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横に並ぶ綱吉は、1年の時に比べて高く感じた。
昔は私の方が高かったのに……。
互いに一緒に帰ると歩いているが、言葉が出ない。
綱吉も同じなのか、何か話そうとするもいや、でも…という感じに表情が変わって見てて申し訳ないがおかしく感じてしまい、私はつい笑いが溢れてしまった。
「へっ?!あ……お、オレ……変な顔してた…?」
『フフっ………ごめんッ…わ、笑うつもり無かったの…!』
「えっ?!…いや…まぁ、アリスが笑ってくれるならいっか。」
謝りつつも笑いが堪えきれなくなると、気づいたら綱吉も笑っていた。
『はぁ〜……久しぶりに笑ってお腹痛くなったぁ〜。』
「えっ、大丈夫?!」
私が大丈夫だよ。というと、よかったぁ…とホッとする綱吉。
『前まではさ…』
「うん。」
『一緒にいるの当たり前だったのに…。』
「……うん。」
『………ごめんね、綱吉……私さ、綱吉のこと避けてた。』
「……え、あー……うん。」
心当たりがあるようで若干視線を落とす綱吉。
「別に嫌いになったとか綱吉と話したくないとかじゃないよ。」と言うと、バッと顔をあげた。
「なっ、お…オレがアリスを頼りすぎて嫌いになったとかじゃないの?!」
大きな声でそう言う綱吉に私は目を見開いた。
『へ?な、なんで私が綱吉を嫌いになるのよ!!』
「だ、だって!……アリス…昨年の秋からオレを避けるように『違う!!』…な……って………?」
今度は綱吉が目を見開いた。
私の今までの行動が拗らせに拗らせていたようだ。
自分から避けてたのだからそう思われても仕方ない。
「じゃあ……どうして……。」
何だかわからないというような綱吉は、零すように言った。
『……どこか座れるとこ行こう。ちゃんと…話すから。』
私の家だと、久しぶりに綱吉が来たとかでお母さんが騒ぐし、逆に綱吉の家だと何故か危ないからとか邪魔が入るからと知らない間にとんでもない事になってたらしいので、日陰があるからと並盛神社に行くことにした。
「あっちぃー!!………ごめん、オレん家上げたいけど騒がしいからさ……。」
『ううん、私の家もきっとお母さんが綱吉捕まえて話し込むからさ。』
「オレの母さんもきっと同じだ。」
互いに自分の親を思い浮かべ苦笑い。
「………オレ、昔からアリスに迷惑かけてたから、中学になって、だんだんと離れて避けるようになったから、嫌われたと思ってた。」
『……ごめん。』
「ううん。オレさ、アリスのこと正義の味方とかずっと思ってた。」
えっ?と綱吉の方を向いた。
オレは、昔から泣き虫で何をしてもダメダメ……。
そんな時いつも
「大丈夫だよ。綱吉!」
そう言って手を引いてくれるアリスがかっこよくて、女の子にかっこいいって思うのもどうかと思うだろうけど、ずっとずっと憧れだったんだ。
中学になっても、相変わらずアリスに頼りっぱなしで、オレも強くならなきゃって思い始めた頃に、リボーンっていう赤ん坊に会ってさ、いきなり家庭教師だって言われ、よくわかんなかった。
怪我することも増えたけど、その分昔より強くなれたと思う。
それに、獄寺くんや山本にハルと友達になって、さらに京子ちゃんと話せる様になって、何だかんだ良いこともあったし、よっしゃー!って喜んだ時もあった。
だけど
「アリスが離れるようになって、あんまり嬉しくないって感じる日が増えた。ずっと……ずっと……」
『えっ……』
周りに友達が出来て、笹川さんと話せる様になった綱吉がそんなふうに話すとは思わなかった。
綱吉が笹川さんと仲良くなってから、嬉しそうに笑う顔にずっと心がチクチクして、苦しくて、涙が溢れたりして、見たくないって、そんな顔笹川さんにしないでってドロドロとした気持ちが止まらないから、そんな私を知られたくなかったのに……
「!?………アリス!!」
綱吉が慌ててる。
なんで……と言う前に、自分の目からぽろぽろと落ちる涙が信じられなかった。
『だ、大丈夫…だから!!目に、髪の毛が当たったの!だから、そう……大丈夫だから……』
心配そうに顔を覗き込もうとする綱吉とは反対を向いて、視界を遮ろうと手を伸ばす。
お願いだから、汚い心の私を見ないで。