第2章 ー第232話~ー エニエス・ロビー編・CP9編・さよならメリー編
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バスターコール。なんだかんだ言いながら彼女はそるを恐れていた。覚えている事は少ないが…確かにアレはトラウマになるだろうし…。
ロビンの感情が溢れてくる。見ている状況ではないのに…見える。能力の暴走か、クソ…こんな所で。
ーーかつてオハラで暮らしている時も、ロビンに安らぎはなかった。ただただ、学者としての研究が彼女の救いだった。親戚預けられた彼女は家族に憧れた、愛を求めた。そんな普通の少女だった。
彼女は常に孤独だった。そんな彼女も考古学者になり、仲間が出来た。それが人一倍嬉しくて…知りたいことが出来た。ただ、同じ学者であるとしても…子供だからと拒否される。周りの大人は常識として拒否するが、彼女にとって仲間外れも同じだ。彼女を思っての行動だと、彼女には伝わらなかった。それを悟るには幼すぎたから。
海岸を歩く彼女の前に、人のような何かが倒れている。大きな、巨人。
彼との交流が始まり、笑顔になった。能力者であることも受け入れてもらえた。生まれて初めての経験だった。それは、彼女にとっても幸せな時間。…バスターコールが発動されるまでは。
海軍の船が乗り込んできた、すぐに世界政府の船が続く。数も多く、逃げる手だても対処する方法も存在しない。集められた学者たちの中に、母オルビアの姿がある。ロビンは気付いていない。
……クローバー博士がポーネグリフについての考察をする。かつてあったとされる大国、けれど不自然な程に残っていない歴史。誰かが消したのか、自らが消したのか…文明がある、だからこそポーネグリフを創ったのではないか。一見めちゃくちゃな過程であるが、博士が話している途中に発泡したという事実…恐らく、世界政府は「知って」いる。空白の100年に、何があったのか。その場にいる全員はそう察した。
…バフターコールが発令される。オハラの人達は自分たちの命よりも本を優先させた。元より逃げる気はなかったのだ。友達であるロビンを逃がしたかっただけ。オルビアが母だと気づいたロビンは必死に言葉にする。「考古学者であり、ポーネグリフが読める」と。
オルビアはこの場所に残ることを選んだ。考古学者として母として、そうでないといけないと。ロビンを巨人のサウロに任せ、「生きて」と叫ぶ。生きて欲しい。それが彼女の、本音。ロビンはそれを知りながらも自分の感情を優先させる。幼いからこそできる、残酷とも言える純粋さ。
バスターコールの無差別な攻撃、燃えるオハラ。消えていく思い出、記憶、逃げなくてはいけない事実、拒絶される生。クザンと戦い、負けるサウロ。
その手から逃れ、生きようとするロビン。
…よかった。彼女は愛されていたから。
逃げた先にクザンがいる。彼がロビンを逃がす。
「誰も助からない」
その事実がロビンの幼い心に突き刺さる。
本当の孤独を、彼女は知った。
それからというもの、彼女は孤独だった。信用出来る人もおらず、次第に荒くれ者と手を組むようになった。安らげる場所など、なかった。
だからーー。
ふっと意識が現実に戻る。ゆっくり息を吐いてルフィを見る。ウソップが政府の旗を撃ち抜いていた。なんという暴挙か…。
「ばぁーか。ルフィ」
もう笑うしかない。ロビンも泣いている。…何故かフランキーも。いや、お前いらないから。
ふぅ。
少し息を吐く。ヤバい、昔のことを思い出してきた。ロビンの記憶のせい、か。だけど、彼女の記憶に居なくて…よかった。
少しだけ感覚が虚ろになっていく…
その日、オハラが壊滅する。
その数日前に海軍の船に乗せられた俺は常にウトウトとしていた。“眠姫”そう、呼ばれる程眠っていた。今考えるとなんかの薬の影響だろう。眠くて眠くて、夢と夢の間に誰かの記憶を見る。過去と未来が見える、この世の狭間で。何度も何度も、彼女に出会って…話をした、気がする。
漸く意識がはっきりしてきたのはオハラに着いてからだ。だけどまだ、眠さが強い。
「姫様、こちらですよ」
「ん…」
眠気と戦い目を擦る。まだ寝ていたいけど、そしたら兄様が怒られる。
黒い裾の短い振袖と太ももまでの長いブーツ。髪は一つにまとめていて、鈴の着いた装飾品を耳の近くに付けて…。今とは違う顔、隣には大好きな…兄。何が起こるか知らず、嬉しくて笑う。ぎゅーっと抱き着いて存分に甘やかしてもらう。こういう任務の日しか、甘やかしてなんて貰えないから。
「そろそろ始まりますよ。…マイプリンセス」
「ん、分かった」
繋いでもらった手を握り返しゆっくり船上を歩く。直ぐに聞こえたバスターコールの音にビクッと身体が跳ねると繋いでいた手を離し、跳んでオハラへと上陸する。 与えられた命令は「皆殺し」。だから、全部殺せばいい。分かりやすい内容だ。
腰にいた刀を抜く。
『戦闘か、黒姫』
「…」
『なぁなぁなぁなぁ、戦闘か?なぁ』
「うるさい」
妙にテンションが高いのは寝起きだから?本音を言っても刀の独り言は止まらない。黙らせる方法は…1つしか知らない。
「あとで、血、あげるから静かにしてて」
『りょーかいっ!やったね!』
頭が痛くなるって、こういうことを言う…んだと思う。
ロビンの感情が溢れてくる。見ている状況ではないのに…見える。能力の暴走か、クソ…こんな所で。
ーーかつてオハラで暮らしている時も、ロビンに安らぎはなかった。ただただ、学者としての研究が彼女の救いだった。親戚預けられた彼女は家族に憧れた、愛を求めた。そんな普通の少女だった。
彼女は常に孤独だった。そんな彼女も考古学者になり、仲間が出来た。それが人一倍嬉しくて…知りたいことが出来た。ただ、同じ学者であるとしても…子供だからと拒否される。周りの大人は常識として拒否するが、彼女にとって仲間外れも同じだ。彼女を思っての行動だと、彼女には伝わらなかった。それを悟るには幼すぎたから。
海岸を歩く彼女の前に、人のような何かが倒れている。大きな、巨人。
彼との交流が始まり、笑顔になった。能力者であることも受け入れてもらえた。生まれて初めての経験だった。それは、彼女にとっても幸せな時間。…バスターコールが発動されるまでは。
海軍の船が乗り込んできた、すぐに世界政府の船が続く。数も多く、逃げる手だても対処する方法も存在しない。集められた学者たちの中に、母オルビアの姿がある。ロビンは気付いていない。
……クローバー博士がポーネグリフについての考察をする。かつてあったとされる大国、けれど不自然な程に残っていない歴史。誰かが消したのか、自らが消したのか…文明がある、だからこそポーネグリフを創ったのではないか。一見めちゃくちゃな過程であるが、博士が話している途中に発泡したという事実…恐らく、世界政府は「知って」いる。空白の100年に、何があったのか。その場にいる全員はそう察した。
…バフターコールが発令される。オハラの人達は自分たちの命よりも本を優先させた。元より逃げる気はなかったのだ。友達であるロビンを逃がしたかっただけ。オルビアが母だと気づいたロビンは必死に言葉にする。「考古学者であり、ポーネグリフが読める」と。
オルビアはこの場所に残ることを選んだ。考古学者として母として、そうでないといけないと。ロビンを巨人のサウロに任せ、「生きて」と叫ぶ。生きて欲しい。それが彼女の、本音。ロビンはそれを知りながらも自分の感情を優先させる。幼いからこそできる、残酷とも言える純粋さ。
バスターコールの無差別な攻撃、燃えるオハラ。消えていく思い出、記憶、逃げなくてはいけない事実、拒絶される生。クザンと戦い、負けるサウロ。
その手から逃れ、生きようとするロビン。
…よかった。彼女は愛されていたから。
逃げた先にクザンがいる。彼がロビンを逃がす。
「誰も助からない」
その事実がロビンの幼い心に突き刺さる。
本当の孤独を、彼女は知った。
それからというもの、彼女は孤独だった。信用出来る人もおらず、次第に荒くれ者と手を組むようになった。安らげる場所など、なかった。
だからーー。
ふっと意識が現実に戻る。ゆっくり息を吐いてルフィを見る。ウソップが政府の旗を撃ち抜いていた。なんという暴挙か…。
「ばぁーか。ルフィ」
もう笑うしかない。ロビンも泣いている。…何故かフランキーも。いや、お前いらないから。
ふぅ。
少し息を吐く。ヤバい、昔のことを思い出してきた。ロビンの記憶のせい、か。だけど、彼女の記憶に居なくて…よかった。
少しだけ感覚が虚ろになっていく…
その日、オハラが壊滅する。
その数日前に海軍の船に乗せられた俺は常にウトウトとしていた。“眠姫”そう、呼ばれる程眠っていた。今考えるとなんかの薬の影響だろう。眠くて眠くて、夢と夢の間に誰かの記憶を見る。過去と未来が見える、この世の狭間で。何度も何度も、彼女に出会って…話をした、気がする。
漸く意識がはっきりしてきたのはオハラに着いてからだ。だけどまだ、眠さが強い。
「姫様、こちらですよ」
「ん…」
眠気と戦い目を擦る。まだ寝ていたいけど、そしたら兄様が怒られる。
黒い裾の短い振袖と太ももまでの長いブーツ。髪は一つにまとめていて、鈴の着いた装飾品を耳の近くに付けて…。今とは違う顔、隣には大好きな…兄。何が起こるか知らず、嬉しくて笑う。ぎゅーっと抱き着いて存分に甘やかしてもらう。こういう任務の日しか、甘やかしてなんて貰えないから。
「そろそろ始まりますよ。…マイプリンセス」
「ん、分かった」
繋いでもらった手を握り返しゆっくり船上を歩く。直ぐに聞こえたバスターコールの音にビクッと身体が跳ねると繋いでいた手を離し、跳んでオハラへと上陸する。 与えられた命令は「皆殺し」。だから、全部殺せばいい。分かりやすい内容だ。
腰にいた刀を抜く。
『戦闘か、黒姫』
「…」
『なぁなぁなぁなぁ、戦闘か?なぁ』
「うるさい」
妙にテンションが高いのは寝起きだから?本音を言っても刀の独り言は止まらない。黙らせる方法は…1つしか知らない。
「あとで、血、あげるから静かにしてて」
『りょーかいっ!やったね!』
頭が痛くなるって、こういうことを言う…んだと思う。