よく晴れた空の下で【晴空】
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「オイ、クソガキ」
「えー?サンジって、クソガキなの?」
「いやテメェだよ、テメェ」
「だめー、ちゃんとお名前って呼ぶの。そういうのって、しつれーなんだよ?」
クソジジイの船に乗った時、手伝いに現れた小さな女の子。クルクルと表情が変わり、荒くれ者の海賊にすら臆さない。正しいことは正しいと言い、間違ったことは間違いだと言葉にする。お名前はそんな女の子だった。…あと、争いが起きると妙に手が早かったな。
「サンジは、ゼフのお店、ずっといる?」
「ジジイがくたばるまではな。…テメェはどうなんだよクソガキ」
「えー?分かんないよ。でも、海賊さんたち好きー」
無邪気に笑う姿にこちらまで笑ってしまえば、煙草を燻らせそっと頭を撫でる。俺は、どうにかしちまったみてぇだ。このクソガキが可愛く思えるなんて。
えへへ、なんて嬉しそうに笑って「きゃーっ!」と楽しそうな悲鳴を上げる姿に、心の底から癒された。お名前の声に何かあったかと飛んで来たクソジジイに、抱き着いて笑うと抱っこをせがむ。こういうのを、幸せって言うんだろうな。
「あのね、サンジずーっとゼフと一緒。だから、寂しくないよ」
「……そうか」
「うん!ゼフ、サンジ大好き!サンジ、ゼフ大好き!から、だいじょぶ」
至極嬉しそうに微笑む姿に苦笑すると、お名前はゼフの頬へと触れる。その瞬間、ゼフの耳に唇を寄せたお名前はにこっと笑みを浮かべる。
ーーだから、さよならでいいよ。
寂しくないから、大丈夫。
私のことは忘れてしまうけど
きっとまた出逢えるから。だからーー
その瞬間何かが光った気がした。
ーー気付いたらバラティエの甲板にジジイといた。
何だか暖かいような、悲しいような感情が胸を締め付ける。
「クソガキ、何泣いてんだ」
「ジジイこそ」
知らないうちに涙が流れる。理由は分からないけど、何故か、もう二度と戻らない気がした。何がかは分からない。それでも…
複雑な感情を持て余すよう、涙を拭った。
「ーージ、サンジ?どうした?」
目の前でナマエが手を振っている。何となく懐かしい感覚だ。いや、夢を見ていた。ーーどんな、夢だったか…ぼんやりとした頭で考える、直ぐにどうでもいいと思考を切り替える。
ナマエが何か言っているが、風向きが悪く聞き取れない。
「クソガキもようやく大人になれたかな?」
妙に楽しそうに笑ってる姿に、何となく苛立って殴ろうと手を上げる。が、俺が実際にしたのはナマエの頭を撫でること。なんで急にそんなことしてんだ?戸惑いはかなり大きい。ナマエの目も微かに見開き、それでも大人しく頭を差し出した。
『えへへっ、ありがとサンジ』
聞き覚えのない、だけど懐かしい幼い声が蘇る。少女は一体誰だったのか。今はもう、分からない。
「おーい!サンジ、飯〜!!」
「あ、俺も。量少なくていいから。そしたらチョッパーの診察受けなきゃだし。…過保護だっての」
忙しい今に、違和感のある記憶は消えていく。少なくても「また出逢える」と言っていた気がする。ならとりあえず今の状況が先か。
「あーもう、待ってろ。作ってきてやる」
頭を抱えて、既に知らぬうちに…少女はサンジの記憶から遠ざかっていっていた。
「えー?サンジって、クソガキなの?」
「いやテメェだよ、テメェ」
「だめー、ちゃんとお名前って呼ぶの。そういうのって、しつれーなんだよ?」
クソジジイの船に乗った時、手伝いに現れた小さな女の子。クルクルと表情が変わり、荒くれ者の海賊にすら臆さない。正しいことは正しいと言い、間違ったことは間違いだと言葉にする。お名前はそんな女の子だった。…あと、争いが起きると妙に手が早かったな。
「サンジは、ゼフのお店、ずっといる?」
「ジジイがくたばるまではな。…テメェはどうなんだよクソガキ」
「えー?分かんないよ。でも、海賊さんたち好きー」
無邪気に笑う姿にこちらまで笑ってしまえば、煙草を燻らせそっと頭を撫でる。俺は、どうにかしちまったみてぇだ。このクソガキが可愛く思えるなんて。
えへへ、なんて嬉しそうに笑って「きゃーっ!」と楽しそうな悲鳴を上げる姿に、心の底から癒された。お名前の声に何かあったかと飛んで来たクソジジイに、抱き着いて笑うと抱っこをせがむ。こういうのを、幸せって言うんだろうな。
「あのね、サンジずーっとゼフと一緒。だから、寂しくないよ」
「……そうか」
「うん!ゼフ、サンジ大好き!サンジ、ゼフ大好き!から、だいじょぶ」
至極嬉しそうに微笑む姿に苦笑すると、お名前はゼフの頬へと触れる。その瞬間、ゼフの耳に唇を寄せたお名前はにこっと笑みを浮かべる。
ーーだから、さよならでいいよ。
寂しくないから、大丈夫。
私のことは忘れてしまうけど
きっとまた出逢えるから。だからーー
その瞬間何かが光った気がした。
ーー気付いたらバラティエの甲板にジジイといた。
何だか暖かいような、悲しいような感情が胸を締め付ける。
「クソガキ、何泣いてんだ」
「ジジイこそ」
知らないうちに涙が流れる。理由は分からないけど、何故か、もう二度と戻らない気がした。何がかは分からない。それでも…
複雑な感情を持て余すよう、涙を拭った。
「ーージ、サンジ?どうした?」
目の前でナマエが手を振っている。何となく懐かしい感覚だ。いや、夢を見ていた。ーーどんな、夢だったか…ぼんやりとした頭で考える、直ぐにどうでもいいと思考を切り替える。
ナマエが何か言っているが、風向きが悪く聞き取れない。
「クソガキもようやく大人になれたかな?」
妙に楽しそうに笑ってる姿に、何となく苛立って殴ろうと手を上げる。が、俺が実際にしたのはナマエの頭を撫でること。なんで急にそんなことしてんだ?戸惑いはかなり大きい。ナマエの目も微かに見開き、それでも大人しく頭を差し出した。
『えへへっ、ありがとサンジ』
聞き覚えのない、だけど懐かしい幼い声が蘇る。少女は一体誰だったのか。今はもう、分からない。
「おーい!サンジ、飯〜!!」
「あ、俺も。量少なくていいから。そしたらチョッパーの診察受けなきゃだし。…過保護だっての」
忙しい今に、違和感のある記憶は消えていく。少なくても「また出逢える」と言っていた気がする。ならとりあえず今の状況が先か。
「あーもう、待ってろ。作ってきてやる」
頭を抱えて、既に知らぬうちに…少女はサンジの記憶から遠ざかっていっていた。