第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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目が覚めた時には海列車に乗り込んでいた。いかんいかん、少し長く夢を見てた、か。
「お目覚めかしら」
「ああ」
隣にいたニコ・ロビンが声をかける。随分暇そうだな、本でもあればよかったか。小さく欠伸をして身体を伸ばす。夢のせいか疲れは取れてないけど、まぁ問題は無い。
「で、ルフィ達は出航出来たのか?」
「さぁ。あれから情報は来てない」
「そ。ならまだ死んじゃいねぇな。これは、エニエス・ロビー行きだろ?」
「ええ」
じゃあその後俺を引き渡そうとしてんのか。ま、どっちにしろ自分たちが負けるって想像はしていないだろうから…付け入るならその隙か。それまでは何も起こらないだろうし、エニエス・ロビーに着くまでは暇になりそうだ。
「貴方は、何者なのかしら」
「え?市民の味方、何でも屋のミョウジ・ナマエですよ?」
「嘘くさいわ」
「ーーだいたい予想付いてんだろ」
少しキツめに言ったら黙った。ありがたい話だ。それに、実家の話とか出来るだけしたくない。オハラに関わってるから、尚更。…後ろめたいってだけなんだけど。
近くにいた監視の政府に服を差し出される。明らかに女物、しかも俺が現役時代に着てた服に酷似している。…着ろってか。いやだっての。
「お身内様に、黒姫様と分かって頂くための処置だそうです」
「あーも、ったく…わーった、着とくから出て……かねぇよな。別の部屋用意しとけ、行ってやるから…ってか、その程度の用意はしてあるんだろ」
「はい、こちらに…」
手際が良過ぎる…。ロビンに手を振って役人について行くと、次の瞬間首に刃物を突きつけられた。恐らくロビンに聞かれたくない話でもあるんだろう。ってか、大人しくしてんじゃん。酷いやつだ。
「何」
「お兄様から伝言です。『暫くしたら行く、待ってろ』と」
「じゃあ『必要物品だけ輸送しやがれ』って伝えといて」
「そんなっ!!」
この男にとっちゃ死活問題だろうけどそんなの知ったこっちゃない。ってか、俺だって嫌な思いしてるんだからさ。多少の嫌がらせは許されるだろうし、兄貴なら命まで取らないと思うし。ってか、刃物突きつけられるって恐怖でしかないだろ。人に刃物を向けては行けません、って学校で習わなかったのか?
持ってこられた服を持ち、個室へ入る。着ていた服を脱いで床に落とし、新たな服に袖を通す。この感覚、少しだけ昔を思い出して嫌だな。ま、基本が戦闘狂なのは変わらないんだけど。
着させられたのは東洋の着物を象った服だ。袖が長く“フリソデ”と呼ばれるもの…の、裾をこれでもかってくらい短くしたものだ。これを選んだのは裾が短いおかげで動きやすいってのと、袖が長いお陰で死角が多いって2点に尽きる。子供の頃ならいいけどな。今の俺が着ても…似合うとは思わない。似合わせるならできるけどな。別人になっちまう。
はぁ、と何度かため息を吐いて更衣室を出る。外で待っていた政府の人間に座席に誘われ、強制的に髪を降ろされ丁寧に梳かれる。…おい、だからなんだこの全く望まない展開は。ってか、俺の扱い酷すぎないか?これで優遇してるつもりなのか?…さすがにキレそうになる。
…そういや、殺したいやつは殺していいって話だったよな、なんて危険な考えに至る前に男は立ち上がりニコ・ロビンがいる車両へと俺を連れ込んだ。
「ーー一瞬、誰かと思ったわ」
「着せ替え人形にさせられてんだよ」
「まぁ、それは…大変ね。嫌味なら馬子にも衣装、とでも言うべきなんでしょうけれど…本当にお似合いよ」
いらない評価どーも。それ、褒め言葉になってないから。せめてもの救いは着物の下にタイツを与えられたことだ。オリジナルは違うんだけど、さすがに政府も考えたか。ほっとはするが履いているのは太ももまで長さがあるブーツだ。…絶対領域だけは回避出来た、嬉しい。…こんな事でも喜ばなきゃいけないなんて囚人になるもんじゃねぇな。
「本当に、服だけで随分変わるのね」
「一応、女用の所作 に変えてるからな」
人間は第一印象が強いから歩き方程度の初期情報を与えれば女と思う筈だ。…いや、女だと思われてもいいけど。性別不明だし、なんてヤケになってみる。
船に波が当たったのか大きく揺れる。アクアラグナ、か。俺にとっては懐かしい荒れた海だ。
「……ルフィ達、遅いよな」
「ルフィは、来ない」
「いや、来るぜ。賭けてもいい、俺が勝ったら俺を認めろ」
「ーー私に損は無いわね。いいわ」
本当は怖いくせに、そんな強がんなよ。ニコ・ロビン自身も気付いてないだろう、その方が僅かに揺れるのを。怖いんだ、拒否されるのが。「お前なんか仲間じゃない」そう言われることが、震えるくらい怖い。
「ーー少し、眠れ」
「そうするわ」
俺の言葉を理解する前に、反射的に言葉を呟いたニコ・ロビンはすぐに眠りについた。
「お目覚めかしら」
「ああ」
隣にいたニコ・ロビンが声をかける。随分暇そうだな、本でもあればよかったか。小さく欠伸をして身体を伸ばす。夢のせいか疲れは取れてないけど、まぁ問題は無い。
「で、ルフィ達は出航出来たのか?」
「さぁ。あれから情報は来てない」
「そ。ならまだ死んじゃいねぇな。これは、エニエス・ロビー行きだろ?」
「ええ」
じゃあその後俺を引き渡そうとしてんのか。ま、どっちにしろ自分たちが負けるって想像はしていないだろうから…付け入るならその隙か。それまでは何も起こらないだろうし、エニエス・ロビーに着くまでは暇になりそうだ。
「貴方は、何者なのかしら」
「え?市民の味方、何でも屋のミョウジ・ナマエですよ?」
「嘘くさいわ」
「ーーだいたい予想付いてんだろ」
少しキツめに言ったら黙った。ありがたい話だ。それに、実家の話とか出来るだけしたくない。オハラに関わってるから、尚更。…後ろめたいってだけなんだけど。
近くにいた監視の政府に服を差し出される。明らかに女物、しかも俺が現役時代に着てた服に酷似している。…着ろってか。いやだっての。
「お身内様に、黒姫様と分かって頂くための処置だそうです」
「あーも、ったく…わーった、着とくから出て……かねぇよな。別の部屋用意しとけ、行ってやるから…ってか、その程度の用意はしてあるんだろ」
「はい、こちらに…」
手際が良過ぎる…。ロビンに手を振って役人について行くと、次の瞬間首に刃物を突きつけられた。恐らくロビンに聞かれたくない話でもあるんだろう。ってか、大人しくしてんじゃん。酷いやつだ。
「何」
「お兄様から伝言です。『暫くしたら行く、待ってろ』と」
「じゃあ『必要物品だけ輸送しやがれ』って伝えといて」
「そんなっ!!」
この男にとっちゃ死活問題だろうけどそんなの知ったこっちゃない。ってか、俺だって嫌な思いしてるんだからさ。多少の嫌がらせは許されるだろうし、兄貴なら命まで取らないと思うし。ってか、刃物突きつけられるって恐怖でしかないだろ。人に刃物を向けては行けません、って学校で習わなかったのか?
持ってこられた服を持ち、個室へ入る。着ていた服を脱いで床に落とし、新たな服に袖を通す。この感覚、少しだけ昔を思い出して嫌だな。ま、基本が戦闘狂なのは変わらないんだけど。
着させられたのは東洋の着物を象った服だ。袖が長く“フリソデ”と呼ばれるもの…の、裾をこれでもかってくらい短くしたものだ。これを選んだのは裾が短いおかげで動きやすいってのと、袖が長いお陰で死角が多いって2点に尽きる。子供の頃ならいいけどな。今の俺が着ても…似合うとは思わない。似合わせるならできるけどな。別人になっちまう。
はぁ、と何度かため息を吐いて更衣室を出る。外で待っていた政府の人間に座席に誘われ、強制的に髪を降ろされ丁寧に梳かれる。…おい、だからなんだこの全く望まない展開は。ってか、俺の扱い酷すぎないか?これで優遇してるつもりなのか?…さすがにキレそうになる。
…そういや、殺したいやつは殺していいって話だったよな、なんて危険な考えに至る前に男は立ち上がりニコ・ロビンがいる車両へと俺を連れ込んだ。
「ーー一瞬、誰かと思ったわ」
「着せ替え人形にさせられてんだよ」
「まぁ、それは…大変ね。嫌味なら馬子にも衣装、とでも言うべきなんでしょうけれど…本当にお似合いよ」
いらない評価どーも。それ、褒め言葉になってないから。せめてもの救いは着物の下にタイツを与えられたことだ。オリジナルは違うんだけど、さすがに政府も考えたか。ほっとはするが履いているのは太ももまで長さがあるブーツだ。…絶対領域だけは回避出来た、嬉しい。…こんな事でも喜ばなきゃいけないなんて囚人になるもんじゃねぇな。
「本当に、服だけで随分変わるのね」
「一応、女用の
人間は第一印象が強いから歩き方程度の初期情報を与えれば女と思う筈だ。…いや、女だと思われてもいいけど。性別不明だし、なんてヤケになってみる。
船に波が当たったのか大きく揺れる。アクアラグナ、か。俺にとっては懐かしい荒れた海だ。
「……ルフィ達、遅いよな」
「ルフィは、来ない」
「いや、来るぜ。賭けてもいい、俺が勝ったら俺を認めろ」
「ーー私に損は無いわね。いいわ」
本当は怖いくせに、そんな強がんなよ。ニコ・ロビン自身も気付いてないだろう、その方が僅かに揺れるのを。怖いんだ、拒否されるのが。「お前なんか仲間じゃない」そう言われることが、震えるくらい怖い。
「ーー少し、眠れ」
「そうするわ」
俺の言葉を理解する前に、反射的に言葉を呟いたニコ・ロビンはすぐに眠りについた。