マギ夢小説<紅炎寄り>
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練紅炎は書物を読みつつ、弟の話を聞いていた。
「兄上、少しはご自分の立場を考えてくださいよ。あなたは第一皇子であり、婚約する妃候補だって話を進めておられるはずでしょう?なのにどこの国の者かわからない娘に興味を持ってしまって縁談に支障が出ていると知れたら……っていうか聞いていますか?」
「わかっている。要はこの娘が何者か確認しろということだろう」
「その確認をあなたがしなくてもいいという話です!」
「紅明様!次の仕事のお時間です」
「ああ、もう!一応言っておきますが責任はご自分でお願いしますよ!」
弟の紅明が慌ただしく言い放って部屋を出ていくのを見送ると、紅炎はちらりと寝台で眠る少女を見下ろす。
(顔色は良くなった……だがいつまで眠り続ける?)
紅炎がこの娘を見つけたのはとある湖だった。縁談のため馬車に乗っていると急に湖が枯れたのだ。そうして馬車から降りて様子を見にいくと一人の娘が倒れていた。
当初、身投げしたのだろうと思っていたがある部分を見た紅炎はそれが違うことを理解した。娘の首に金属器があったからである。
だがその湖には迷宮はなかったはずだ。身投げするだけの大きさはあれど、迷宮が存在するだけの深さや面積はないのだから。
突如として現れた、迷宮攻略者。しかも存在しないはずの迷宮を攻略したと思われる、枯れた湖から見つかった娘。
これに好奇心を抱くなという方が無理な話だと、紅炎は思う。
(早く目を覚ませ)
そして語れ。お前が何者なのかを、どこで生き、どこから来たのかを。
紅炎は娘の頰を少し触れる。
その、一瞬。
がぶり。
「……」
「……んん」
娘の瞳がとろんと瞬く。
血のついた唇をぺろりと舐めて、紅炎を見上げる。
いきなり手を噛み付かれた紅炎は目を見開く。
これが紅炎と謎の金属器使いである娘、ナマエとの出会いだった。
「兄上、少しはご自分の立場を考えてくださいよ。あなたは第一皇子であり、婚約する妃候補だって話を進めておられるはずでしょう?なのにどこの国の者かわからない娘に興味を持ってしまって縁談に支障が出ていると知れたら……っていうか聞いていますか?」
「わかっている。要はこの娘が何者か確認しろということだろう」
「その確認をあなたがしなくてもいいという話です!」
「紅明様!次の仕事のお時間です」
「ああ、もう!一応言っておきますが責任はご自分でお願いしますよ!」
弟の紅明が慌ただしく言い放って部屋を出ていくのを見送ると、紅炎はちらりと寝台で眠る少女を見下ろす。
(顔色は良くなった……だがいつまで眠り続ける?)
紅炎がこの娘を見つけたのはとある湖だった。縁談のため馬車に乗っていると急に湖が枯れたのだ。そうして馬車から降りて様子を見にいくと一人の娘が倒れていた。
当初、身投げしたのだろうと思っていたがある部分を見た紅炎はそれが違うことを理解した。娘の首に金属器があったからである。
だがその湖には迷宮はなかったはずだ。身投げするだけの大きさはあれど、迷宮が存在するだけの深さや面積はないのだから。
突如として現れた、迷宮攻略者。しかも存在しないはずの迷宮を攻略したと思われる、枯れた湖から見つかった娘。
これに好奇心を抱くなという方が無理な話だと、紅炎は思う。
(早く目を覚ませ)
そして語れ。お前が何者なのかを、どこで生き、どこから来たのかを。
紅炎は娘の頰を少し触れる。
その、一瞬。
がぶり。
「……」
「……んん」
娘の瞳がとろんと瞬く。
血のついた唇をぺろりと舐めて、紅炎を見上げる。
いきなり手を噛み付かれた紅炎は目を見開く。
これが紅炎と謎の金属器使いである娘、ナマエとの出会いだった。