第2章 ー第232話~ー エニエス・ロビー編・CP9編・さよならメリー編
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『ってかナマエちゃんよー。なんか来てるぜー?』
何だろうな、なんだろうなー、と続ける相棒は無視して意識を集中する。この反応はーーああ、彼らか。人に出せない速度なのは…何故だ?1人だけ思い当たるけど…年の功だよな。隠すのが上手い。
「死ぬんじゃ、ないよー」
言葉と共に甲板に登ってくる。予想通り麦わらの一味だった。
「仮死状態になっていたから殆ど水を飲まなかった」
そう結論づけられた原因が楽しそうに笑う。目を覚ました一味たちがココロさんを見て、ジュゴンがどうとか人魚がどうとか言っているのを無視して進む。船首に近い位置、で周りを見てる役は必要だろう。
『何か感じるのかい??ぎゃはははっ!』
「逆だ。何も無さすぎて怖ぇ。いざとなったら頼むぜ、相棒」
『任せろっ!いつもこう素直だといいんだけどなー、ぎゃはははーーっ!』
うるせぇ。俺は必要ない媚びはうらないんだ。言葉にするまでもなく伝わる相棒に苛立つ。ほんと、マジで嫌いだけど俺の体質に対抗出来るやつはコイツくらいしかいない。
『おおおお、あっちで誰か動けねぇってよ。助けて来いよー、かわいそーだろー』
「あーったく、うるせぇ」
身体が動かないと言っているチョッパーは不安そうだ。まぁ、その程度ならいいか。
「チョッパー、お前動けるようになっても戦うなよ、分かったな?」
「ーー分かった」
頷く姿を確認すると唇で呪文を口にする。ダメージを直で受けてもいいけどそしたら俺が戦えなくなる。だとすれば選べるのは1つ……に、近い。
既に退化している人間の声帯では紡げない音。ダメージを和らげる、血の契約。指先を噛み切り薄らと血を滲ませるとチョッパーの唇へと傷口を押し当てる。瞬間僅かに光る、チョッパーの身体。それだけで腕が動けるようになったらしい。
「回復までに時間かけたぜ。でも戦ったらすぐ動けなくなる。逃げる程度に使え」
「分かった」
真剣に頷く姿が可愛い。素直っていいよな。憧れにもなる。
「なんだそれ!」
「古代魔術ってやつだ。分かりやすくいえば、悪魔の実が作られた技…って所か。全部じゃねぇけどな」
取り敢えず適当に答えておく。世界の摂理とか科学とか化学とか、説明が面倒臭い。……後ろで笑ってる相棒は取り敢えず無視する。
「ゾロ!」
階段を昇っていくゾロにウソップが続く。俺も同じ場所へと行くとそこから見えた光景に苦笑する。火の中に今まであった建物が見える。熱量で陽炎さえ見える、変化。俺は、バスターコールを知ってるからな。それでも好きではない。
「この攻撃は、ニコ・ロビンを死なせねぇように命令が下っているようだ」
「それでこの橋は今狙われてねぇのか」
「死なせねぇってことはまだ奪い返すつもりだな」
「エニエス・ロビーを完全に破壊したら、次は白瑛戦でニコ・ロビンを取りに来るだろう」
「おいおいおい、ヤベぇんじゃねぇか?もうみんなボロボロな上に軍艦に凄いのがいっぱい乗ってんだろ?ルフィは今どこに?」
「この橋の一本目の支柱の上階から、まだ戦煙が立ってる」
「間違いなくそこだなー。ってか、俺迎えに行ってこようか?」
「辞めとけ、殺されるぞ。ルフィに」
それは困る。肩を竦めてみせるとゾロは不敵に笑った。唇が動く。「俺もてめぇとも戦ってみてぇしな」声にならないけど読唇術くらいは心得てる。うげぇ。剣士認定されたってことか。ちょっと嬉しくもある。
「相手は当然鳩野郎…ロブ・ルッチだ」
「とりあえずの課題は俺たちがバラバラにならないことーーだとしたら、俺も離れられねぇか」
言葉にするとゾロが頷く。確かに戦況を見る目は1番だろうな。
「あの軍艦の群れがいつこっちを向いても、逃げ道を失わねぇように、俺たちはここでルフィを待つ。それでいいんだ。……嵐はこれからだぞ」
「分かった」
「フランキー、おめぇの仲間たち……」
「馬鹿野郎、アイツら悪運だけはつぇえのよ。大丈夫だ、上手く逃げてる」
無理に笑いとばすフランキーは痛々しいが…確かに今やるとこは決まっている。再会するためにも自分が生き残らないとだもんな。
『ぎゃはははーーっ!強がり乙』
「お前少しは空気読む力を身に付けとけよ」
ゾロの冷静な突っ込みに思わず笑う。だよな、ほんとに。
「単純に考えても、今の俺たちの頭数と軍艦の数は同じくらいだ。いくら出航できてもここを抜けるのは至難の業だぞ」
『北西正門前から報告。エニエス・ロビーの海兵、役人たちの収容完了。次いで、本島より逃走中の巨人を含む海賊たち、約50名を正門に確認。ーー一斉放火による完全抹消を完了、全員死亡。現状本島での生存は不可能と思われ、エニエス・ロビー本島における生存者、ゼロ』
『こちら、2号艦より報告。島の南東、裁判所及び司法の塔、そして橋に通じる地下通路、全て破壊完了。残る攻撃対象は、躊躇いの橋を残すのみです』
全員が絶句する。フランキー一家も、ガレーラの人間、巨人族、横綱、ソドムもゴモラも…か。予想はできた展開だ。逆に俺だけが冷静だ。となれば、非情でもやることは1つ。ここにいる誰よりも戦うだけだ。
「急げー!麦わらーっ!仲間が此処で待ってる!てめぇ、死んだら承知しねぇぞ!!」
フランキーの叫びは何よりも重い。けどまぁ、そうだよな。ルフィには勝ってもらわないと。俺たちはここを死守するだけだ。ーー誰も殺させねぇけどな。
何だろうな、なんだろうなー、と続ける相棒は無視して意識を集中する。この反応はーーああ、彼らか。人に出せない速度なのは…何故だ?1人だけ思い当たるけど…年の功だよな。隠すのが上手い。
「死ぬんじゃ、ないよー」
言葉と共に甲板に登ってくる。予想通り麦わらの一味だった。
「仮死状態になっていたから殆ど水を飲まなかった」
そう結論づけられた原因が楽しそうに笑う。目を覚ました一味たちがココロさんを見て、ジュゴンがどうとか人魚がどうとか言っているのを無視して進む。船首に近い位置、で周りを見てる役は必要だろう。
『何か感じるのかい??ぎゃはははっ!』
「逆だ。何も無さすぎて怖ぇ。いざとなったら頼むぜ、相棒」
『任せろっ!いつもこう素直だといいんだけどなー、ぎゃはははーーっ!』
うるせぇ。俺は必要ない媚びはうらないんだ。言葉にするまでもなく伝わる相棒に苛立つ。ほんと、マジで嫌いだけど俺の体質に対抗出来るやつはコイツくらいしかいない。
『おおおお、あっちで誰か動けねぇってよ。助けて来いよー、かわいそーだろー』
「あーったく、うるせぇ」
身体が動かないと言っているチョッパーは不安そうだ。まぁ、その程度ならいいか。
「チョッパー、お前動けるようになっても戦うなよ、分かったな?」
「ーー分かった」
頷く姿を確認すると唇で呪文を口にする。ダメージを直で受けてもいいけどそしたら俺が戦えなくなる。だとすれば選べるのは1つ……に、近い。
既に退化している人間の声帯では紡げない音。ダメージを和らげる、血の契約。指先を噛み切り薄らと血を滲ませるとチョッパーの唇へと傷口を押し当てる。瞬間僅かに光る、チョッパーの身体。それだけで腕が動けるようになったらしい。
「回復までに時間かけたぜ。でも戦ったらすぐ動けなくなる。逃げる程度に使え」
「分かった」
真剣に頷く姿が可愛い。素直っていいよな。憧れにもなる。
「なんだそれ!」
「古代魔術ってやつだ。分かりやすくいえば、悪魔の実が作られた技…って所か。全部じゃねぇけどな」
取り敢えず適当に答えておく。世界の摂理とか科学とか化学とか、説明が面倒臭い。……後ろで笑ってる相棒は取り敢えず無視する。
「ゾロ!」
階段を昇っていくゾロにウソップが続く。俺も同じ場所へと行くとそこから見えた光景に苦笑する。火の中に今まであった建物が見える。熱量で陽炎さえ見える、変化。俺は、バスターコールを知ってるからな。それでも好きではない。
「この攻撃は、ニコ・ロビンを死なせねぇように命令が下っているようだ」
「それでこの橋は今狙われてねぇのか」
「死なせねぇってことはまだ奪い返すつもりだな」
「エニエス・ロビーを完全に破壊したら、次は白瑛戦でニコ・ロビンを取りに来るだろう」
「おいおいおい、ヤベぇんじゃねぇか?もうみんなボロボロな上に軍艦に凄いのがいっぱい乗ってんだろ?ルフィは今どこに?」
「この橋の一本目の支柱の上階から、まだ戦煙が立ってる」
「間違いなくそこだなー。ってか、俺迎えに行ってこようか?」
「辞めとけ、殺されるぞ。ルフィに」
それは困る。肩を竦めてみせるとゾロは不敵に笑った。唇が動く。「俺もてめぇとも戦ってみてぇしな」声にならないけど読唇術くらいは心得てる。うげぇ。剣士認定されたってことか。ちょっと嬉しくもある。
「相手は当然鳩野郎…ロブ・ルッチだ」
「とりあえずの課題は俺たちがバラバラにならないことーーだとしたら、俺も離れられねぇか」
言葉にするとゾロが頷く。確かに戦況を見る目は1番だろうな。
「あの軍艦の群れがいつこっちを向いても、逃げ道を失わねぇように、俺たちはここでルフィを待つ。それでいいんだ。……嵐はこれからだぞ」
「分かった」
「フランキー、おめぇの仲間たち……」
「馬鹿野郎、アイツら悪運だけはつぇえのよ。大丈夫だ、上手く逃げてる」
無理に笑いとばすフランキーは痛々しいが…確かに今やるとこは決まっている。再会するためにも自分が生き残らないとだもんな。
『ぎゃはははーーっ!強がり乙』
「お前少しは空気読む力を身に付けとけよ」
ゾロの冷静な突っ込みに思わず笑う。だよな、ほんとに。
「単純に考えても、今の俺たちの頭数と軍艦の数は同じくらいだ。いくら出航できてもここを抜けるのは至難の業だぞ」
『北西正門前から報告。エニエス・ロビーの海兵、役人たちの収容完了。次いで、本島より逃走中の巨人を含む海賊たち、約50名を正門に確認。ーー一斉放火による完全抹消を完了、全員死亡。現状本島での生存は不可能と思われ、エニエス・ロビー本島における生存者、ゼロ』
『こちら、2号艦より報告。島の南東、裁判所及び司法の塔、そして橋に通じる地下通路、全て破壊完了。残る攻撃対象は、躊躇いの橋を残すのみです』
全員が絶句する。フランキー一家も、ガレーラの人間、巨人族、横綱、ソドムもゴモラも…か。予想はできた展開だ。逆に俺だけが冷静だ。となれば、非情でもやることは1つ。ここにいる誰よりも戦うだけだ。
「急げー!麦わらーっ!仲間が此処で待ってる!てめぇ、死んだら承知しねぇぞ!!」
フランキーの叫びは何よりも重い。けどまぁ、そうだよな。ルフィには勝ってもらわないと。俺たちはここを死守するだけだ。ーー誰も殺させねぇけどな。