第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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ガタゴトと音を立てて海列車は走る。アクアラグナで荒れた海をものともせず、ただただ人を送り届けるために。
先程まで眠っていたロビンが目を開ける。にっこりと微笑んでから隣に座ると、彼女の目が穏やかになる。
「おはよう、ニコ・ロビン」
「ええ、おはよう」
時刻で言えば夜、だからこの挨拶は正しくはないが…ニコ・ロビンはそう言ってくれる。それはきっと、見たからだろう。かつての、何かを。
…ちなみに俺は何もしてない。ってことは、兄貴が近くにいて介入してんだろうな。俺にとって彼女が必要だと判断した、俺の味方だと。
「何を、見た?」
「…夢よ。覚えていないわ、けれど…優しかった。悲しくて、優しい夢、だった気がするわ」
「そう、か」
ルフィとの出会いだろうか、それとも初めて空を見た日…それか、兄貴の記憶……思わず顔が歪み舌打ちする。確かに兄貴の性格で言えば、勝手に俺の記憶を見せたり…
「しねぇな、絶対」
自分で言うのもなんだけど、兄貴は俺の事が大好きだから。他人が俺と深く付き合うのは嫌がるだろう。
まぁ、いい。本人が目の前にいないのにそこに関与しても…疲れるだけだ。
「ルフィが来る。用意しとけよ、姫」
空が荒れてる。同時に列車内は少し騒がしくなっている。何かあったんだろうけど、あんま気にしたくねぇなぁ。……耳に入るけど。どうやら隠す気はあまりないらしい。
「ーー誰か、捕らえられたらしいわね」
「だいたい想像着くけどな。ま、囚われの身だからいーんじゃね、対処しなくても」
「慣れてるわね」
まぁ、何年も暗殺者なんて家業やってればな。やりたくてやってた訳じゃないけど、殺りたくてやってはしたな、うん。暇ついでに言葉遊びに興じてみる。
「ーー貴方、最低ね」
どうやらニコ・ロビンには思ったことが聞こえたらしい。…いいじゃん暇なんだから。 なんて、言葉にしても怒られそうだから肩を竦めとく。
「お前は、仲間が好きなんだな」
「ええ、それは貴方と同じね。…隠す必要がないって、楽でいいわ」
「同感」
確かに俺たちは似たようなモノだ。だから同族嫌悪もするんだろう。
「俺は、お前を守るから…不安がるな」
「あら、熱烈な告白ね。…でももういいの。エニエス・ロビーに行くと決めた時から、私の気持ちは決まっているから」
「いや、俺ごめんなんですけど。ニコ・ロビンがエニエス・ロビーに行くってことは、俺が強制的に実家に戻されるってことだろ?ごめんだごめん。死んだ方がまだマシ。ぜーったい体罰だろ、再教育だろ?洗脳とか人格破壊とか、さすがにメニューが濃すぎる」
「素敵なご家庭で育ったのね」
俺のボヤキをその一言で片付けるか。いいけど。俺の予定としても戻ることは無いからさ。
不意に後ろの列車から音が聞こえる。と言っても、気になるほどの音ではない。波とは違う振動が、身体を伝う。取り敢えず、逃げる準備だけはしておこうか。
「俺の荷物、返せよ」
「いえ、あの…それは……」
「制御剤、入ってんだよ。使わなかったら好き勝手暴れるだけだぜ?」
「そ、れは…」
「早くしろ。ああなったら自制効かねぇし」
「はっ!ただいま!」
ちょっとだけ殺気を込めれば従順になってくれる…ホント楽で助かる。すぐに俺の荷物が手元に届いた。中から取り出した薬を、単位を20にして追加打ちする。
「それは、何かしら?」
「これ?…人の動きや考えを鈍くする悪魔のお薬。こっちは俺を活動停止にする薬…」
「特殊な薬が必要なのね」
「体質なんだよ、俺の。厄介な所が多いけどな」
強さで作られた俺は、戦場のみで言えば弱い所がない。お陰で日常生活ではオーバーヒートとかしょっちゅうあるから、予防しておかないとただのゴミクズになってしまう。ま、この辺もドクトルが暇になってから詳しく説明しとかないとか。それも面倒だけど。…どちらにしても、ここから出ないとだもんな。しばらくは無理そうだし。
「後ろ、見てくる」
「え?…ええ」
ニコ・ロビンの戸惑った表情に苦笑すると軽く手を振って歩き出す。カツカツと足音をさせながら1つ後ろの列車に向かうと、そこにはCP9が揃っていた。
「どうしました、黒姫様」
「だから、その名で呼ぶな。学習能力がない。殺して欲しいの?」
「失礼しました。ーー何処かに?」
「散歩。構わないでしょ」
「ええ、ですが戻って来てくださいね」
「当然」
現役時代の服を着てるせいか言葉も戻ってる…ったく、自分の弱さにはつくづく反吐が出るぜ。人間らしくていいとは思うけど。
CP9がいる車両を後にしゆっくり先に進む。驚いた人も多いらしいけど襲っては来ない。この分だと情報は行ってるらしいな。無駄な争いは起きないだろうから助かるけど。
何人いるんだか知らないけど、かなりの人数が乗り込んでる。今回の作戦にいくら動いてるのか…金額が気になるな。ま、アイツが関わってるなら億も超えるだろうけど。…ナミが聞いたらキレそうだよな。俺も、昔は結構貰ってたし。……昔は、だけど。
先程まで眠っていたロビンが目を開ける。にっこりと微笑んでから隣に座ると、彼女の目が穏やかになる。
「おはよう、ニコ・ロビン」
「ええ、おはよう」
時刻で言えば夜、だからこの挨拶は正しくはないが…ニコ・ロビンはそう言ってくれる。それはきっと、見たからだろう。かつての、何かを。
…ちなみに俺は何もしてない。ってことは、兄貴が近くにいて介入してんだろうな。俺にとって彼女が必要だと判断した、俺の味方だと。
「何を、見た?」
「…夢よ。覚えていないわ、けれど…優しかった。悲しくて、優しい夢、だった気がするわ」
「そう、か」
ルフィとの出会いだろうか、それとも初めて空を見た日…それか、兄貴の記憶……思わず顔が歪み舌打ちする。確かに兄貴の性格で言えば、勝手に俺の記憶を見せたり…
「しねぇな、絶対」
自分で言うのもなんだけど、兄貴は俺の事が大好きだから。他人が俺と深く付き合うのは嫌がるだろう。
まぁ、いい。本人が目の前にいないのにそこに関与しても…疲れるだけだ。
「ルフィが来る。用意しとけよ、姫」
空が荒れてる。同時に列車内は少し騒がしくなっている。何かあったんだろうけど、あんま気にしたくねぇなぁ。……耳に入るけど。どうやら隠す気はあまりないらしい。
「ーー誰か、捕らえられたらしいわね」
「だいたい想像着くけどな。ま、囚われの身だからいーんじゃね、対処しなくても」
「慣れてるわね」
まぁ、何年も暗殺者なんて家業やってればな。やりたくてやってた訳じゃないけど、殺りたくてやってはしたな、うん。暇ついでに言葉遊びに興じてみる。
「ーー貴方、最低ね」
どうやらニコ・ロビンには思ったことが聞こえたらしい。…いいじゃん暇なんだから。 なんて、言葉にしても怒られそうだから肩を竦めとく。
「お前は、仲間が好きなんだな」
「ええ、それは貴方と同じね。…隠す必要がないって、楽でいいわ」
「同感」
確かに俺たちは似たようなモノだ。だから同族嫌悪もするんだろう。
「俺は、お前を守るから…不安がるな」
「あら、熱烈な告白ね。…でももういいの。エニエス・ロビーに行くと決めた時から、私の気持ちは決まっているから」
「いや、俺ごめんなんですけど。ニコ・ロビンがエニエス・ロビーに行くってことは、俺が強制的に実家に戻されるってことだろ?ごめんだごめん。死んだ方がまだマシ。ぜーったい体罰だろ、再教育だろ?洗脳とか人格破壊とか、さすがにメニューが濃すぎる」
「素敵なご家庭で育ったのね」
俺のボヤキをその一言で片付けるか。いいけど。俺の予定としても戻ることは無いからさ。
不意に後ろの列車から音が聞こえる。と言っても、気になるほどの音ではない。波とは違う振動が、身体を伝う。取り敢えず、逃げる準備だけはしておこうか。
「俺の荷物、返せよ」
「いえ、あの…それは……」
「制御剤、入ってんだよ。使わなかったら好き勝手暴れるだけだぜ?」
「そ、れは…」
「早くしろ。ああなったら自制効かねぇし」
「はっ!ただいま!」
ちょっとだけ殺気を込めれば従順になってくれる…ホント楽で助かる。すぐに俺の荷物が手元に届いた。中から取り出した薬を、単位を20にして追加打ちする。
「それは、何かしら?」
「これ?…人の動きや考えを鈍くする悪魔のお薬。こっちは俺を活動停止にする薬…」
「特殊な薬が必要なのね」
「体質なんだよ、俺の。厄介な所が多いけどな」
強さで作られた俺は、戦場のみで言えば弱い所がない。お陰で日常生活ではオーバーヒートとかしょっちゅうあるから、予防しておかないとただのゴミクズになってしまう。ま、この辺もドクトルが暇になってから詳しく説明しとかないとか。それも面倒だけど。…どちらにしても、ここから出ないとだもんな。しばらくは無理そうだし。
「後ろ、見てくる」
「え?…ええ」
ニコ・ロビンの戸惑った表情に苦笑すると軽く手を振って歩き出す。カツカツと足音をさせながら1つ後ろの列車に向かうと、そこにはCP9が揃っていた。
「どうしました、黒姫様」
「だから、その名で呼ぶな。学習能力がない。殺して欲しいの?」
「失礼しました。ーー何処かに?」
「散歩。構わないでしょ」
「ええ、ですが戻って来てくださいね」
「当然」
現役時代の服を着てるせいか言葉も戻ってる…ったく、自分の弱さにはつくづく反吐が出るぜ。人間らしくていいとは思うけど。
CP9がいる車両を後にしゆっくり先に進む。驚いた人も多いらしいけど襲っては来ない。この分だと情報は行ってるらしいな。無駄な争いは起きないだろうから助かるけど。
何人いるんだか知らないけど、かなりの人数が乗り込んでる。今回の作戦にいくら動いてるのか…金額が気になるな。ま、アイツが関わってるなら億も超えるだろうけど。…ナミが聞いたらキレそうだよな。俺も、昔は結構貰ってたし。……昔は、だけど。