バレンタインデー
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〈恋人になる前〉
「夕神さん」
大河原宇宙センターで、俺は首だけ振り返る。
そこにいたのは、心音とナマエだ。
「どうしたァ?」
「心音と一緒に、バレンタインデーをやってみようって話になりましてー。
というわけで、はいー」
「あ?」
心音が「はい、夕神さん」とハートが描かれている絵をくれた。
……何だァ、コレ?
「チョコとか、菓子をくれるンじゃねェのか?」
「……わたしも、そういうの作りたかった」
けど、お母さんやナマエさんが料理は危ないって言われて。と心音は残念そうだ。
いや、まァ……確かに危ねェし、心配するのもわかるんだけどよ。
「まさか、おめえさんも『ハートの絵』をくれるとは思わなかったぜェ……」
俺はナマエに渡されたもう一枚のハートが描かれた絵を見遣る。
心音の言い分はわかるが……おめえさんまで同じモノをくれるってのはどういうことだァ?
「えー?だって心音と一緒にバレンタインデーを楽しむっていうのが趣旨ですからねぇ。
ちなみに真理さんにも渡しましたけど、喜んでくれましたよ?」
「ま、師匠はそうだろうさ……」
わかりづれェけど……あの人も結構、心音とナマエに甘いところがあるからなァ。そりゃァ、喜んだだろうさ。
「まァ、一応礼は言うぜ。……ありがとなァ」
こんな俺に、バレンタインデーなんて似合わねェが……ま、二人がそれで喜ぶンなら構わねェさ。
〈恋人になった後〉
「夕神さん、はい」
「?……大福?」
俺の家で、ナマエが何故か大福を差し出してきた。
……ほんとに、何で大福なんだァ?
俺が首を傾げていると、
「ほら、バレンタインデーなので。これはチョコ大福ですよー」
「……あァ、成る程なァ」
そういうことか。と納得し、俺は大福を受け取る。
食べると餡じゃなくて、トロリとしたチョコクリームが入っている。
大福にこれは邪道だろうとは言わないでおく。……好きな女が、恋人になってから初めてこういう特別な食いもんをくれたンだ。余計なことを言うのは無粋っていうモンだ。
(甘ェ……)
そう思っているとテーブルに日本茶を淹れた湯呑が置かれた。
……気遣いの出来るヤツだと有難く飲む。
「ごちそうさん。……悪くねェ味だった」
「本当は手作りしたかったんですけどねぇ。夕神さんの好みと、わたしが満足する味に作れるかっていうジレンマが発生したものでー」
「……そりゃァ、えらく気遣わせたな」
「それはもう。7年以上あなたを想い続けた女の矜持を舐めないでくださいな?」
「……おめえさんの矜持とやらに感謝するぜェ」
俺はくつくつと笑う。
……俺の好きになった女は、とんでもなく愛情深いっつーか……本人に言わせたら、執念深いと言うンだろうが。
それに惚れ込んでる俺なんだから……どうしようもねェ。
「なァ」
「はーい?」
「……ホワイトデーとやらに、旅行でも行くか?」
「え。……それはまた、ずいぶんと大きなお返しですねぇ?」
いいんですか?とナマエは訊きながらも、嬉しそうだ。
いいンだよ。と俺は軽く笑う。
「おめえさんには、牢屋に入る前にも貰ったが……何も返せなかったからなァ。それに、事前に有給取っておかねェとすぐに仕事を入れられそうだしなァ」
局長は、マジで人使いが荒ェからな。
不正を働いた検事を片っ端から粛清してくモンだから……検事の人手が足りねェんだよなァ。
「大変ですねぇ、優秀な検事というのは。まあ、囚人時代から期待をされていたのですから、仕方がないといえば仕方がないですねぇ」
「……それでも、惚れた女と出掛けるくらいの余裕はあるさァ」
コイツは、自分ばっかり好きだと思ってるみたいだが……俺だって、牢屋の中でずっと想い続けてきた矜持がある。
自分の性格が歪んでるとか、捻くれてるとか……自覚してる。そんな俺が、まともな愛し方をしてやれンのか、わからねェ。
だがコイツは、それを踏まえて俺っていう偏屈な男を選んだ。
だったら……それを後悔させないように大事にするっていうのが漢ってモンだ。
「で?どっか行きてェ場所とかあるかィ?」
「そうですねぇ……温泉とか、行きたいですねぇ」
「へェ……そりゃァ、いいな」
「そうでしょう?……あなたはきっと好きだろうって思いましたからねぇ」
「…………俺の好きなところじゃなくて、自分の行きたい場所を言えってンだ」
俺が睨むとナマエは楽しそうに笑って。
「あなたの好きなところが、わたしの行きたいところですよ?」
「…………おめえさん、俺のこと好きすぎるだろうが」
「あらあら。そんなの、今更ですよー」
「…………はァ」
俺は頭を抱える。………コイツに敵う気が、少しもしねェ。
(俺はほんとに……)
愛されてンなァ、と俺はぼやく。
ナマエは、愛されてんですよー。と穏やかに笑った。
ホワイトデーのお返しという意味で行ってきた温泉旅行で買ったお土産の温泉饅頭を、御剣の旦那だけ『とのさまんじゅう』ってヤツにしたら物凄く喜ばれた。
〈次はナユタ検事です〉
「夕神さん」
大河原宇宙センターで、俺は首だけ振り返る。
そこにいたのは、心音とナマエだ。
「どうしたァ?」
「心音と一緒に、バレンタインデーをやってみようって話になりましてー。
というわけで、はいー」
「あ?」
心音が「はい、夕神さん」とハートが描かれている絵をくれた。
……何だァ、コレ?
「チョコとか、菓子をくれるンじゃねェのか?」
「……わたしも、そういうの作りたかった」
けど、お母さんやナマエさんが料理は危ないって言われて。と心音は残念そうだ。
いや、まァ……確かに危ねェし、心配するのもわかるんだけどよ。
「まさか、おめえさんも『ハートの絵』をくれるとは思わなかったぜェ……」
俺はナマエに渡されたもう一枚のハートが描かれた絵を見遣る。
心音の言い分はわかるが……おめえさんまで同じモノをくれるってのはどういうことだァ?
「えー?だって心音と一緒にバレンタインデーを楽しむっていうのが趣旨ですからねぇ。
ちなみに真理さんにも渡しましたけど、喜んでくれましたよ?」
「ま、師匠はそうだろうさ……」
わかりづれェけど……あの人も結構、心音とナマエに甘いところがあるからなァ。そりゃァ、喜んだだろうさ。
「まァ、一応礼は言うぜ。……ありがとなァ」
こんな俺に、バレンタインデーなんて似合わねェが……ま、二人がそれで喜ぶンなら構わねェさ。
〈恋人になった後〉
「夕神さん、はい」
「?……大福?」
俺の家で、ナマエが何故か大福を差し出してきた。
……ほんとに、何で大福なんだァ?
俺が首を傾げていると、
「ほら、バレンタインデーなので。これはチョコ大福ですよー」
「……あァ、成る程なァ」
そういうことか。と納得し、俺は大福を受け取る。
食べると餡じゃなくて、トロリとしたチョコクリームが入っている。
大福にこれは邪道だろうとは言わないでおく。……好きな女が、恋人になってから初めてこういう特別な食いもんをくれたンだ。余計なことを言うのは無粋っていうモンだ。
(甘ェ……)
そう思っているとテーブルに日本茶を淹れた湯呑が置かれた。
……気遣いの出来るヤツだと有難く飲む。
「ごちそうさん。……悪くねェ味だった」
「本当は手作りしたかったんですけどねぇ。夕神さんの好みと、わたしが満足する味に作れるかっていうジレンマが発生したものでー」
「……そりゃァ、えらく気遣わせたな」
「それはもう。7年以上あなたを想い続けた女の矜持を舐めないでくださいな?」
「……おめえさんの矜持とやらに感謝するぜェ」
俺はくつくつと笑う。
……俺の好きになった女は、とんでもなく愛情深いっつーか……本人に言わせたら、執念深いと言うンだろうが。
それに惚れ込んでる俺なんだから……どうしようもねェ。
「なァ」
「はーい?」
「……ホワイトデーとやらに、旅行でも行くか?」
「え。……それはまた、ずいぶんと大きなお返しですねぇ?」
いいんですか?とナマエは訊きながらも、嬉しそうだ。
いいンだよ。と俺は軽く笑う。
「おめえさんには、牢屋に入る前にも貰ったが……何も返せなかったからなァ。それに、事前に有給取っておかねェとすぐに仕事を入れられそうだしなァ」
局長は、マジで人使いが荒ェからな。
不正を働いた検事を片っ端から粛清してくモンだから……検事の人手が足りねェんだよなァ。
「大変ですねぇ、優秀な検事というのは。まあ、囚人時代から期待をされていたのですから、仕方がないといえば仕方がないですねぇ」
「……それでも、惚れた女と出掛けるくらいの余裕はあるさァ」
コイツは、自分ばっかり好きだと思ってるみたいだが……俺だって、牢屋の中でずっと想い続けてきた矜持がある。
自分の性格が歪んでるとか、捻くれてるとか……自覚してる。そんな俺が、まともな愛し方をしてやれンのか、わからねェ。
だがコイツは、それを踏まえて俺っていう偏屈な男を選んだ。
だったら……それを後悔させないように大事にするっていうのが漢ってモンだ。
「で?どっか行きてェ場所とかあるかィ?」
「そうですねぇ……温泉とか、行きたいですねぇ」
「へェ……そりゃァ、いいな」
「そうでしょう?……あなたはきっと好きだろうって思いましたからねぇ」
「…………俺の好きなところじゃなくて、自分の行きたい場所を言えってンだ」
俺が睨むとナマエは楽しそうに笑って。
「あなたの好きなところが、わたしの行きたいところですよ?」
「…………おめえさん、俺のこと好きすぎるだろうが」
「あらあら。そんなの、今更ですよー」
「…………はァ」
俺は頭を抱える。………コイツに敵う気が、少しもしねェ。
(俺はほんとに……)
愛されてンなァ、と俺はぼやく。
ナマエは、愛されてんですよー。と穏やかに笑った。
ホワイトデーのお返しという意味で行ってきた温泉旅行で買ったお土産の温泉饅頭を、御剣の旦那だけ『とのさまんじゅう』ってヤツにしたら物凄く喜ばれた。
〈次はナユタ検事です〉