第一章 ー232話〜263話ー ウォーターセブン編
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「ひっ!いゃあーーーっ!!落ちる!落ちるーっ!!」
いや、実際落ちてますナミさん。
真っ直ぐに飛んでいくルフィを追って俺も走っていくが、声も足音も大きいなんてもんじゃない。「もうちょっと忍べよ、馬鹿野郎」と思ったのは事実だ。ナミにはご愁傷さまとしか言えないけど。
「ふぅ、よし、着いたぞ。いやー、疲れた疲れた」
ルフィの頭にナミの拳がクリーンヒットする。
「着いたぞじゃないわよ!死ぬかと思ったじゃない!」
「仕方ねぇじゃねぇか。バレたら大変だからエレベーターは使えねぇって言ったのはお前だろうが!」
「だからって、飛び降りることないでしょう!あの四角っ鼻の船大工じゃあるまいしぃいっ!!」
「す、すみません…」
「でもま、いいわ降りられたから」
「いーならぶつなよ!」
「…お前、そろそろ女心学んた方がいいぞ」
待ってる間の不安とか恐怖とか…そういうのが重なってる。そういう気持ちが分からないのは、待たされた経験か少ないから…なの、か?俺だったら触れない。その程度の危機管理はある。
「だけど、これはちょっとヤバいかも」
風に当たったナミが呟く。さすが航海士…風の匂いももう変わった。アクアラグナが、来る。
「ヤバい?何がヤバいんだ?」
「この島の地形と気候よ。これだけ風が吹いて気圧か落ちてくれば、今夜台風が通るかもしれない。水の都と言われる町も、裏を返せば水害を招きやすいという弱点になる」
「それが、どうした」
「んー、気になるから後で調べてみる」
「ーーアクアラグナだよ、ナミ。津波…みたいなもんだって聞いてる。引き潮が現れた後、その勢いのまま街を海が包み込む…住民はもう慣れてるから、被害はさほど無いって噂だけどな」
調べるならと思い出した古い記憶を伝える。頭の片隅の予備知識程度にはなるだろう。その方が覚えやすかったりするしな。
「今の話、ほんと?」
「ほんと。だけどもう1回調べとけよ。記憶が曖昧だからな。…間違ってはいねぇだろうけど」
「うん、分かった。とにかく、今は宿に戻りましょう」
ナミの気候に対する判断は間違ったことがないらしい。あのルフィでさえこくんと頷いている。
にしても、この生暖かい空気…ちょっとだけヤバい気がするな。まとわりつくような感覚が気持ち悪いし。
「もうひと騒動ありそうなんだよなー」
「こらー!縁起でもないこというなっ!!」
完全な街の包囲網に、ルフィもナミも走り回っている。ついでに俺もだけど…あれ?アイスバーグが言ってたのは、遠回しに仲間と認識されるなって事じゃなかったか??正直、ニコ・ロビンの状況も気になるし…離脱するなら、ここなんじゃないか?
「ねぇ、ルフィ」
「ん、なんだナミ?」
「皆、大丈夫かな?街中職人だらけだし、チョッパーとサンジ君はまだバレてないから大丈夫だと思うけど」
「とにかく急ごう」
「うん」
取り敢えず話をしてからだよな、なんて呑気に考えていた。どう転んだとしても、今回の騒動…動けるのは俺だけだ。ひとつはこのままルフィについて行くこと。もうひとつは…まぁ、こっちの方が俺にしか出来ない事か。のんびり考えながら空を見る。
んー、でもこう、誰かの思惑通りに事が進むのは好きじゃねぇんだよな。贅沢は言わないけど。
「ルフィ」
「なんだ」
「俺、多分そのうち裏切るから後よろしく」
「ああ、分かった」
「分かっちゃうのかい!!」
走りながら伝えた言葉にナミが渾身の突っ込みを入れるが俺にとっては想像出来る範囲だ。逆に後から言ってもいいけど…ナミには殺されそうだし。ルフィは腹芸が出来ないから、ってのは問題なんだけどな。
「だって、わざわざ断ってく理由があんだろ?それに、やめとけって言っても止まんねぇって。コイツは昔からそういう奴なんだ」
「まー、やめろって言われてもやるだろうな」
「ほらみろ。それに、どーせ戻ってくんだろ?」
「じゃなきゃ言わねぇって」
メリットねぇじゃん、って続けるとナミが頭を抱える。俺もどっちかって言うと常識人だから気持ちは分かるけどな。だけど、そうそう思い通りに動きたくない。誰の、かは分からないけどな。
いや、実際落ちてますナミさん。
真っ直ぐに飛んでいくルフィを追って俺も走っていくが、声も足音も大きいなんてもんじゃない。「もうちょっと忍べよ、馬鹿野郎」と思ったのは事実だ。ナミにはご愁傷さまとしか言えないけど。
「ふぅ、よし、着いたぞ。いやー、疲れた疲れた」
ルフィの頭にナミの拳がクリーンヒットする。
「着いたぞじゃないわよ!死ぬかと思ったじゃない!」
「仕方ねぇじゃねぇか。バレたら大変だからエレベーターは使えねぇって言ったのはお前だろうが!」
「だからって、飛び降りることないでしょう!あの四角っ鼻の船大工じゃあるまいしぃいっ!!」
「す、すみません…」
「でもま、いいわ降りられたから」
「いーならぶつなよ!」
「…お前、そろそろ女心学んた方がいいぞ」
待ってる間の不安とか恐怖とか…そういうのが重なってる。そういう気持ちが分からないのは、待たされた経験か少ないから…なの、か?俺だったら触れない。その程度の危機管理はある。
「だけど、これはちょっとヤバいかも」
風に当たったナミが呟く。さすが航海士…風の匂いももう変わった。アクアラグナが、来る。
「ヤバい?何がヤバいんだ?」
「この島の地形と気候よ。これだけ風が吹いて気圧か落ちてくれば、今夜台風が通るかもしれない。水の都と言われる町も、裏を返せば水害を招きやすいという弱点になる」
「それが、どうした」
「んー、気になるから後で調べてみる」
「ーーアクアラグナだよ、ナミ。津波…みたいなもんだって聞いてる。引き潮が現れた後、その勢いのまま街を海が包み込む…住民はもう慣れてるから、被害はさほど無いって噂だけどな」
調べるならと思い出した古い記憶を伝える。頭の片隅の予備知識程度にはなるだろう。その方が覚えやすかったりするしな。
「今の話、ほんと?」
「ほんと。だけどもう1回調べとけよ。記憶が曖昧だからな。…間違ってはいねぇだろうけど」
「うん、分かった。とにかく、今は宿に戻りましょう」
ナミの気候に対する判断は間違ったことがないらしい。あのルフィでさえこくんと頷いている。
にしても、この生暖かい空気…ちょっとだけヤバい気がするな。まとわりつくような感覚が気持ち悪いし。
「もうひと騒動ありそうなんだよなー」
「こらー!縁起でもないこというなっ!!」
完全な街の包囲網に、ルフィもナミも走り回っている。ついでに俺もだけど…あれ?アイスバーグが言ってたのは、遠回しに仲間と認識されるなって事じゃなかったか??正直、ニコ・ロビンの状況も気になるし…離脱するなら、ここなんじゃないか?
「ねぇ、ルフィ」
「ん、なんだナミ?」
「皆、大丈夫かな?街中職人だらけだし、チョッパーとサンジ君はまだバレてないから大丈夫だと思うけど」
「とにかく急ごう」
「うん」
取り敢えず話をしてからだよな、なんて呑気に考えていた。どう転んだとしても、今回の騒動…動けるのは俺だけだ。ひとつはこのままルフィについて行くこと。もうひとつは…まぁ、こっちの方が俺にしか出来ない事か。のんびり考えながら空を見る。
んー、でもこう、誰かの思惑通りに事が進むのは好きじゃねぇんだよな。贅沢は言わないけど。
「ルフィ」
「なんだ」
「俺、多分そのうち裏切るから後よろしく」
「ああ、分かった」
「分かっちゃうのかい!!」
走りながら伝えた言葉にナミが渾身の突っ込みを入れるが俺にとっては想像出来る範囲だ。逆に後から言ってもいいけど…ナミには殺されそうだし。ルフィは腹芸が出来ないから、ってのは問題なんだけどな。
「だって、わざわざ断ってく理由があんだろ?それに、やめとけって言っても止まんねぇって。コイツは昔からそういう奴なんだ」
「まー、やめろって言われてもやるだろうな」
「ほらみろ。それに、どーせ戻ってくんだろ?」
「じゃなきゃ言わねぇって」
メリットねぇじゃん、って続けるとナミが頭を抱える。俺もどっちかって言うと常識人だから気持ちは分かるけどな。だけど、そうそう思い通りに動きたくない。誰の、かは分からないけどな。