第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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「この後、どうなるのかしら?」
ニコ・ロビンの問い掛けに首を傾げる。そんな当たり前のこと、なぜ聞くんだろう。
「まず、爆発は止められねぇだろ。ルフィもゾロも怪我したみたいだし…時間もないから勝ち目はねぇかな。となると、アイスバーグもパウリーも殺される…」
保険はかけてきたけど、その保険もどこまで通用するのかは微妙…ってなると、不確定要素を何処まで残せてきたかが鍵になりそうだ。
「どうにかなる確率、は…あっても60%、まだ不確定すぎるしルフィ達が気付くかどうかすらわからない。でも、ルフィ達は生きてニコ・ロビンを取り戻しに来るだろうな」
「……私を。お別れを言った、こんな私を…」
「俺のことは放置だな。忘れられてる可能性も高いし。…ま、どうにかなるけど」
「貴方、可哀想なのね」
「信用されてるんじゃねぇの?あと俺、キャラ薄いから」
「キャラが薄い、という意味をしっかり学んだ方がいいわ」
どうやらニコ・ロビンは俺には辛辣なようだ。別にいいけど。
コツコツと高い音をさせて歩く。好きなのはブーツだけど、暑い時はサンダルだよな。立ち止まり、足元に金色のコインを置く。…ナミが見逃さなければいい。ついでにその隣に俺が改良したでんでん虫を2つ置くと、指定された駅に足を運ぶ。とりあえず今は暇なんだよなー。
それなら、と目を閉じる。すぐに意識が飛び始めるが足は勝手にニコ・ロビンへ着いていく。
「……何してるのかしら」
「取り敢えず寝るから。…着いてくから気にすんな」
「自由人ね」
ニコ・ロビンの呟きは既に俺の耳には届かなかった。
見る夢は過去。俺を創った女が持っていた能力のひとつ。何があっても、力があっても手が出せない…ある意味の、地獄。
入口はいつも。1面白い花が咲いた、広場だ。小さな子供達が、楽しそうに笑い声をあげて走り回る。ただその姿には触れられない。
『ーーおかえりなさい』
美しい、白い少女が微笑んで俺を出迎える。この場では彼女だけ、俺に関わることが出来る。……大嫌いで、大好きな…女。
『では、参りましょうか』
俺は答えることなくただ頷いて着いて行った。
「ーーほんと、変な人」
確かに寝ているのにしっかりとした足取りで私に着いてくる。本当に寝ているのか疑問になるくらい。呼吸は浅く、深く。眠っていないとしても問題は無いのだけれど。
1度攻撃をしかけてみたけど、綺麗に交わしたから殺す事はまず不可能ね。それにしてもあの動き…普段は抑えているのかしら。人間離れしていたもの。
ルフィの仲間、なのかしら。この人は一体…。
「2つ名、ミョウジ・ナマエ。職業、何でも屋…殺しでも、暗殺でも暗躍でも文字通り何でも請け負う。達成率、100%…依頼人の失踪率も80%と言われる…」
知っている情報を上げてみても結局正体は分からない。逆に、謎を増やしている気さえする。
まあいいわ。ルフィ達とも、もう会うことはないのだから。
「……これは」
『カティ・フラムの過去。彼とアイスバーグ、魚人トム…そして、スパンダム』
「その名前、聞いたことないな」
目の前を映るのは幼いフランキーとアイスバーグ、トムと呼ばれる船大工…ココロ。楽しそうな日常が一変、政府の陰謀に揺れる。いつの時代も、正義と名がつく暴行は変わらない。創り上げた自分の船を利用され、大切な人を傷付け…その悲しみの裏でプルトンの設計図を奪おうとする。大義の為なら何をしてもいいのか!抑える必要が無い俺は、感情を昂らせる。
「だから、嫌いなんだよ!」
『そう、貴方は昔からそうだった…けれど、それが現実。疲れたのなら、ここで休んでお行きなさい』
「いやだね。俺は、あんたとは違う」
甘言に惑わされたりはしない。事実の重みはきちんと…この身で受け止める。
続いて流れてきたのは島を焼き尽くす、炎。戦争の後か…又はその最中か。どちらだとしてもかなりの人数が死んだだろう。
『ここはオハラ。バスターコードが出された島』
「あー、思い出した。ニコ・オリビアが居たとこか」
『そう、そして彼女はーー』
「ニコ・ロビンの母親だろ?そっくりだぜ、気の強さも」
ふっと思い出す。けれどその記憶も古く曖昧だ。確か俺も、オハラの殲滅に行ったのでは無かったか。通りでニコ・ロビンが冷たい訳だ。妙に納得する。
『オハラの悲劇…見て、行きますか?』
「当然だろ」
俺は考えることなく彼女に答えた。
映像は酷いものだった。沢山の人が焼ける匂い、人の脂で赤く燃える炎。聞こえる悲鳴に子供の鳴き声、助けを求める悲痛な、声…声、声ーー。
慣れている俺でも胸糞悪くなる…文字通りの地獄だ。
「ーー俺も創り出した方か」
関わっている人間なら、知らなかったなどと無責任なことは言えない。
目の前に小さな女の子が走ってきた。歳の頃5歳くらいだろうか。大泣きをして母親を探している。ニコ・ロビンではない、少女。そこに現れたのはーー舌打ちし、覆いたくなる顔を上げる。涙は流れない、がこの惨状を作り出したのは俺だ。
……悪かった、申し訳ない、ごめんなさい…どれをとっても自分のためにしかならない言葉。それなら、飲み込むしかない。
残酷な程に刻まれ、部位ごとになった元少女を眺める。彼女を見下ろす、良く知った冷たい眼。1番殺したいと思った、ソレ。だから、俺は…。
『もう行くのね』
「ああ」
女の声に頷く。直ぐに周りが白み出した。
ニコ・ロビンの問い掛けに首を傾げる。そんな当たり前のこと、なぜ聞くんだろう。
「まず、爆発は止められねぇだろ。ルフィもゾロも怪我したみたいだし…時間もないから勝ち目はねぇかな。となると、アイスバーグもパウリーも殺される…」
保険はかけてきたけど、その保険もどこまで通用するのかは微妙…ってなると、不確定要素を何処まで残せてきたかが鍵になりそうだ。
「どうにかなる確率、は…あっても60%、まだ不確定すぎるしルフィ達が気付くかどうかすらわからない。でも、ルフィ達は生きてニコ・ロビンを取り戻しに来るだろうな」
「……私を。お別れを言った、こんな私を…」
「俺のことは放置だな。忘れられてる可能性も高いし。…ま、どうにかなるけど」
「貴方、可哀想なのね」
「信用されてるんじゃねぇの?あと俺、キャラ薄いから」
「キャラが薄い、という意味をしっかり学んだ方がいいわ」
どうやらニコ・ロビンは俺には辛辣なようだ。別にいいけど。
コツコツと高い音をさせて歩く。好きなのはブーツだけど、暑い時はサンダルだよな。立ち止まり、足元に金色のコインを置く。…ナミが見逃さなければいい。ついでにその隣に俺が改良したでんでん虫を2つ置くと、指定された駅に足を運ぶ。とりあえず今は暇なんだよなー。
それなら、と目を閉じる。すぐに意識が飛び始めるが足は勝手にニコ・ロビンへ着いていく。
「……何してるのかしら」
「取り敢えず寝るから。…着いてくから気にすんな」
「自由人ね」
ニコ・ロビンの呟きは既に俺の耳には届かなかった。
見る夢は過去。俺を創った女が持っていた能力のひとつ。何があっても、力があっても手が出せない…ある意味の、地獄。
入口はいつも。1面白い花が咲いた、広場だ。小さな子供達が、楽しそうに笑い声をあげて走り回る。ただその姿には触れられない。
『ーーおかえりなさい』
美しい、白い少女が微笑んで俺を出迎える。この場では彼女だけ、俺に関わることが出来る。……大嫌いで、大好きな…女。
『では、参りましょうか』
俺は答えることなくただ頷いて着いて行った。
「ーーほんと、変な人」
確かに寝ているのにしっかりとした足取りで私に着いてくる。本当に寝ているのか疑問になるくらい。呼吸は浅く、深く。眠っていないとしても問題は無いのだけれど。
1度攻撃をしかけてみたけど、綺麗に交わしたから殺す事はまず不可能ね。それにしてもあの動き…普段は抑えているのかしら。人間離れしていたもの。
ルフィの仲間、なのかしら。この人は一体…。
「2つ名、ミョウジ・ナマエ。職業、何でも屋…殺しでも、暗殺でも暗躍でも文字通り何でも請け負う。達成率、100%…依頼人の失踪率も80%と言われる…」
知っている情報を上げてみても結局正体は分からない。逆に、謎を増やしている気さえする。
まあいいわ。ルフィ達とも、もう会うことはないのだから。
「……これは」
『カティ・フラムの過去。彼とアイスバーグ、魚人トム…そして、スパンダム』
「その名前、聞いたことないな」
目の前を映るのは幼いフランキーとアイスバーグ、トムと呼ばれる船大工…ココロ。楽しそうな日常が一変、政府の陰謀に揺れる。いつの時代も、正義と名がつく暴行は変わらない。創り上げた自分の船を利用され、大切な人を傷付け…その悲しみの裏でプルトンの設計図を奪おうとする。大義の為なら何をしてもいいのか!抑える必要が無い俺は、感情を昂らせる。
「だから、嫌いなんだよ!」
『そう、貴方は昔からそうだった…けれど、それが現実。疲れたのなら、ここで休んでお行きなさい』
「いやだね。俺は、あんたとは違う」
甘言に惑わされたりはしない。事実の重みはきちんと…この身で受け止める。
続いて流れてきたのは島を焼き尽くす、炎。戦争の後か…又はその最中か。どちらだとしてもかなりの人数が死んだだろう。
『ここはオハラ。バスターコードが出された島』
「あー、思い出した。ニコ・オリビアが居たとこか」
『そう、そして彼女はーー』
「ニコ・ロビンの母親だろ?そっくりだぜ、気の強さも」
ふっと思い出す。けれどその記憶も古く曖昧だ。確か俺も、オハラの殲滅に行ったのでは無かったか。通りでニコ・ロビンが冷たい訳だ。妙に納得する。
『オハラの悲劇…見て、行きますか?』
「当然だろ」
俺は考えることなく彼女に答えた。
映像は酷いものだった。沢山の人が焼ける匂い、人の脂で赤く燃える炎。聞こえる悲鳴に子供の鳴き声、助けを求める悲痛な、声…声、声ーー。
慣れている俺でも胸糞悪くなる…文字通りの地獄だ。
「ーー俺も創り出した方か」
関わっている人間なら、知らなかったなどと無責任なことは言えない。
目の前に小さな女の子が走ってきた。歳の頃5歳くらいだろうか。大泣きをして母親を探している。ニコ・ロビンではない、少女。そこに現れたのはーー舌打ちし、覆いたくなる顔を上げる。涙は流れない、がこの惨状を作り出したのは俺だ。
……悪かった、申し訳ない、ごめんなさい…どれをとっても自分のためにしかならない言葉。それなら、飲み込むしかない。
残酷な程に刻まれ、部位ごとになった元少女を眺める。彼女を見下ろす、良く知った冷たい眼。1番殺したいと思った、ソレ。だから、俺は…。
『もう行くのね』
「ああ」
女の声に頷く。直ぐに周りが白み出した。