第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ただいま」
「おかえりなさい」
先頭車両に戻るとロビンが出迎えてくれる。多方退屈だったんだろう。
「外にでも出たの?」
「ああ、見たいモノがあったから」
「どうぞ?」
ロビンが渡してくれたタオルで髪を拭くと座席に腰を下ろす。今の会話で何があったのか粗方想像ついたらしいロビンは、顔を少しだけ伏せる。感じることもあるんだろ。だいたい想像はつくけども。
「ロビン、無理はするなよ」
「ええ、分かっているわ」
どうだか。俺たちみたいのは隠すのが上手い。そしてそれが当たり前だと思っている。本当に不器用な生き方だ。…味方がいなかったから、頼り方も分からなかった。
はぁ。その性分が一朝一夕で治るとは思わない。俺も気長に付き合っていくしかないと、ふと思った。
窓の外にウソップがいる。まぁなんと言うか…雨の中ご苦労なこって。いそいそと室内に入るが…何となく慣れてる感じだな。
「どういうこと?なぜ貴方がここにいるの?どうやって乗り込んだの?」
「ははははは…そう質問攻めにされたのでは答えようがないな。少し落ち着きたまえ。そうだ、珈琲でも入れようか」
「ふざけないで」
「ーーこれ、本気だったら面倒だよなぁ」
思わず本音、の瞬間ロビンに睨まれる。いや、だって可能性高いだろ?噂に名高いウソップだぜ?阿呆だもん、頭がいいとしても。
「いったいーー」
「初めまして、私は狙撃の王様そげキングだ。色々話すと長くなるが、君を助けに来た」
「長鼻くん…」
いや、ほんとバレバレだって。立ち上がった俺は2車両目との通路へ向かう。いや、バレたら後味悪いだろ。シリアスなシーンをぶち壊すこともないし。…ぶち壊すことしか出来ねぇし?またロビンに怒られそうだ。
「私だけでなない。この列車内で今、サンジくんとフランキーというチンピラが暴れている。私はその隙をついてここへ来た。更にルフィくん達も、もう1隻の海列車でこの線路を追いかけてきている。何やら大人数を引き連れてね」
ほら、賭けは俺の勝ちじゃん。なんて得意になっているとロビンに睨まれた。美人に睨まれても怖くない…と言いたい所だけど我慢しとこう。これ以上人間関係崩しても面倒だしな。
それにしてもウソップの仮面は変な仮面だ。これ、ひっぺがしたら怒られるかな…解体屋じゃないけど、どうなっているのかは気になったりする。ウソップの手作りか?たしかに器用そうだ。
「さっき窓の外からここに来る時に覗いたんだが、この後ろの車両にいる4人組、正直ヤバい奴らだ。
サンジくんが奴らとぶつかる前に君を救出出来ればそれに越したことはないのだ。ーーさぁ逃げよう。私と共に」
ロビンの目に何か映る。その気配はきっと、恐れだ。俺と同じ、だけど違う恐怖。だけど、理解は出来る。……あーあ、ロビンがまた頑なになっちまった。けど…そうだよな。命をかけて守ると誓ったんだ。そう簡単に受け入れる訳には行かない。
「どうした?案ずることは無い。手筈はちゃんと整えてある。これが、君の分のオクトパクツだ。両手両足にはめれば、窓から出て海列車の外板に張り付くことが出来る。さぁ、気づかれる前にーー」
「え、俺のは?」
「お前いらないだろ!さっきも出てたし!!」
偉いツッコミだな。えー、麦わらの一味って俺の事どう思ってんの?まぁいいけど。必要ないのは事実だし。
「ーー待って」
「待って?」
「どうしてそんなことに…私は貴方たちにハッキリとお別れを言ったはずよ。私はもう二度と一味には戻らない!」
「……君がそう言い張る理由も、全て彼らは知っている。造船所のアイスのおっさんが何もかも明らかにしたそうだ」
「っ、あの人、無事だったの?……いいえ、それでも私は…貴方たちの元へは……」
「何をごちゃごちゃと…まだ分かんねぇのか!お前が心配する程、アイツらヤワじゃねぇんだ!そんなくだらねぇ駆け引きに乗る前に、本当は1番に話して欲しかったんだ!」
「ーーふざっけんなよ!テメェ、何様のつもりだ?何がくだらない?心配する程ヤワじゃ無い?根拠はなんだ、テメェはーー仲間が本気で悩んで出した答えを、馬鹿にする権利があんのかよ!」
分かってる、ウソップはそんなつもりで言ってはいない。けれどそれは身勝手すぎる。そんな言い方だと…ロビンが1人で悩んだ事を、無駄だと言っているのと変わらないのだから。
「っ、それは……」
「アンタの言いたいことは分かるぜ、けどな…お前は今この場をひっくり返す力はない。それは、俺にもないしロビンにもない。…それをしたらお前……ルフィに怒られるぞ」
この話を聞いたらルフィは怒る。それはロビンに対しても、きっとウソップに対してもだ。そして俺に対しては…もっと怒ってるだろうな。本当はこの場をひっくり返せるのにしないんだから。…いや、そこは怒らないか。やり方が間違ってるとは言われそうだ。
「それでも!!……お前らは、仲間の犠牲の上に生かされて、アイツらが喜ぶとでも思ってんのか!ロビンが一味をぬけた理由を知った以上、アイツらは地獄の底まで追い掛けて、ロビンの敵をぶちのめすぞ。お前は、まだルフィって男を分かってねぇんだ」
ウソップの激情が、ロビンの心に響く。段々と氷の仮面が禿げていく姿を、俺は見ていた。
「おかえりなさい」
先頭車両に戻るとロビンが出迎えてくれる。多方退屈だったんだろう。
「外にでも出たの?」
「ああ、見たいモノがあったから」
「どうぞ?」
ロビンが渡してくれたタオルで髪を拭くと座席に腰を下ろす。今の会話で何があったのか粗方想像ついたらしいロビンは、顔を少しだけ伏せる。感じることもあるんだろ。だいたい想像はつくけども。
「ロビン、無理はするなよ」
「ええ、分かっているわ」
どうだか。俺たちみたいのは隠すのが上手い。そしてそれが当たり前だと思っている。本当に不器用な生き方だ。…味方がいなかったから、頼り方も分からなかった。
はぁ。その性分が一朝一夕で治るとは思わない。俺も気長に付き合っていくしかないと、ふと思った。
窓の外にウソップがいる。まぁなんと言うか…雨の中ご苦労なこって。いそいそと室内に入るが…何となく慣れてる感じだな。
「どういうこと?なぜ貴方がここにいるの?どうやって乗り込んだの?」
「ははははは…そう質問攻めにされたのでは答えようがないな。少し落ち着きたまえ。そうだ、珈琲でも入れようか」
「ふざけないで」
「ーーこれ、本気だったら面倒だよなぁ」
思わず本音、の瞬間ロビンに睨まれる。いや、だって可能性高いだろ?噂に名高いウソップだぜ?阿呆だもん、頭がいいとしても。
「いったいーー」
「初めまして、私は狙撃の王様そげキングだ。色々話すと長くなるが、君を助けに来た」
「長鼻くん…」
いや、ほんとバレバレだって。立ち上がった俺は2車両目との通路へ向かう。いや、バレたら後味悪いだろ。シリアスなシーンをぶち壊すこともないし。…ぶち壊すことしか出来ねぇし?またロビンに怒られそうだ。
「私だけでなない。この列車内で今、サンジくんとフランキーというチンピラが暴れている。私はその隙をついてここへ来た。更にルフィくん達も、もう1隻の海列車でこの線路を追いかけてきている。何やら大人数を引き連れてね」
ほら、賭けは俺の勝ちじゃん。なんて得意になっているとロビンに睨まれた。美人に睨まれても怖くない…と言いたい所だけど我慢しとこう。これ以上人間関係崩しても面倒だしな。
それにしてもウソップの仮面は変な仮面だ。これ、ひっぺがしたら怒られるかな…解体屋じゃないけど、どうなっているのかは気になったりする。ウソップの手作りか?たしかに器用そうだ。
「さっき窓の外からここに来る時に覗いたんだが、この後ろの車両にいる4人組、正直ヤバい奴らだ。
サンジくんが奴らとぶつかる前に君を救出出来ればそれに越したことはないのだ。ーーさぁ逃げよう。私と共に」
ロビンの目に何か映る。その気配はきっと、恐れだ。俺と同じ、だけど違う恐怖。だけど、理解は出来る。……あーあ、ロビンがまた頑なになっちまった。けど…そうだよな。命をかけて守ると誓ったんだ。そう簡単に受け入れる訳には行かない。
「どうした?案ずることは無い。手筈はちゃんと整えてある。これが、君の分のオクトパクツだ。両手両足にはめれば、窓から出て海列車の外板に張り付くことが出来る。さぁ、気づかれる前にーー」
「え、俺のは?」
「お前いらないだろ!さっきも出てたし!!」
偉いツッコミだな。えー、麦わらの一味って俺の事どう思ってんの?まぁいいけど。必要ないのは事実だし。
「ーー待って」
「待って?」
「どうしてそんなことに…私は貴方たちにハッキリとお別れを言ったはずよ。私はもう二度と一味には戻らない!」
「……君がそう言い張る理由も、全て彼らは知っている。造船所のアイスのおっさんが何もかも明らかにしたそうだ」
「っ、あの人、無事だったの?……いいえ、それでも私は…貴方たちの元へは……」
「何をごちゃごちゃと…まだ分かんねぇのか!お前が心配する程、アイツらヤワじゃねぇんだ!そんなくだらねぇ駆け引きに乗る前に、本当は1番に話して欲しかったんだ!」
「ーーふざっけんなよ!テメェ、何様のつもりだ?何がくだらない?心配する程ヤワじゃ無い?根拠はなんだ、テメェはーー仲間が本気で悩んで出した答えを、馬鹿にする権利があんのかよ!」
分かってる、ウソップはそんなつもりで言ってはいない。けれどそれは身勝手すぎる。そんな言い方だと…ロビンが1人で悩んだ事を、無駄だと言っているのと変わらないのだから。
「っ、それは……」
「アンタの言いたいことは分かるぜ、けどな…お前は今この場をひっくり返す力はない。それは、俺にもないしロビンにもない。…それをしたらお前……ルフィに怒られるぞ」
この話を聞いたらルフィは怒る。それはロビンに対しても、きっとウソップに対してもだ。そして俺に対しては…もっと怒ってるだろうな。本当はこの場をひっくり返せるのにしないんだから。…いや、そこは怒らないか。やり方が間違ってるとは言われそうだ。
「それでも!!……お前らは、仲間の犠牲の上に生かされて、アイツらが喜ぶとでも思ってんのか!ロビンが一味をぬけた理由を知った以上、アイツらは地獄の底まで追い掛けて、ロビンの敵をぶちのめすぞ。お前は、まだルフィって男を分かってねぇんだ」
ウソップの激情が、ロビンの心に響く。段々と氷の仮面が禿げていく姿を、俺は見ていた。