マギ夢小説<紅炎寄り>
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「ジャーファル、ずるいぞ!俺だってナマエと一緒に過ごしたい!」
執務室でシンドリア王国の主、シンドバッドはジャーファルの服を引っ張って、そんなシンドバッドから守ろうとジャーファルは「駄目です」と言ってナマエをさっさと部屋から出そうとする。
「シン、あなたヤムライハの話を聞いたでしょう?彼女はあなたのためを思って近づかないでいるんですよ?」
「あんな話を聞いたら、体験したいじゃないか!聞いたぞ、ジャーファル!お前あれからずっと彼女の側にいて例の症状を抑えているんだろう!?」
「仕方ないでしょう?王の身を案じてのことです」
「お前絶対それ嘘だろう!?」
「あ、あのぅ」
言い争う二人の大人にナマエは申し訳なさそうに声をかける。
「ごめんなさい……わたし、煌帝国に帰ります」
「ええ!?」
「何故に!?」
「ええと……わたしのせいでお二人が喧嘩するのは、申し訳ないですし……」
「いえいえ!シンのわがままは今に始まった事ではないですから、気にしなくていいんですよ?」
「わがまま!?ナマエを国に誘ったのは俺だぞ!?彼女と仲良くしたいから連れてきたのに、なんで俺が一番遠ざけられているんだ!?」
「あんたが危険だからです」
「危険!?」
再び言い争う大人にナマエはハラハラする。
(煌帝国のみなさんは仲良しだったなぁ)
少なくともこんなふうに自分の気持ちを言い合うような人たちではなかった。多分それは言わなくとも理解して、信頼していたからだろう。
(……信頼)
気がついた時から、ナマエは煌帝国にいたのでわからなかった。けれどいつも、ずっと側にいた紅炎はどんな気持ちなのだろうか。
今は、どんな気持ちでいるのだろう。
(紅炎さまを、信じていた。ずっとあの人の側にいられると疑うことなく、過ごしていた)
まるでそこが、自分の居場所であるかのように。
(ナマエ、来い)
思い出した声は、決して愛想の良いものではなかった。
けれど紅炎はいつもナマエを救ってくれた。
(……それでいい、それだけで充分だわ)
紅炎を信じることに、理由はある。
(……なんだろう)
胸の奥が熱い。落ち着かなくて、それでいて嬉しさがこみ上げてくる。
「……失礼します、シンドバッドさま、ジャーファルさん」
頭を小さく下げてナマエは部屋を退室した。
(落ち着かない……なんか、そわそわしてしまう)
与えられた自室でナマエは座ったり立ったりして歩き回る。煌帝国が気になって仕方がない。
(紅炎さま、紅炎さまは他の侍女の人たちがいるもの、わたしが心配する必要はないし、そう思うこと自体他の侍女の失礼になるかもしれない)
けれど。
「……っ、」
ゆらりと意識がふらつく。胸元をぎゅう、と掴み浅く呼吸する。
また、だ。
「……ぅう」
血を、ルフを体が欲している。やはりジャーファルでは足りないのだ。
迷宮攻略者の血ではないと、ナマエの体は保てない。
「……ま」
だれか。
だれでもいいから、はやく。
「こう、えん、さ、ま……」
視界が暗くなる。意識も深く沈んでいく。
しかしナマエの声は無意識に紅炎を欲していた。
執務室でシンドリア王国の主、シンドバッドはジャーファルの服を引っ張って、そんなシンドバッドから守ろうとジャーファルは「駄目です」と言ってナマエをさっさと部屋から出そうとする。
「シン、あなたヤムライハの話を聞いたでしょう?彼女はあなたのためを思って近づかないでいるんですよ?」
「あんな話を聞いたら、体験したいじゃないか!聞いたぞ、ジャーファル!お前あれからずっと彼女の側にいて例の症状を抑えているんだろう!?」
「仕方ないでしょう?王の身を案じてのことです」
「お前絶対それ嘘だろう!?」
「あ、あのぅ」
言い争う二人の大人にナマエは申し訳なさそうに声をかける。
「ごめんなさい……わたし、煌帝国に帰ります」
「ええ!?」
「何故に!?」
「ええと……わたしのせいでお二人が喧嘩するのは、申し訳ないですし……」
「いえいえ!シンのわがままは今に始まった事ではないですから、気にしなくていいんですよ?」
「わがまま!?ナマエを国に誘ったのは俺だぞ!?彼女と仲良くしたいから連れてきたのに、なんで俺が一番遠ざけられているんだ!?」
「あんたが危険だからです」
「危険!?」
再び言い争う大人にナマエはハラハラする。
(煌帝国のみなさんは仲良しだったなぁ)
少なくともこんなふうに自分の気持ちを言い合うような人たちではなかった。多分それは言わなくとも理解して、信頼していたからだろう。
(……信頼)
気がついた時から、ナマエは煌帝国にいたのでわからなかった。けれどいつも、ずっと側にいた紅炎はどんな気持ちなのだろうか。
今は、どんな気持ちでいるのだろう。
(紅炎さまを、信じていた。ずっとあの人の側にいられると疑うことなく、過ごしていた)
まるでそこが、自分の居場所であるかのように。
(ナマエ、来い)
思い出した声は、決して愛想の良いものではなかった。
けれど紅炎はいつもナマエを救ってくれた。
(……それでいい、それだけで充分だわ)
紅炎を信じることに、理由はある。
(……なんだろう)
胸の奥が熱い。落ち着かなくて、それでいて嬉しさがこみ上げてくる。
「……失礼します、シンドバッドさま、ジャーファルさん」
頭を小さく下げてナマエは部屋を退室した。
(落ち着かない……なんか、そわそわしてしまう)
与えられた自室でナマエは座ったり立ったりして歩き回る。煌帝国が気になって仕方がない。
(紅炎さま、紅炎さまは他の侍女の人たちがいるもの、わたしが心配する必要はないし、そう思うこと自体他の侍女の失礼になるかもしれない)
けれど。
「……っ、」
ゆらりと意識がふらつく。胸元をぎゅう、と掴み浅く呼吸する。
また、だ。
「……ぅう」
血を、ルフを体が欲している。やはりジャーファルでは足りないのだ。
迷宮攻略者の血ではないと、ナマエの体は保てない。
「……ま」
だれか。
だれでもいいから、はやく。
「こう、えん、さ、ま……」
視界が暗くなる。意識も深く沈んでいく。
しかしナマエの声は無意識に紅炎を欲していた。