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『綱吉、なんか……変わったね。』
「えっ?……そ、そうかな?」
『うん。なんか……太陽くらい遠い。』
中2の夏。
久しぶりに2人で帰る。
いつもは周りに他の子も居たから。
私は、綱吉とは幼稚園の時からの幼なじみで小学校卒業まで一緒に遊んで、一緒に帰って、一緒に宿題して、いつも毎日2人で居た。
”泣き虫でドジな綱吉は私が守らなきゃ。”
”私が傍に居てあげないとすぐ傷だらけになる。”
だからずっと居た。
喧嘩は怖いし、犬も怖い。
怒られるのも、痛いのも怖い。
だけど、綱吉が笑顔で居てくれるだけで凄く嬉しかった。
これからもずっと一緒に。
そう、一緒……
一緒だったはずだった。
変わったのは中学生になってから。
綱吉が同じ学年の笹川京子に思いを寄せてるのは直ぐにわかった。
ずっと一緒に居たんだもん。
京子ちゃんが好きなんだよね。頑張ってね!というと、えっ?!って顔を真っ赤にしてしどろもどろになる綱吉。
が、頑張るよ…!!とへにゃりと笑った顔。
見た時、心がチクリとした。
(風邪かな…?)
無視をした。
ある日綱吉が自分に何も言わずに早退した。
(私に一言言ってくれても良いじゃない…)
軽くため息をつきながら歩いていると突然、バーンと言うドラマでしか聞かないような音が鳴り響いた。
びっくりして後ろを振り返るとパンツ1枚で走る綱吉。
何してるの?!と言おうとすると、彼は目の前に居た笹川さんに「笹川京子!!俺とつき合ってください!」と叫んだ。
呆然とする私の目の前を小さな赤ん坊が「ちゃおっす」と声をかけてきた。
「ち、ちゃお…す…?」と返すと、ニッと笑い綱吉に流暢に話し出す。
あの日は驚きでずっと忘れないと思う。
それからは、いろいろと早かった。
イタリアからの留学生の獄寺くんや学年の人気者の山本くんが綱吉と一緒に居るようになったし、笹川さんや黒田さんも近くに行くように。
初めは、幼なじみだから傍に居れたけど2年になってクラスが別れてからは、なかなか話せなくなった。
ううん。
私が多分避けてたんだと思う。
変わる綱吉が怖かったのかもしれない。
自分の知らない綱吉が……。
意味のわからない怪我をたくさんするようになったし、病院に入院したこともあるみたいだし、夜に出かけてた日もあるし、数日家を空けることもあった。
それと同時にふと学校にいると焦げ臭いと感じた時があった。
周りを見ても誰も気にしていないようで気のせい?と首を傾げたことも。
綱吉が怪我しだしたタイミングと同時期だから変な事に絡まれているんじゃないかと心配した。
だけど……
今まで、綱吉とどう話してたんだっけ……?
そう思い悩めば悩む程声を掛けれなかった。
(もうすぐ夏休みかぁ…)
下駄箱からローファーを取り出し、どう過ごすかとボーッとしていると
「アリス……」
後ろを振り返ると綱吉が立って居た。
『……なんか…久しぶりだね。』
「うん…。あ、あのさ!」
『……なぁに?』
「……よ、よかったら……一緒にさ、帰らない……?」
『………いいよ。』
校舎を出ると太陽の日差しが暑かった。
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