
「ワンチャンないです!ない!」
さ、左近くんってこんなに恐ろしい子だったっけ?これ、私が仮に「いいよ」と言っていたら本当にふたりで入るつもりだったのだろうか。
「そ、そういえばなんだけどさ。今日寝るときってその……一緒に寝る?」
「ぐっ……げほっ……え?仕返し?」
ちょうど左近くんがお茶を飲み始めたタイミングで質問をしてしまったらしい。
決してわざとではないけど、なんだか仕返しをしたみたいになってしまった。
「い、いや違くて!その、来客用のお布団とかもないし、かと言って床で寝たら風邪ひくし……」
「な、なんすかそのあまりにも可愛いお誘い……!」
「そういうんじゃない!お互い風邪ひきたくないでしょ!」
「は、はい……風邪ひきたくないんで一緒に寝ます!まじありがとうございます!」
「じゃ、じゃあそういうことで!……さ、左近くん先お風呂入ってきなよ。客人なんだから」
「…………いや、なまえさん先にお願いします。俺ちょっと今、精神統一するんで」
「せ、精神統一?なんでそんなこと」
「この勢いだとヤバいです俺。勢いでなまえさんにヤバいことする予感しかしない……ていうかなまえさんがヤバい。ヤバいこと言ってくるのが悪い」
「と、とにかくヤバいんだね。じゃあ私先にお風呂行ってくるよ……」
「でもよく考えたらお風呂上がりのなまえさんなんてヤバいに決まってて!あー!!」
「せ、精神統一頑張ってね!」
*
……ふう、とりあえずお風呂に入ったわけだけど。左近くんは精神統一できたのだろうか。
「左近くん、お先にどうも」
「あっなまえさん、ってギャーッ!なんで濡れ髪!?なんで濡れ髪!?」
「いや、化粧水とかこっちに置いてあるからドライヤーより先にやりたくて。あとでちゃんと乾かすよ」
「色気って知ってます!?威力、分かってます!!?と、とりあえずもう急いで風呂駆け込ませてください耐えられない俺!」
「え、うん。いってらっしゃい」
何を言っているのかよくわからなかったけど、とりあえず早くお風呂に入りたいらしい。
「あーもう分かってんのかなあなまえさん……てかなんでそんな冷静なんだろなまえさん……」
なにやら呟いている。さっきから様子がおかしいけど大丈夫なのだろうか。
「あ、とりあえずタオルは適当に出してドアにかけておくから」
脱衣所へと消えた左近くんに声をかけて戻ろうとすると、あざーす!というお礼の次にまた驚いたような声が聞こえてきた。
「な、なに?どうしたの!?」
急いで脱衣所のほうへ引き返すと、パーカーを脱ぎかけた左近くんが狼狽えていた。
「ヤバいヤバいヤバい、なにこの空間いい匂いしすぎなんすけど何????俺、耐えられる気がしないんすけど!?」
「べ、別に普通だよ。ただのシャンプーとかの匂いでしょ!?」
「なんか、なんかなまえさんと一緒に入るみたいでダメかも……」
「ええ……さっきまで一緒に入るとか言ってたのに」
「いやなまえさんが恥ずかしがってるの見るとなんか強くなれるんすけど、一人で立ち向かうとなると……」
「なかなかの問題発言だよ!そんなことで強くならないで!?ああもういいから!さっさと入る!」
左近くんをなんとか脱衣所へ押し込んで部屋へ戻る。扉越しに「そんなあ!」とかなんとか聞こえてきたけど無視無視。ここの家主は私なんだから。
*
「……風呂上がりました、やばかったです」
「どういう感想?」
とりあえず無事(?)にお風呂に入れたらしい左近くんが部屋へと帰還した。
あんなに濡れ髪がどうだの言ってた割には自分も濡れ髪で私に報告している。
「でも、ちょっと分かったかも。左近くんも髪濡れてるとなんか色気?あるかもね」
よくアイドルとかが雑誌でこういう写真撮りがちだよな、とふと思う。
なるほど、こういう需要があったのか。
「え、分かっちゃいました?じゃあ今なまえさんに迫ったらクラっときちゃう感じ?」
左近くんの顔が急に近づいてくる。
な、なんか心臓に悪い気がする!クラっとくるどころではないような……。
「……早く乾かしなよ。風邪ひかれたら困る、し」
「あ、顔逸らされた……ね、こっち見て?」
「な、なんで……」
左近くんに何かスイッチが入った感じがして身の危険を感じる。恐る恐る左近くんを見たらばっちり目が合ってしまった。
それが合図になったのか、左近くんは私の後頭部に手を回した。
「さっきお預けになったキス、させてもらいたいなーって」
「き、キス……」
"いきなりキスまでいっちゃうのはやり過ぎっすよね、夜はまだ長いんで"
……わ、忘れてた!そういえばこんなこと言われてた!
「ね、いいでしょなまえさん」
「え!?い、いや……その」
「……すんません、やっぱ待てないわ俺」
「え、ちょ、左近く……」
抵抗する間も、反論する間もなく唇を押し付けられる。
「……なまえさん、顔真っ赤で可愛い」
唇を離すやいなやそんなことを言われてしまい、余計に反論できなくなってしまった。
しかも今度は私の頬を覆うようにして左近くんの手で顔を包まれてしまっている。
「私のほうが先輩なのに……!」
なんでいつの間にか後輩に主導権を握られているんだろう。
「へへ、可愛い先輩を独り占めできてまじ光栄です」
「なんなの、もう……」
「……ってことで、もうちょっと独り占めさせてもらうんで」
……だめだ。主導権を私に握らせる気はないらしい。
ちらりとベッド付近に置いている時計を見ると、時刻は深夜になりかけといったところだ。太陽はまだ昇りそうにない。
再会した当初は甘い雰囲気みたいなものが漂っていたけど、数十分後にはそんな感じはなくなっていた。いや、健全で何よりなんだけどね!?
……なんやかんやで年を越したわけだけど、そういえば寝る時ってどうしようかな。ベッドはひとつだけだし、来客用の布団とかないし。
い、一緒に寝てもらうしかないのか?
「……あー、ところでなまえさんってもうお風呂入りました?」
「え?お風呂?まだ入ってないよ」
そういえばお風呂に入っていなかったな。
テレビとか色々見終えた後、年を越してからゆっくり入るつもりだったから。
「じゃあ一緒に入りません?」
「なっ……げほっ、ごほっ……お、お茶飲んでる時にとんでもないこと言わないで!?」
完全にまったりモードの中、とんでもない発言が飛んできたせいで一気に緊急事態だ。
「わ、私たち今日付き合うってなったばっかりだよね……!?」
「……やっぱ流石にダメかあ」
「だめに決まってるよ!なんで聞いたの!?」
「やっぱ勝負師としては、勝つ可能性が低くても勝負したいんすよね……ワンチャンあるかもって!」
「ワンチャンないです!ない!」
さ、左近くんってこんなに恐ろしい子だったっけ?これ、私が仮に「いいよ」と言っていたら本当にふたりで入るつもりだったのだろうか。
「そ、そういえばなんだけどさ。今日寝るときってその……一緒に寝る?」
「ぐっ……げほっ……え?仕返し?」
ちょうど左近くんがお茶を飲み始めたタイミングで質問をしてしまったらしい。
決してわざとではないけど、なんだか仕返しをしたみたいになってしまった。
「い、いや違くて!その、来客用のお布団とかもないし、かと言って床で寝たら風邪ひくし……」
「な、なんすかそのあまりにも可愛いお誘い……!」
「そういうんじゃない!お互い風邪ひきたくないでしょ!」
「は、はい……風邪ひきたくないんで一緒に寝ます!まじありがとうございます!」
「じゃ、じゃあそういうことで!……さ、左近くん先お風呂入ってきなよ。客人なんだから」
「…………いや、なまえさん先にお願いします。俺ちょっと今、精神統一するんで」
「せ、精神統一?なんでそんなこと」
「この勢いだとヤバいです俺。勢いでなまえさんにヤバいことする予感しかしない……ていうかなまえさんがヤバい。ヤバいこと言ってくるのが悪い」
「と、とにかくヤバいんだね。じゃあ私先にお風呂行ってくるよ……」
「でもよく考えたらお風呂上がりのなまえさんなんてヤバいに決まってて!あー!!」
「せ、精神統一頑張ってね!」
*
……ふう、とりあえずお風呂に入ったわけだけど。左近くんは精神統一できたのだろうか。
「左近くん、お先にどうも」
「あっなまえさん、ってギャーッ!なんで濡れ髪!?なんで濡れ髪!?」
「いや、化粧水とかこっちに置いてあるからドライヤーより先にやりたくて。あとでちゃんと乾かすよ」
「色気って知ってます!?威力、分かってます!!?と、とりあえずもう急いで風呂駆け込ませてください耐えられない俺!」
「え、うん。いってらっしゃい」
何を言っているのかよくわからなかったけど、とりあえず早くお風呂に入りたいらしい。
「あーもう分かってんのかなあなまえさん……てかなんでそんな冷静なんだろなまえさん……」
なにやら呟いている。さっきから様子がおかしいけど大丈夫なのだろうか。
「あ、とりあえずタオルは適当に出してドアにかけておくから」
脱衣所へと消えた左近くんに声をかけて戻ろうとすると、あざーす!というお礼の次にまた驚いたような声が聞こえてきた。
「な、なに?どうしたの!?」
急いで脱衣所のほうへ引き返すと、パーカーを脱ぎかけた左近くんが狼狽えていた。
「ヤバいヤバいヤバい、なにこの空間いい匂いしすぎなんすけど何????俺、耐えられる気がしないんすけど!?」
「べ、別に普通だよ。ただのシャンプーとかの匂いでしょ!?」
「なんか、なんかなまえさんと一緒に入るみたいでダメかも……」
「ええ……さっきまで一緒に入るとか言ってたのに」
「いやなまえさんが恥ずかしがってるの見るとなんか強くなれるんすけど、一人で立ち向かうとなると……」
「なかなかの問題発言だよ!そんなことで強くならないで!?ああもういいから!さっさと入る!」
左近くんをなんとか脱衣所へ押し込んで部屋へ戻る。扉越しに「そんなあ!」とかなんとか聞こえてきたけど無視無視。ここの家主は私なんだから。
*
「……風呂上がりました、やばかったです」
「どういう感想?」
とりあえず無事(?)にお風呂に入れたらしい左近くんが部屋へと帰還した。
あんなに濡れ髪がどうだの言ってた割には自分も濡れ髪で私に報告している。
「でも、ちょっと分かったかも。左近くんも髪濡れてるとなんか色気?あるかもね」
よくアイドルとかが雑誌でこういう写真撮りがちだよな、とふと思う。
なるほど、こういう需要があったのか。
「え、分かっちゃいました?じゃあ今なまえさんに迫ったらクラっときちゃう感じ?」
左近くんの顔が急に近づいてくる。
な、なんか心臓に悪い気がする!クラっとくるどころではないような……。
「……早く乾かしなよ。風邪ひかれたら困る、し」
「あ、顔逸らされた……ね、こっち見て?」
「な、なんで……」
左近くんに何かスイッチが入った感じがして身の危険を感じる。恐る恐る左近くんを見たらばっちり目が合ってしまった。
それが合図になったのか、左近くんは私の後頭部に手を回した。
「さっきお預けになったキス、させてもらいたいなーって」
「き、キス……」
"いきなりキスまでいっちゃうのはやり過ぎっすよね、夜はまだ長いんで"
……わ、忘れてた!そういえばこんなこと言われてた!
「ね、いいでしょなまえさん」
「え!?い、いや……その」
「……すんません、やっぱ待てないわ俺」
「え、ちょ、左近く……」
抵抗する間も、反論する間もなく唇を押し付けられる。
「……なまえさん、顔真っ赤で可愛い」
唇を離すやいなやそんなことを言われてしまい、余計に反論できなくなってしまった。
しかも今度は私の頬を覆うようにして左近くんの手で顔を包まれてしまっている。
「私のほうが先輩なのに……!」
なんでいつの間にか後輩に主導権を握られているんだろう。
「へへ、可愛い先輩を独り占めできてまじ光栄です」
「なんなの、もう……」
「……ってことで、もうちょっと独り占めさせてもらうんで」
……だめだ。主導権を私に握らせる気はないらしい。
ちらりとベッド付近に置いている時計を見ると、時刻は深夜になりかけといったところだ。太陽はまだ昇りそうにない。
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