第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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部屋に入ったあと、窓から外に出て壁伝いに歩く。少しの引っ掛かりさえあればどうにでもなる。…無くても張り付くけど。
窓の外からアイスバーグの部屋を覗き込む。まだ、何事も起きてないようだ。少なくてもまだ、だろうけど。
ゾロの予想が間違ってる可能性は低いだろうが、間違っている予想もしなくちゃなんねぇし。ミイラ取りがミイラになったら誰が骨を拾ってくれるんだ。……ミイラに骨があったか知らねぇけど。多分ある。見た気がするし。
部屋の中ではパウリーが呼び出されアイスバーグが話をしていた。聞こえた言葉は「逃げろ」とか「金庫」とかだけど話の概要は理解する。パウリーか出ていった事を確認すると、アイスバーグは大袈裟にため息を吐いた。
「マァ、いるんだろう2つ名」
「一応?ってか、気配とか分かんねぇ癖によく分かるな」
「行動パターンは理解してるつもりだからな」
「それはねぇよ。理解してんのは、俺の惰性と…ルフィの性格?」
「それを含めた行動パターンだろ」
仰る通りで。早々に諦めた俺は窓から部屋の中に入りアイスバーグに近づく。状況は良くない、けどアイスバーグが死ぬことはなさそうだな。ついでに、アイスバーグが生き残る可能性を高めておこうか。
「ああやってパウリーをせっついたらどうなるか、てめぇは理解してんだろ」
「…」
「パウリーが逃げることはまず無い、犯人の炙り出しになるなら…命を捨てるだろうな。それなのに逃げろ?自分を納得させる、大義名分じゃねぇか」
何も言えないアイスバーグに自覚はあるのかと苦笑する。悪気がないのは分かってるけど、憎まれ役は俺の役だし?
アイスバーグに近づいてその身体に触れる。……それなりの傷だな。ある意味、俺としては好都合なんだけど。ゆっくり息をして唇を重ねる。呟く言葉は古代語…声帯と耳が劣化している人間には聞き取ることすら出来ない。
アイスバーグの傷が癒えていく。けど、それが表に出るとまずいから、確認したりはしない。
「ーー痛みが無くなった?」
「そういうこと。いざとなったら逃げとけ、お前にはまだ仕事があるだろうし。……あと、これな?」
アイスバーグに小瓶を渡す。赤い液体が僅かに入っている瓶には、少量だが俺の血液が混じってる。
血も遺伝子も忌々しい身体だ。恨みしかねぇが…利用価値はある。から、尚更イラつく。
…ってよりも、やっぱり大物だなアイスバーグ。男にキスされたのに反応すらねぇし。いや、忘れてんのか?
「その瓶、盗られたら殺すから。ちゃんと大事にしてね」
声音を変えてハート付きに言えば「相変わらず」とため息をつかれる。いや、しょうがねぇじゃん。俺が素で言ったら脅迫以外の何物でもないし。…いや、どっちにしても脅迫か。その程度の自覚はある。
2つ名、そう呼びかけるアイスバーグに首を傾げて見せる。片手で顔を覆い、追い詰められたような表情をする姿に随分疲れていると印象を持った。
「俺ぁ、間違えた、のか?」
「どこからの話だ。脈絡無さすぎて分からねぇわ。ーーでも、間違ったなら直せばいいだろ。意外とどうにかなるもんだぜ。人間の短い人生だ、一生かけとけ」
「お前ーー」
「憎まれ役なら買ってやるからさ」
アイスバーグの顔か少しだけ穏やかになる。予想外の回答だったんだろう…けど、なんだその微妙な表情は。俺を血も涙もない人間だと思ったのか?…まぁ、似たようなもんだけど。
「たかだか100年しか生きられねぇ癖に、取り返しがつかないことなんてねぇんだよ」
キッパリと言い切るとアイスバーグは少しだけ楽しそうに笑った。
窓の外からアイスバーグの部屋を覗き込む。まだ、何事も起きてないようだ。少なくてもまだ、だろうけど。
ゾロの予想が間違ってる可能性は低いだろうが、間違っている予想もしなくちゃなんねぇし。ミイラ取りがミイラになったら誰が骨を拾ってくれるんだ。……ミイラに骨があったか知らねぇけど。多分ある。見た気がするし。
部屋の中ではパウリーが呼び出されアイスバーグが話をしていた。聞こえた言葉は「逃げろ」とか「金庫」とかだけど話の概要は理解する。パウリーか出ていった事を確認すると、アイスバーグは大袈裟にため息を吐いた。
「マァ、いるんだろう2つ名」
「一応?ってか、気配とか分かんねぇ癖によく分かるな」
「行動パターンは理解してるつもりだからな」
「それはねぇよ。理解してんのは、俺の惰性と…ルフィの性格?」
「それを含めた行動パターンだろ」
仰る通りで。早々に諦めた俺は窓から部屋の中に入りアイスバーグに近づく。状況は良くない、けどアイスバーグが死ぬことはなさそうだな。ついでに、アイスバーグが生き残る可能性を高めておこうか。
「ああやってパウリーをせっついたらどうなるか、てめぇは理解してんだろ」
「…」
「パウリーが逃げることはまず無い、犯人の炙り出しになるなら…命を捨てるだろうな。それなのに逃げろ?自分を納得させる、大義名分じゃねぇか」
何も言えないアイスバーグに自覚はあるのかと苦笑する。悪気がないのは分かってるけど、憎まれ役は俺の役だし?
アイスバーグに近づいてその身体に触れる。……それなりの傷だな。ある意味、俺としては好都合なんだけど。ゆっくり息をして唇を重ねる。呟く言葉は古代語…声帯と耳が劣化している人間には聞き取ることすら出来ない。
アイスバーグの傷が癒えていく。けど、それが表に出るとまずいから、確認したりはしない。
「ーー痛みが無くなった?」
「そういうこと。いざとなったら逃げとけ、お前にはまだ仕事があるだろうし。……あと、これな?」
アイスバーグに小瓶を渡す。赤い液体が僅かに入っている瓶には、少量だが俺の血液が混じってる。
血も遺伝子も忌々しい身体だ。恨みしかねぇが…利用価値はある。から、尚更イラつく。
…ってよりも、やっぱり大物だなアイスバーグ。男にキスされたのに反応すらねぇし。いや、忘れてんのか?
「その瓶、盗られたら殺すから。ちゃんと大事にしてね」
声音を変えてハート付きに言えば「相変わらず」とため息をつかれる。いや、しょうがねぇじゃん。俺が素で言ったら脅迫以外の何物でもないし。…いや、どっちにしても脅迫か。その程度の自覚はある。
2つ名、そう呼びかけるアイスバーグに首を傾げて見せる。片手で顔を覆い、追い詰められたような表情をする姿に随分疲れていると印象を持った。
「俺ぁ、間違えた、のか?」
「どこからの話だ。脈絡無さすぎて分からねぇわ。ーーでも、間違ったなら直せばいいだろ。意外とどうにかなるもんだぜ。人間の短い人生だ、一生かけとけ」
「お前ーー」
「憎まれ役なら買ってやるからさ」
アイスバーグの顔か少しだけ穏やかになる。予想外の回答だったんだろう…けど、なんだその微妙な表情は。俺を血も涙もない人間だと思ったのか?…まぁ、似たようなもんだけど。
「たかだか100年しか生きられねぇ癖に、取り返しがつかないことなんてねぇんだよ」
キッパリと言い切るとアイスバーグは少しだけ楽しそうに笑った。