第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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「ーーいや、結構ですよ。これは我々の任務ですから。黒姫様のお手を煩わせる訳にはーー」
「ーーその呼び名で呼ぶなと何度言えば理解する?」
人の話を聞かないのは政府の人間の性か…思わず声に力を込めて言い切る。その場の全員、勿論ロブ・ルッチも動けない。どこに行っても存在していても、あの男がついてまわる…だけどそれは、伊達じゃない。能力で言えば…アイツより俺が上だ。
実感したらしいロブ・ルッチがゆっくり息を吐いて話題を戻す。知っている、それが自己の安定の測り方だ。
「…フランキーは確かに、調べても調べても素性の知れない男だったが…解体屋であの横行ゆえ鼻にもかけていなかった。なるほど。事実からしか生まれない我々の予測に死人を関係させることは、絶好の死角。フランキー一家ならば、乗船場に材木を売りにやってくるし上手く申し合わせれば設計図を受け渡すチャンスはいくらでもあった。あらためて思えば、最も怪しまれない距離を保った隣人と言える。貴方の手元に設計図がないのなら…さっきまでの貴方の強気な態度も納得。託した相手が貴方の唯一の弟弟子ならばガレーラの職長の誰にも託さなかったことも納得。 これで予測は1本の線につながり、更にあなたの波打つ血がそれを的中だと告げた」
俺に言わせれば事実を事実だと確認する無駄な手順…だけどCP9とアイスバーグには必要なのか。ったく、面倒な連中だ。こんな話、ルフィならしないだろうし本能的に理解する。ただの茶番だ。
「なぁに、貴方に罪はない。これだけ色々なことが起こる夜に動揺を隠せなくなるのは、血の通った人間ならば当然のこと」
「今日まで世話になりましたね。アンタはもう用済みじゃ」
「急いでフランキーを探しましょう」
「テメェら…」
苦々しげにアイスバーグが吐く。そのフランキーを殺したら設計図が手に入るとでも思ってんのか?おめでたい奴らだ。俺なら殺されても隠す…ってか、他の奴に渡しとくな。勿論、バレても構わない奴か…バレない奴に。
不意にバキバキと音を立てて壁が崩れ落ちる。ほぼ同時に表の扉も斬られた。あーうん、こういう展開が分かりやすくていい。誰もが待ち望んでいた男が、そこに飛び込んできた。
「とぉーりゃぁーーっ!!ロビンはどこだーっ!!」
「ルフィ!」
「ルフィ?」
「…邪魔を」
確かにお前らにとっては邪魔だな。俺としてはざまぁみろだ。ひゅー、と口笛を吹いてみる。が、今となっては政府預りの身だ。近寄る事は出来ない。
「ロビン、やっと見つけたぞ!」
「おいルフィ、てめぇ一体どこにいやがったんだ」
「ロビン、また会えて良かったぞ」
「ちょっと待って、この状況何?」
俺とニコ・ロビンとアイスバーグ…そして船大工達。確かに謎だろう、けど…今のうちだ。アイスバーグに近付いてもう一度唇を重ねる。次に感じる痛みにやはり折れていたかと苦笑すると今度は目を閉じる。心臓から血液が流れるイメージ。滞りなく、回復し戻る。数秒で治る怪我に薄く笑みを浮かべると…見ていたらしいゾロに舌打ちされた。あれ?何この展開。ってよりなんで見れた?角度的には不可能だ…何だこの男の反応…たまたま、か?
ごきん、と音をさせて関節を戻す。今は疑問を感じている余裕はない。
背後からパウリーの息か聞こえる。あっちも怪我人か。中の人物…ロブ・ルッチを見た瞬間に顔が歪む。絶望を感じているのだろう。
「やれやれ…」
「麦わら、パウリー」
「アイスバーグさん…これは一体…何がどうなってるんですか!!」
「パウリー、てめぇなぜ逃げねぇ…」
「なんなんですか。まるでこいつらが、貴方の命を狙った、犯人みたいに…おおおーーっ!!お前らなんでそんな格好してんだー!おい、カリファ、ブルーノ、カク、ルッチ!冗談やめろよてめぇら!」
……いや、本気だろ。お前の見る目か正しくなかった、それだけの話しだ。
毎回、思う。自分に感情が足りないこと。例外が麦わらの一味達で…それだけなのだろう。だから他は興味が無い。自分だったら、と想像することが無い。間違った人を信じても、裏切られても変わらない。「またか」と嘯くだけ。それ程に本気になれたものがない。
だから、目の前のパウリーの溢れた感情に…尊敬していた。
「ーーその呼び名で呼ぶなと何度言えば理解する?」
人の話を聞かないのは政府の人間の性か…思わず声に力を込めて言い切る。その場の全員、勿論ロブ・ルッチも動けない。どこに行っても存在していても、あの男がついてまわる…だけどそれは、伊達じゃない。能力で言えば…アイツより俺が上だ。
実感したらしいロブ・ルッチがゆっくり息を吐いて話題を戻す。知っている、それが自己の安定の測り方だ。
「…フランキーは確かに、調べても調べても素性の知れない男だったが…解体屋であの横行ゆえ鼻にもかけていなかった。なるほど。事実からしか生まれない我々の予測に死人を関係させることは、絶好の死角。フランキー一家ならば、乗船場に材木を売りにやってくるし上手く申し合わせれば設計図を受け渡すチャンスはいくらでもあった。あらためて思えば、最も怪しまれない距離を保った隣人と言える。貴方の手元に設計図がないのなら…さっきまでの貴方の強気な態度も納得。託した相手が貴方の唯一の弟弟子ならばガレーラの職長の誰にも託さなかったことも納得。 これで予測は1本の線につながり、更にあなたの波打つ血がそれを的中だと告げた」
俺に言わせれば事実を事実だと確認する無駄な手順…だけどCP9とアイスバーグには必要なのか。ったく、面倒な連中だ。こんな話、ルフィならしないだろうし本能的に理解する。ただの茶番だ。
「なぁに、貴方に罪はない。これだけ色々なことが起こる夜に動揺を隠せなくなるのは、血の通った人間ならば当然のこと」
「今日まで世話になりましたね。アンタはもう用済みじゃ」
「急いでフランキーを探しましょう」
「テメェら…」
苦々しげにアイスバーグが吐く。そのフランキーを殺したら設計図が手に入るとでも思ってんのか?おめでたい奴らだ。俺なら殺されても隠す…ってか、他の奴に渡しとくな。勿論、バレても構わない奴か…バレない奴に。
不意にバキバキと音を立てて壁が崩れ落ちる。ほぼ同時に表の扉も斬られた。あーうん、こういう展開が分かりやすくていい。誰もが待ち望んでいた男が、そこに飛び込んできた。
「とぉーりゃぁーーっ!!ロビンはどこだーっ!!」
「ルフィ!」
「ルフィ?」
「…邪魔を」
確かにお前らにとっては邪魔だな。俺としてはざまぁみろだ。ひゅー、と口笛を吹いてみる。が、今となっては政府預りの身だ。近寄る事は出来ない。
「ロビン、やっと見つけたぞ!」
「おいルフィ、てめぇ一体どこにいやがったんだ」
「ロビン、また会えて良かったぞ」
「ちょっと待って、この状況何?」
俺とニコ・ロビンとアイスバーグ…そして船大工達。確かに謎だろう、けど…今のうちだ。アイスバーグに近付いてもう一度唇を重ねる。次に感じる痛みにやはり折れていたかと苦笑すると今度は目を閉じる。心臓から血液が流れるイメージ。滞りなく、回復し戻る。数秒で治る怪我に薄く笑みを浮かべると…見ていたらしいゾロに舌打ちされた。あれ?何この展開。ってよりなんで見れた?角度的には不可能だ…何だこの男の反応…たまたま、か?
ごきん、と音をさせて関節を戻す。今は疑問を感じている余裕はない。
背後からパウリーの息か聞こえる。あっちも怪我人か。中の人物…ロブ・ルッチを見た瞬間に顔が歪む。絶望を感じているのだろう。
「やれやれ…」
「麦わら、パウリー」
「アイスバーグさん…これは一体…何がどうなってるんですか!!」
「パウリー、てめぇなぜ逃げねぇ…」
「なんなんですか。まるでこいつらが、貴方の命を狙った、犯人みたいに…おおおーーっ!!お前らなんでそんな格好してんだー!おい、カリファ、ブルーノ、カク、ルッチ!冗談やめろよてめぇら!」
……いや、本気だろ。お前の見る目か正しくなかった、それだけの話しだ。
毎回、思う。自分に感情が足りないこと。例外が麦わらの一味達で…それだけなのだろう。だから他は興味が無い。自分だったら、と想像することが無い。間違った人を信じても、裏切られても変わらない。「またか」と嘯くだけ。それ程に本気になれたものがない。
だから、目の前のパウリーの溢れた感情に…尊敬していた。