第2章 ー第232話~ー エニエス・ロビー編・CP9編・さよならメリー編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その条件に彼女も当てはまるようで、俺の動きを把握し切れない。けどまぁ、そこはさして問題じゃない。彼女は目を閉じて気配だけ追う。動物の生存本能としての反応なら問題は無いけど。
蹴りかかった瞬間左腕で殴る。当然蹴りは囮だけど分かっていたとしても反射的な反応はそうはいかない。モロに殴られ女は吹っ飛んでいく。
「いいよな、殺してもいいって」
寧ろ殺さない選択肢はない。俺の遺伝子を利用して作られたモノになんて…存在させたくないし、存在してはいけない。そうでなければ、俺は…今までなんのために我慢してきたのだろう。
一番最初に負傷した腕は回復している。寧ろ左腕を潰したのは彼女の…。小さく笑うと起き上がった彼女の頬へと左手で触れる。すぐに距離をとって…離れる。“悪魔の左手”と称される掌。普段からソレを抑える為に抑制剤を使用している。単純な戦闘…と言うよりも兵器、単身で戦場をひとつ潰すのに随分役立ってた能力だが…恐らく俺以外に搭載はされていない。さすがに副作用がデカすぎる。あと、最悪死ぬしな。恐らく生きることもできない。
「発動、“悪魔の左手”」
「う、そ……うぁあああっ!!」
ちょっと格好つけてみた。実際常時発動だからな…あんまり意味は無い。ってか、薬がある程度切れてて良かったか。
「知ってるだろうけど、俺が触れたら最後だ。原子レベルで振動し中から崩壊する。逃げることも不可、だからな。残念ながら、内から砕けろ」
「ひぁあああーーっ!」
身体自体が崩れていく。それを眺めながら息を吐いた。
息が上がる、さすがに疲れた。能力を全開にすれば副作用が生じる。まぁ、全開って程にはならなかったけどな。まだ若干ではあるが薬が効いていたようだ。
身体中が引きちぎれるように痛む、意識を保つことが難しくなる。よく出る症状だけど慣れることが出来ない感覚に舌打ちする。ルフィ達は…ロビンは無事だろうか?今、どこにいるのだろう…。さっさと回復して、ロビンの所に戻らなきゃ行けねぇのに……ああ、そうだ…アイツがくれた……痛み、止め。
意識が曖昧になっていく。ポケットに入れておいた注射器を取り出し、首元に打つ。一瞬目眩がし、次いで全身に更なる激痛が走る。いや、どんな痛み止めだよ…痛み増やしてんじゃん。暫く続いた痛みに意識がハッキリすると、これが狙いだったのかと舌打ちする。そこまで考えて…いたのだとしたら、俺の為だという免罪符を手に入れた、マッドサイエンティストに変わりない。
漸く痛みが和らいできた頃に息を吐き無理に立ち上がる。痛い。本当は動きたくない…けど、後悔するのはもっと嫌だ。既に汗だくで呼吸も荒い、けどまだ動ける。だとしたら動かないなんてない。
「っ、く…ちっくしょ…」
思わず口調が荒くなる。…荒いのは元々か。
無理に身体を動かして歩く。向かうのは階段の上。ロビンが行った方だ。まだ身体が重い。でもそれは問題じゃない。ふらつく足を動かして、俺はロビンを追った。
「あー、やはり負けてしまいましたか。失敗作でしたね。精神面も脆く簡単に崩れる…予想通りでした」
屋根の上に乗ったレオが書類に記入をしていく。
『実験体QE-001、敵を侮り失敗。また精神面も酷く幼い為、要改善が必要』
「やはり、貴方以上の存在は中々生まれないようです、我が君、黒姫様」
名付けとはそれその物の存在を確定する行為だ。名がなければ「ヒト」でしかないが、それぞれに名前を付けるから個人になる。例えばルフィ、例えばゾロ。彼らの名前が違うのなら生き様も違っただろう。だからこそ、名前を付けるという行為は神にも等しい。そうなって欲しいという願いも込められるからだ。
「まさに、呪いですね」
名前を貰うまで、レオは希薄な存在だった。意識もはっきりせず、ただ命令に従う存在。その事に疑問を感じることもなかった。しかし名前を貰った瞬間…。
「貴方の色香は周りを惑わす。絶対的な母に、父に。愛されたいと願うのは本能なのですから。ゾディアック・レオの名を頂いた時から、貴方はーー」
微かに微笑む。これだけ嬉しいのは生まれて初めてだ。人から見れば狂ったのかもしれない。それでも自分は、我らが母を守りたい。
「願わくば、どうかーー世界に愛されない貴方に祝福を」
自分が知っているだけでも、黒姫が楽に生きていく方法などどこにも無いのだから。
空を見上げてゆっくり息を吐く。自分と瓜二つの顔の男。その男ならば我らが母を救えるのかと少しだけ悩んだ。
「っ、やべ……」
知らないうちに意識が落ちてた。足は勝手に動いてくれていた為前には進めたが、殆ど記憶がない。…ヤバい、マジで。痛み止めでこのレベルなら、今回の抑制剤は一体どれだけの強さなのか…。
「完全実験じゃねぇか」
思わずぼやく。一番最初に使うのは取り敢えず船の上だな。さすがに誰もいなければ使えない。…いや、誰もいない時がいいのか。ちょっとだけ悩む。
少なくてもーー俺はこの姿を誰にも見せたくないしな。1人納得する。
蹴りかかった瞬間左腕で殴る。当然蹴りは囮だけど分かっていたとしても反射的な反応はそうはいかない。モロに殴られ女は吹っ飛んでいく。
「いいよな、殺してもいいって」
寧ろ殺さない選択肢はない。俺の遺伝子を利用して作られたモノになんて…存在させたくないし、存在してはいけない。そうでなければ、俺は…今までなんのために我慢してきたのだろう。
一番最初に負傷した腕は回復している。寧ろ左腕を潰したのは彼女の…。小さく笑うと起き上がった彼女の頬へと左手で触れる。すぐに距離をとって…離れる。“悪魔の左手”と称される掌。普段からソレを抑える為に抑制剤を使用している。単純な戦闘…と言うよりも兵器、単身で戦場をひとつ潰すのに随分役立ってた能力だが…恐らく俺以外に搭載はされていない。さすがに副作用がデカすぎる。あと、最悪死ぬしな。恐らく生きることもできない。
「発動、“悪魔の左手”」
「う、そ……うぁあああっ!!」
ちょっと格好つけてみた。実際常時発動だからな…あんまり意味は無い。ってか、薬がある程度切れてて良かったか。
「知ってるだろうけど、俺が触れたら最後だ。原子レベルで振動し中から崩壊する。逃げることも不可、だからな。残念ながら、内から砕けろ」
「ひぁあああーーっ!」
身体自体が崩れていく。それを眺めながら息を吐いた。
息が上がる、さすがに疲れた。能力を全開にすれば副作用が生じる。まぁ、全開って程にはならなかったけどな。まだ若干ではあるが薬が効いていたようだ。
身体中が引きちぎれるように痛む、意識を保つことが難しくなる。よく出る症状だけど慣れることが出来ない感覚に舌打ちする。ルフィ達は…ロビンは無事だろうか?今、どこにいるのだろう…。さっさと回復して、ロビンの所に戻らなきゃ行けねぇのに……ああ、そうだ…アイツがくれた……痛み、止め。
意識が曖昧になっていく。ポケットに入れておいた注射器を取り出し、首元に打つ。一瞬目眩がし、次いで全身に更なる激痛が走る。いや、どんな痛み止めだよ…痛み増やしてんじゃん。暫く続いた痛みに意識がハッキリすると、これが狙いだったのかと舌打ちする。そこまで考えて…いたのだとしたら、俺の為だという免罪符を手に入れた、マッドサイエンティストに変わりない。
漸く痛みが和らいできた頃に息を吐き無理に立ち上がる。痛い。本当は動きたくない…けど、後悔するのはもっと嫌だ。既に汗だくで呼吸も荒い、けどまだ動ける。だとしたら動かないなんてない。
「っ、く…ちっくしょ…」
思わず口調が荒くなる。…荒いのは元々か。
無理に身体を動かして歩く。向かうのは階段の上。ロビンが行った方だ。まだ身体が重い。でもそれは問題じゃない。ふらつく足を動かして、俺はロビンを追った。
「あー、やはり負けてしまいましたか。失敗作でしたね。精神面も脆く簡単に崩れる…予想通りでした」
屋根の上に乗ったレオが書類に記入をしていく。
『実験体QE-001、敵を侮り失敗。また精神面も酷く幼い為、要改善が必要』
「やはり、貴方以上の存在は中々生まれないようです、我が君、黒姫様」
名付けとはそれその物の存在を確定する行為だ。名がなければ「ヒト」でしかないが、それぞれに名前を付けるから個人になる。例えばルフィ、例えばゾロ。彼らの名前が違うのなら生き様も違っただろう。だからこそ、名前を付けるという行為は神にも等しい。そうなって欲しいという願いも込められるからだ。
「まさに、呪いですね」
名前を貰うまで、レオは希薄な存在だった。意識もはっきりせず、ただ命令に従う存在。その事に疑問を感じることもなかった。しかし名前を貰った瞬間…。
「貴方の色香は周りを惑わす。絶対的な母に、父に。愛されたいと願うのは本能なのですから。ゾディアック・レオの名を頂いた時から、貴方はーー」
微かに微笑む。これだけ嬉しいのは生まれて初めてだ。人から見れば狂ったのかもしれない。それでも自分は、我らが母を守りたい。
「願わくば、どうかーー世界に愛されない貴方に祝福を」
自分が知っているだけでも、黒姫が楽に生きていく方法などどこにも無いのだから。
空を見上げてゆっくり息を吐く。自分と瓜二つの顔の男。その男ならば我らが母を救えるのかと少しだけ悩んだ。
「っ、やべ……」
知らないうちに意識が落ちてた。足は勝手に動いてくれていた為前には進めたが、殆ど記憶がない。…ヤバい、マジで。痛み止めでこのレベルなら、今回の抑制剤は一体どれだけの強さなのか…。
「完全実験じゃねぇか」
思わずぼやく。一番最初に使うのは取り敢えず船の上だな。さすがに誰もいなければ使えない。…いや、誰もいない時がいいのか。ちょっとだけ悩む。
少なくてもーー俺はこの姿を誰にも見せたくないしな。1人納得する。