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私が感じていた嫌な予感は当たっていた。
目の前で始まったものは、私が一般的にイメージしていたライブとは違った。
クラスの子は、ライブはキラキラしていてときめくんだと話していたがこれは違う。
目の前のレオの表情は、大切な物が全て壊れてしまったような、終わってしまったような……
私は目を塞ぎたくなった。
ふとレオと目が合った。
目を大きく開いて、なんでここに……そう言いたそうな。
すぐ逸らされてしまったが、彼は…………
あれからレオと会えなくなった。
それでも私は毎日ずっとずっと待った。
もうすぐ夏の終わり
今日も、来るはずのない彼を待つために公園に足を運ぼうとした。
だけど、今日は違った。
門に顔は知らないけど、見た事のある制服の人が居た。
彼は私が門に近づいたのを見て
「九重アリスさんでしょうか?」
「生徒会長がお呼びです。」
来ていただけますよね?とにっこりと笑っていた。
呼び出されるようなことはして無いのだが…そう思いつつ着いていく。
しばらく歩いていくと、薔薇の香りが吹き抜けるガーデンテラスに着いた。
「やぁ、来てくれて嬉しいよ。」
そこに居たのは、私にチケットを渡した彼だった。
完全に嫌なものを見たと表情を思いっきり歪ませ出ようとするも、出入り口には先程私を連れてきた彼が立ち塞いでる。
僕と少し話をしないか。
そう言われ、とりあえず座った。
彼は、私にレオは自分が入院していた時に出来たの友達だということと、夢ノ咲学院のアイドル科の前と今について話し出した。
ちょうどライブを行った時期、
彼はあの後停学になってしまったらしい。
[みんなが大好き、みんなと仲良く歌いたい]
そう言っていた彼の思いは壊されただけでなく、欠片も残さず奪われて、目の前の彼に吸収されてしまったんだ。
彼のせいで…という訳でもない。
元々の1部を除いた生徒達の状況的に、どう足掻いていたとしても、たらればを想像しても、レオの願いは恐らく叶わなかった。
私はあんなに話していたのに、彼の変化に何も気づけなかったのだから、ある意味1部の生徒とは何も変わらない。
溢れ出して止まらない両の眼から落ちる涙を抑える。
彼は全て話終わり、私にこう言った。
「彼は壊れてしまったけど、君はどうするんだい?」
そう話す彼はにっこりと笑っている。
口を開こうにも、何も言い返せない。
私に何ができるというのか……。
すると彼は、前より大きいA4サイズが入る封筒を差し出した。
「君ができることが書いてあるよ。」