第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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「本当かよ」
「そう言ってた。その大工はな」
「この船が」
「もう治せない?金があってもか?じゃあメリーは?どうなるんだ?」
「さぁな。最終的には、査定の結果を聞いたルフィ達がどう判断するかだ。造船場にいる三人で、なんらかの答えを出してくるだろ」
サンジが出してくれたお茶を飲みつつ三人の話を聞く。どうやら素晴らしいタイミングで訪ねてきたらしい。が、ここまで来れば、この先の予想はどうにか着く。
真剣な様子の男達を横目に考える。取り敢えずは、口出しは無用だろう。今の自分にとってはまだ、この船は居場所ではないのだから。
話が極端だと言い始める様子を、側から見ればのんびりと眺めていると今度は女が走ってくる。まぁなんというか…
「船長に似て、落ち着きのない連中だな」
女ーーナミの話によると、どうやらどっかの連中に金を盗られたらしい。同時に仲間も重症だというのだから、慌てるのも仕方ない。
「って事で、悪いけどアンタ後にして」
「いや、最初から後にするつもりだけどよ。…なら俺は、船で待たせてもらうわ。どうせルフィも帰ってくるんだろ?戦いは好きだし、それなりに強いから…俺はお嬢さんとこっちにいる」
「そりゃありがてぇけどよ…」
「ま、信用できないのが普通だな。俺が、フランキー?だっけ?それの仲間の可能性もある。でも、生憎金には困ってねぇんだ。ってな訳で、俺の大事な物をお前らに預けとく。…ってか、んなこと知れたらマジで殺されっから、絶対鞘は抜くなよ」
言いながら出した黒ごしらえの刀。コイツは常に俺と共にある、言うなれば最終兵器だ。ーー普通の人間であれば、何処にその刀があったのかも分からないだろう。人間は見たくないものは見えない。そして“コレ”は間違いなく見たくない類 のものだ。
「ほら、急ぐんだろ。さっさと行けよ」
「ーーアンタ、何者なの?」
二人になって初めて、ナミが口を開いた。そういう問いかけができるって事は、それなりに警戒心が解かれてきたのだろう。良い傾向だ。
「何者って…ルフィの知り合いだよ。昔の、だけどな。…今はどうなんだかな。仲間にしてくれるって話はしたけど、もう忘れてっかも知れねぇし」
「ルフィが仲間を忘れる?そんなのありえないわよ。ーーなら、アンタのこと、信用して良いのね?」
「あー、うん。敵対する気はねぇよ、今んとこは」
怪訝そうな顔をされたが正直な気持ちだ。仲間になることを忘れられてたら…嫌がらせに政府の側につくかも知れない。そしたら敵だ、殺しはしないだろうが、出来ればその先は考えたくない。
「ならいいわ。そう言われた方が逆に信用できそうだもの。私の名前はナミ。アンタは?」
「ミョウジ・ナマエ。一応、何でも屋を営んでいる。まぁ、ルフィに出会うまでの繋ぎだけどな。特技は色々、趣味は戦闘。賞金額は…まぁ、今んところないな。一応一般人だし」
正確に言えば犯罪行為もしてきたが…バレていない事は証明できない。真実に辿り着く事が出来ないよう、それなりの工作もしている。その上で気付いた奴がいたら…逆に仲間になってほしいくらいだ。
「アンタの目的がルフィに会う事なら、大体は済んでる。次はどうする気なの?」
「ーーいや、一応周りを警戒しろよ。船の上に二人なんだし。…誰もいないけど。…しかもそれ、ただの暇潰しのための質問だろ?付き合ってやる義理はねぇんだけどなー。
ーーああ、でもそっちは仲間が消えたとか言ってたな。ルフィが許せばその程度の力添えならしてやるよ。俺も暇だし、何でも屋の情報網もあるし。正直やる事もねぇ」
ニコ・ロビンが消えた理由が政府関係なら、自分の落ち度もあるかも知れない。一応政府の味方だけど、家の方が何かやらかしてる可能性は十分にあるからな。なんて考えながら、ナミが手にしていた銃を指先から奪う。…女が操るにはちょっと重いな。
「仲間?消えたって誰が?」
「あれ、知らなかったのか?ニコ・ロビン。突然消えたとか騒いでたぜ」
「もう!一体全体なんなのよ!この街にきた瞬間、ロビンは消えるはお金は盗まれる。ウソップだって傷だらけよ!しかも怪しいヤツまで増える始末ーー」
「え、俺も入ってんの?」
「当然でしょ、アンタが一番怪しいのよ。だいたいね、今この現状を作り出してるのはアナタ。自分の宝を持ってけ、なんて言ったって本当か信じらんないのが普通でしょう?逆に自分から持って行かせるなんてゴミ渡してる可能性だってあるのよ」
「それは正論。でもその情報を突き詰める時間はなかっただろ?こっちもリスクを背負ってんだ。文句言うなって」
「何よ、リスクって」
ソレ、アンタ。その一言を、ナミを指差して言い切る。
「彼らが帰ってきたとき、お嬢ちゃんは無事でいなければならない。その為には俺からも敵からも守らなきゃならねぇ。少しでも傷ついてたら、俺はルフィに殺される。ーー十分リスクだろ?ついでに言えば、ルフィの仲間になれなかったとしたときーー俺の戦闘スタイルはそっちに知られることになる。まぁ、どうでも良いけど」
戦いが好きすぎてある程度はマスターした。剣術、武術、柔術、薙刀術、弓術に狙撃術。あとは忍術、暗殺術、催眠術なんかもある。他には医術、看護術、詐称術、印象操作術ーー正直“術”とついているものは大抵のことならやれる。実家の影響も多い。それなのに、麦わらの一味に対して情報操作は行なっていない。これが、俺の誠意の取り方だ。
「本当に仲間になりたいなら術は使うな」昔、誰かに言われた言葉だ。確かにその通りだと思いながらも「そんな面倒なことを」と思った記憶がある。
「俺は、俺の好きに動けてるからな。ルフィに会ったらそう伝えといてくれ」
「なのよその根性の別れみたいな言い方は」
側から聞けばそうなのかも知れないが、俺に言わせれば本音でしかない。今生きているからと言って、一瞬さきも生きているとはいえないのだから。…逆に、死んでいるともいえないけど。
その場に腰を下ろしながら、自分の歪んだ考え方に笑った。
「そう言ってた。その大工はな」
「この船が」
「もう治せない?金があってもか?じゃあメリーは?どうなるんだ?」
「さぁな。最終的には、査定の結果を聞いたルフィ達がどう判断するかだ。造船場にいる三人で、なんらかの答えを出してくるだろ」
サンジが出してくれたお茶を飲みつつ三人の話を聞く。どうやら素晴らしいタイミングで訪ねてきたらしい。が、ここまで来れば、この先の予想はどうにか着く。
真剣な様子の男達を横目に考える。取り敢えずは、口出しは無用だろう。今の自分にとってはまだ、この船は居場所ではないのだから。
話が極端だと言い始める様子を、側から見ればのんびりと眺めていると今度は女が走ってくる。まぁなんというか…
「船長に似て、落ち着きのない連中だな」
女ーーナミの話によると、どうやらどっかの連中に金を盗られたらしい。同時に仲間も重症だというのだから、慌てるのも仕方ない。
「って事で、悪いけどアンタ後にして」
「いや、最初から後にするつもりだけどよ。…なら俺は、船で待たせてもらうわ。どうせルフィも帰ってくるんだろ?戦いは好きだし、それなりに強いから…俺はお嬢さんとこっちにいる」
「そりゃありがてぇけどよ…」
「ま、信用できないのが普通だな。俺が、フランキー?だっけ?それの仲間の可能性もある。でも、生憎金には困ってねぇんだ。ってな訳で、俺の大事な物をお前らに預けとく。…ってか、んなこと知れたらマジで殺されっから、絶対鞘は抜くなよ」
言いながら出した黒ごしらえの刀。コイツは常に俺と共にある、言うなれば最終兵器だ。ーー普通の人間であれば、何処にその刀があったのかも分からないだろう。人間は見たくないものは見えない。そして“コレ”は間違いなく見たくない
「ほら、急ぐんだろ。さっさと行けよ」
「ーーアンタ、何者なの?」
二人になって初めて、ナミが口を開いた。そういう問いかけができるって事は、それなりに警戒心が解かれてきたのだろう。良い傾向だ。
「何者って…ルフィの知り合いだよ。昔の、だけどな。…今はどうなんだかな。仲間にしてくれるって話はしたけど、もう忘れてっかも知れねぇし」
「ルフィが仲間を忘れる?そんなのありえないわよ。ーーなら、アンタのこと、信用して良いのね?」
「あー、うん。敵対する気はねぇよ、今んとこは」
怪訝そうな顔をされたが正直な気持ちだ。仲間になることを忘れられてたら…嫌がらせに政府の側につくかも知れない。そしたら敵だ、殺しはしないだろうが、出来ればその先は考えたくない。
「ならいいわ。そう言われた方が逆に信用できそうだもの。私の名前はナミ。アンタは?」
「ミョウジ・ナマエ。一応、何でも屋を営んでいる。まぁ、ルフィに出会うまでの繋ぎだけどな。特技は色々、趣味は戦闘。賞金額は…まぁ、今んところないな。一応一般人だし」
正確に言えば犯罪行為もしてきたが…バレていない事は証明できない。真実に辿り着く事が出来ないよう、それなりの工作もしている。その上で気付いた奴がいたら…逆に仲間になってほしいくらいだ。
「アンタの目的がルフィに会う事なら、大体は済んでる。次はどうする気なの?」
「ーーいや、一応周りを警戒しろよ。船の上に二人なんだし。…誰もいないけど。…しかもそれ、ただの暇潰しのための質問だろ?付き合ってやる義理はねぇんだけどなー。
ーーああ、でもそっちは仲間が消えたとか言ってたな。ルフィが許せばその程度の力添えならしてやるよ。俺も暇だし、何でも屋の情報網もあるし。正直やる事もねぇ」
ニコ・ロビンが消えた理由が政府関係なら、自分の落ち度もあるかも知れない。一応政府の味方だけど、家の方が何かやらかしてる可能性は十分にあるからな。なんて考えながら、ナミが手にしていた銃を指先から奪う。…女が操るにはちょっと重いな。
「仲間?消えたって誰が?」
「あれ、知らなかったのか?ニコ・ロビン。突然消えたとか騒いでたぜ」
「もう!一体全体なんなのよ!この街にきた瞬間、ロビンは消えるはお金は盗まれる。ウソップだって傷だらけよ!しかも怪しいヤツまで増える始末ーー」
「え、俺も入ってんの?」
「当然でしょ、アンタが一番怪しいのよ。だいたいね、今この現状を作り出してるのはアナタ。自分の宝を持ってけ、なんて言ったって本当か信じらんないのが普通でしょう?逆に自分から持って行かせるなんてゴミ渡してる可能性だってあるのよ」
「それは正論。でもその情報を突き詰める時間はなかっただろ?こっちもリスクを背負ってんだ。文句言うなって」
「何よ、リスクって」
ソレ、アンタ。その一言を、ナミを指差して言い切る。
「彼らが帰ってきたとき、お嬢ちゃんは無事でいなければならない。その為には俺からも敵からも守らなきゃならねぇ。少しでも傷ついてたら、俺はルフィに殺される。ーー十分リスクだろ?ついでに言えば、ルフィの仲間になれなかったとしたときーー俺の戦闘スタイルはそっちに知られることになる。まぁ、どうでも良いけど」
戦いが好きすぎてある程度はマスターした。剣術、武術、柔術、薙刀術、弓術に狙撃術。あとは忍術、暗殺術、催眠術なんかもある。他には医術、看護術、詐称術、印象操作術ーー正直“術”とついているものは大抵のことならやれる。実家の影響も多い。それなのに、麦わらの一味に対して情報操作は行なっていない。これが、俺の誠意の取り方だ。
「本当に仲間になりたいなら術は使うな」昔、誰かに言われた言葉だ。確かにその通りだと思いながらも「そんな面倒なことを」と思った記憶がある。
「俺は、俺の好きに動けてるからな。ルフィに会ったらそう伝えといてくれ」
「なのよその根性の別れみたいな言い方は」
側から聞けばそうなのかも知れないが、俺に言わせれば本音でしかない。今生きているからと言って、一瞬さきも生きているとはいえないのだから。…逆に、死んでいるともいえないけど。
その場に腰を下ろしながら、自分の歪んだ考え方に笑った。