第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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列車が動く。流れていく景色に思いを馳せることはねぇが…さすがに思うところはある。兄貴に出会えたことは勿論、この先の自分の未来にだ。ロブ・ルッチが負けることは見れたが…そこに俺が関わった以上、どうなるかは不確定になった。
「本当に、殺すしかねぇのかもな」
物騒な本音が漏れる。
「貴方、何を言っているの?」
「どう聞いてもワシらの殺害予告じゃな」
カリファとカクの適切な言葉に満面の笑みを見せる。その辺はまぁ、お互いにわかっている事だ。
それにもしプルトンが出来たとしても、俺が破壊するけどな。後々が面倒だし。そしたら全面戦争になりそうだ。
…後はフランキーの説得次第か。ロビンが揺れればいい。
「苦しめばいい」
それでも得られるのなら…と嫉妬が先にたつ。これは、本当に俺の八つ当たりだ。
ついにエニエス・ロビーに着いた。フランキーが海軍に噛み付くが…ロビンは大人しく連行される。手錠は無いものの俺も同じだ。無意味に抵抗する気は無い。
「正門を開けーっ!!」
掛け声と共に門が開く。昔と変わらないその姿に息を吐くが…フランキーは違うらしい。
「滝?どうなってんだよこの島は!!」
「どうって…こうなってるとしか言えないだろ」
「テメェは驚かねぇのか」
「ガキの頃に来てるからな」
俺の言葉にフランキーは驚いたらしい。僅かにではあるが目を丸くし…俺をじっと見る。
「お前、黒姫様に無礼をーー」
「いい、それにその名で呼ばれる方が不快だ」
「黒姫?確かそれってーー」
「ああ、政府の殺人人形の名前だよ」
俺の正体に気付いたらしいフランキーが顔を歪める。確かにいい噂は無いはずだ。殺し回るとか島がひとつ消えるとか、物騒な話しかない。事実だから否定する要素もないけど……今の俺はそれほど攻撃的ではない。言っても信じて貰えないだろうけど。
コツコツと足音を響かせエニエス・ロビーに上陸する。ルフィが負けたりしたら本当に面倒な羽目になるが…その辺はどうでもいい。俺は俺の目的を果たすだけであって、そこに麦わらの一味は関係ないし。ぶっちゃけ、実家に戻されても構わない。暫くは幽閉されるだろうけど、ロビンと変わらない扱いなんだろうし。
「貴方、何を考えているの」
「…俺の未来のこと。ロビンとは違うかもしれねぇけど…今のままじゃ変わらねぇからな」
どっちにしても自由が無くなるのだから。
俺の考えを他所にフランキーが喚く。「そこが見えねぇ!」って、そりゃそうだ。ここは罪人が通過するための門の1つなんだから。
昔を思い出す。
初めてここに来たのは、確か何十年か前。その当時の元帥や大将が迎えてくれたが名前すら覚えてない。隣には兄貴と、前にはあの男。まだ何も考えられず、ただただ着いて行った記憶がある。
恨まれもした、かけられた言葉は冷たいものであった。それでも兄は、「大丈夫」と微笑み頭を撫でてくれた。
あの記憶の後、ここに来た事は多分ない。覚えている記憶すら曖昧だけど、あの時は確かに救われた。無条件に存在していていいのだと、そう認めて貰った気がしたのだから。
「ーー惚れない方が無理な話だ」
実際俺は、アイツを愛している。紛うことなき本音で、だけど伝えることは出来ない愛だ。言ったとしたら、きっとアイツは一線を越えるだろう。だとしたら一生言えない。
「初めて、そう思った場所だ」
あれから随分経つが俺の気持ちは風化していない。それどころか強くなってきてるのだから自分でも手に負えない。確かそんな時だ、ルフィに出会ったのは。
「何をしているのですか?」
「黙れ。……何も、していない」
ロブ・ルッチの言葉に舌打ちをする。折角の記憶が汚された気さえするのだから。
「契約、忘れるな」
「それはこちらのセリフです、黒姫様」
相変わらず自意識過剰らしい。
俺はただ足元を見つめ、ゆっくりと歩き出す。一歩一歩踏み締めて、過去を捨てるようしっかりとした足取りで。きっと誰も知らない俺の感情。でも確かにココにある。気持ちが見えたならいいのに…でも、見えてしまったのなら言い訳すら出来なくなる。
「ーーどうしたの?」
「別に。……ニコ・ロビン、賭けは俺の勝ちだ。だから俺を認めて、最後まで足掻け」
「あら、足掻く約束はしていないわ」
「物事にはおまけがあるだろ?勝ちは勝ちだ」
「……仕方ないわね」
やれやれ、と聞こえてきそうな反応だ。けれど彼女自身信じられなかったのだろう。自分ごときに…そう思う気持ちは強い。
どっちにしても、サンジが俺の事を放置したのは切ないけどな。まだ仲間じゃないなら仕方ないか。
そんな微妙な感情さえ抱く。信じられるか?黒姫、殺人人形、暗殺者…心のないものと言われ続けてきたこの俺が、たった1人のために複雑な心境になるなんて…。
「ーー参りますよ、黒姫様」
「分かってる。……父様もいる?」
「お兄様なら、何処かにいらっしゃるかも知れませんね」
要するにその程度か。となると、俺がここで自由を無くす確率は低くなる。少しだけ安心すると現実へと目を向ける。
ニコ・ロビンを助けると誓った以上、俺は死んでもロビンを守る。問題はフランキーだ。コレは麦わらの一味じゃないし、助ける必要性はないが……
「ルフィの味方になる奴、だもんな。仕方ねぇ、助けておくか」
頭を抱えて、思わず大きなため息をついた。
「本当に、殺すしかねぇのかもな」
物騒な本音が漏れる。
「貴方、何を言っているの?」
「どう聞いてもワシらの殺害予告じゃな」
カリファとカクの適切な言葉に満面の笑みを見せる。その辺はまぁ、お互いにわかっている事だ。
それにもしプルトンが出来たとしても、俺が破壊するけどな。後々が面倒だし。そしたら全面戦争になりそうだ。
…後はフランキーの説得次第か。ロビンが揺れればいい。
「苦しめばいい」
それでも得られるのなら…と嫉妬が先にたつ。これは、本当に俺の八つ当たりだ。
ついにエニエス・ロビーに着いた。フランキーが海軍に噛み付くが…ロビンは大人しく連行される。手錠は無いものの俺も同じだ。無意味に抵抗する気は無い。
「正門を開けーっ!!」
掛け声と共に門が開く。昔と変わらないその姿に息を吐くが…フランキーは違うらしい。
「滝?どうなってんだよこの島は!!」
「どうって…こうなってるとしか言えないだろ」
「テメェは驚かねぇのか」
「ガキの頃に来てるからな」
俺の言葉にフランキーは驚いたらしい。僅かにではあるが目を丸くし…俺をじっと見る。
「お前、黒姫様に無礼をーー」
「いい、それにその名で呼ばれる方が不快だ」
「黒姫?確かそれってーー」
「ああ、政府の殺人人形の名前だよ」
俺の正体に気付いたらしいフランキーが顔を歪める。確かにいい噂は無いはずだ。殺し回るとか島がひとつ消えるとか、物騒な話しかない。事実だから否定する要素もないけど……今の俺はそれほど攻撃的ではない。言っても信じて貰えないだろうけど。
コツコツと足音を響かせエニエス・ロビーに上陸する。ルフィが負けたりしたら本当に面倒な羽目になるが…その辺はどうでもいい。俺は俺の目的を果たすだけであって、そこに麦わらの一味は関係ないし。ぶっちゃけ、実家に戻されても構わない。暫くは幽閉されるだろうけど、ロビンと変わらない扱いなんだろうし。
「貴方、何を考えているの」
「…俺の未来のこと。ロビンとは違うかもしれねぇけど…今のままじゃ変わらねぇからな」
どっちにしても自由が無くなるのだから。
俺の考えを他所にフランキーが喚く。「そこが見えねぇ!」って、そりゃそうだ。ここは罪人が通過するための門の1つなんだから。
昔を思い出す。
初めてここに来たのは、確か何十年か前。その当時の元帥や大将が迎えてくれたが名前すら覚えてない。隣には兄貴と、前にはあの男。まだ何も考えられず、ただただ着いて行った記憶がある。
恨まれもした、かけられた言葉は冷たいものであった。それでも兄は、「大丈夫」と微笑み頭を撫でてくれた。
あの記憶の後、ここに来た事は多分ない。覚えている記憶すら曖昧だけど、あの時は確かに救われた。無条件に存在していていいのだと、そう認めて貰った気がしたのだから。
「ーー惚れない方が無理な話だ」
実際俺は、アイツを愛している。紛うことなき本音で、だけど伝えることは出来ない愛だ。言ったとしたら、きっとアイツは一線を越えるだろう。だとしたら一生言えない。
「初めて、そう思った場所だ」
あれから随分経つが俺の気持ちは風化していない。それどころか強くなってきてるのだから自分でも手に負えない。確かそんな時だ、ルフィに出会ったのは。
「何をしているのですか?」
「黙れ。……何も、していない」
ロブ・ルッチの言葉に舌打ちをする。折角の記憶が汚された気さえするのだから。
「契約、忘れるな」
「それはこちらのセリフです、黒姫様」
相変わらず自意識過剰らしい。
俺はただ足元を見つめ、ゆっくりと歩き出す。一歩一歩踏み締めて、過去を捨てるようしっかりとした足取りで。きっと誰も知らない俺の感情。でも確かにココにある。気持ちが見えたならいいのに…でも、見えてしまったのなら言い訳すら出来なくなる。
「ーーどうしたの?」
「別に。……ニコ・ロビン、賭けは俺の勝ちだ。だから俺を認めて、最後まで足掻け」
「あら、足掻く約束はしていないわ」
「物事にはおまけがあるだろ?勝ちは勝ちだ」
「……仕方ないわね」
やれやれ、と聞こえてきそうな反応だ。けれど彼女自身信じられなかったのだろう。自分ごときに…そう思う気持ちは強い。
どっちにしても、サンジが俺の事を放置したのは切ないけどな。まだ仲間じゃないなら仕方ないか。
そんな微妙な感情さえ抱く。信じられるか?黒姫、殺人人形、暗殺者…心のないものと言われ続けてきたこの俺が、たった1人のために複雑な心境になるなんて…。
「ーー参りますよ、黒姫様」
「分かってる。……父様もいる?」
「お兄様なら、何処かにいらっしゃるかも知れませんね」
要するにその程度か。となると、俺がここで自由を無くす確率は低くなる。少しだけ安心すると現実へと目を向ける。
ニコ・ロビンを助けると誓った以上、俺は死んでもロビンを守る。問題はフランキーだ。コレは麦わらの一味じゃないし、助ける必要性はないが……
「ルフィの味方になる奴、だもんな。仕方ねぇ、助けておくか」
頭を抱えて、思わず大きなため息をついた。