バレンタインデー
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〈恋人になる前〉
(今日はバレンタインデーかぁ)
検事室で、そんなことをふと思う。
優秀だからという期待は嬉しいものはあるけれど、忙殺されそうだと思うほどに仕事が舞い込むと、さすがのぼくも集中力が切れてくる。
(あー、ナマエちゃんに会いたいなぁ……)
恋人ではない、ぼくが恋する彼女を想う。
バレンタインデーといえば、恋人たちのイベントで。
仕事で手が離せないぼくも、集中力が切れてる今は恋する彼女を想ってしまうのは仕方がないと言える。
けれどどうやら検事局にぼく宛てにバレンタインデーの贈り物が殺到しているらしい。
現にぼくの検事室はその贈り物を置くための箱が用意されていて、既に溢れんばかりだ。
「……ファンからの贈り物は嬉しい、けど」
でもぼくは、ナマエちゃんのチョコが欲しい。
ぼくがそういうことを言うと、嫌味っていうか欲深いって言われるから言わないけれど……
「…………あー、ダメだ」
全っ然、集中できなくなってる。こんなんじゃ、ダメだ。
ていうか、さっさと仕事を終わらせて……ぼくがチョコとかあげてもいいんじゃないか?
(チョコがあからさますぎるなら、飴でもいい。ナマエちゃん、飴好きだし。日本じゃ女の子からっていうのが主流だけど、海外じゃ男からあげてもいいみたいな話を聞くし!)
「よし!そうと決まれば仕事を終わらせてナマエちゃんに会いに行こう!」
「…………わたしに、何か用事があったんですか?」
「うわぁっ!?」
ぼくは驚いて、思わず声を上げてしまった。
だって、ドアの入り口に会いたかったナマエちゃんがぽつんと立っていたから。
「え?……どうしているんだい?」
「すみません……ノックをしたんですけれど、返事がなくて。上司に言われて、代わりに捜査資料を持ってきたんですけれど……」
「ご、ごめんよ。気づかなくて……」
どれだけ思い詰めてたんだ、ぼくは。
……ていうか、コレ、チャンスじゃないか?
「ナマエちゃん!」
「……?」
「ナマエちゃん、飴好きだろ?その、いつも捜査でお世話になってるから……受け取ってもらえるかい?」
ぼくは念のため用意してた、ナマエちゃん専用の飴玉が入った小さなガラス瓶を差し出す。
ナマエちゃん専用だっていう特別感が欲しくて、リボンとか、ガラス瓶にも気を配った物になってるし……大丈夫!なはず!
ナマエちゃんは「はあ……ありがとうございます」と素直に受け取ってくれた。
……ヤバいな。好きな人に贈り物をして、受け取ってもらえるのって緊張感あるけど……貰ってくれた瞬間の幸福感はとんでもなく大きいよ。
(好きな人にチョコを贈るバレンタインデーの女の子の気持ちがよくわかった……これは、テンション上がるよ、うん)
そんな多幸感にぼくが浸っていると。
「……あ。じゃあ、牙琉検事にこれ、あげます」
「え?」
ぼくの手にコロンと差し出されたのは、小さなキュービック型のチョコ。
……コレって。
「ちょ、チョコじゃないか!?」
「?はい、チョコですよ。……あ、チョコ、嫌いでした?」
「いや、違うよ!チョコ好き、大好き!でも、えっと、ナマエちゃんから貰えると思ってなかったから、ビックリして!」
「……なんか、今日はやたらにチョコのお菓子を仕事仲間の人にもらったりして。それを上司が『お前ら綾里に餌付けするのやめろ!』って注意?してくれて……」
それで、何とか治まった状態で。とナマエちゃんは教えてくれた。
……とりあえずぼくは、『ナマエちゃんの上司、ありがとう』と心の中で感謝する。
え?ぼくはいいのかって?……いいんだよ、ぼくは!
ぼくはいたってピュアな心で彼女に贈り物をしてるだけなんだから!!
「……ところで、今日って何か特別な日だったりしましたっけ?」
ナマエちゃんが、ぼくが大事そうにチョコを見つめているのを見て、そう訊いてくる。ナマエちゃんは、結構そういうイベント事には無頓着だ。
だからぼくはいつも通りに笑ってみせて。
「そうだねぇ……ナマエちゃんからチョコを貰えた日だから、特別な日だよ、きっとね」
〈恋人になった後〉
「響也くん。……バレンタインデーのチョコって、作ったこと、ある?」
「え?さすがに、作ったことはないなぁ」
同棲してるマンション、リビングのソファーで。
ナマエちゃんと恋人になってから、初めてのバレンタインデーが近い。
恋人になったぼくを、ナマエちゃんは『響也くん』と呼ぶ。
ぼくより年上であるナマエちゃんだけれど、彼女は意外と、大事な人には甘えたになる。
表情だって、ぼくに向けるモノはずいぶんと柔らかいし、何より可愛いもんだから……恋人冥利に尽きるというか、とにかく嬉しい誤算。そしてギャップがあって、すっごく可愛いし嬉しい。
もうホントに、ナマエちゃんのことになると嬉しいとか可愛いとか、それしか言えなくなるのがほとんどだから、そこは改善しないとだ。
だって、大好きな彼女を褒める言葉が少ないなんて、ぼくのプライドが許さないんだよ。
(それはともかく)
「バレンタインデーのチョコ、手作りしてくれるのかい?」
そう、今重要なことはソレだ。
恋人同士になって、ようやく迎えた恋人たちの注目イベント。バレンタインデー!
内心、めちゃくちゃにテンションが上がってるぼくだ。外から見たら、いつも通りだろうけどね。
そんなぼくに、ナマエちゃんは申し訳なさそうに。
「……わたしも、チョコとか作ったこと、なくて。どうしようって思ってて……」
「あ、そうなんだ」
「うん……それで、宝月ちゃんに相談したんだけど。
『牙琉検事だったら、先輩の作ったものなら何でも喜びそうですけど。でも、いっそのこと一緒に作っても喜びそうですよね』
って、言われて……どうなのかなって」
刑事くん、キミ最高。天才じゃないかい?
「その発想はなかったよ……何それ、すっごく楽しそうだね」
「え……それでいいの?」
「ぼくも作ったことないけど、大好きなナマエちゃんとキッチンに立ってお互いのチョコを作るとか、想像だけでも楽しそうだよ」
「……チョコの作り方も知らなくて、作ったことないの、変じゃない?」
少し不安そうにそう話すナマエちゃんに、ぼくは明るく笑ってみせる。
「別に?それってつまり、ぼくに会うまで渡したいって思うほどの男がいなかったってことだし、
ぼくが初めて、ナマエちゃんが作ったチョコを貰える幸運な男だってことじゃないかい?」
そう語るぼくに、ナマエちゃんは少し驚いたみたいに目を見張って、
「……美味しいの、作れるように頑張るね」
「うん。ぼくも、ナマエちゃんと一緒に食べるのにピッタリなものを作れるように、頑張るね?」
そう言って笑い合って、ぼくはナマエちゃんを抱きしめた。
そしてこの後めちゃくちゃバレンタインデーのチョコに関するレシピを調べまくった。
〈次のページは夕神検事です〉
(今日はバレンタインデーかぁ)
検事室で、そんなことをふと思う。
優秀だからという期待は嬉しいものはあるけれど、忙殺されそうだと思うほどに仕事が舞い込むと、さすがのぼくも集中力が切れてくる。
(あー、ナマエちゃんに会いたいなぁ……)
恋人ではない、ぼくが恋する彼女を想う。
バレンタインデーといえば、恋人たちのイベントで。
仕事で手が離せないぼくも、集中力が切れてる今は恋する彼女を想ってしまうのは仕方がないと言える。
けれどどうやら検事局にぼく宛てにバレンタインデーの贈り物が殺到しているらしい。
現にぼくの検事室はその贈り物を置くための箱が用意されていて、既に溢れんばかりだ。
「……ファンからの贈り物は嬉しい、けど」
でもぼくは、ナマエちゃんのチョコが欲しい。
ぼくがそういうことを言うと、嫌味っていうか欲深いって言われるから言わないけれど……
「…………あー、ダメだ」
全っ然、集中できなくなってる。こんなんじゃ、ダメだ。
ていうか、さっさと仕事を終わらせて……ぼくがチョコとかあげてもいいんじゃないか?
(チョコがあからさますぎるなら、飴でもいい。ナマエちゃん、飴好きだし。日本じゃ女の子からっていうのが主流だけど、海外じゃ男からあげてもいいみたいな話を聞くし!)
「よし!そうと決まれば仕事を終わらせてナマエちゃんに会いに行こう!」
「…………わたしに、何か用事があったんですか?」
「うわぁっ!?」
ぼくは驚いて、思わず声を上げてしまった。
だって、ドアの入り口に会いたかったナマエちゃんがぽつんと立っていたから。
「え?……どうしているんだい?」
「すみません……ノックをしたんですけれど、返事がなくて。上司に言われて、代わりに捜査資料を持ってきたんですけれど……」
「ご、ごめんよ。気づかなくて……」
どれだけ思い詰めてたんだ、ぼくは。
……ていうか、コレ、チャンスじゃないか?
「ナマエちゃん!」
「……?」
「ナマエちゃん、飴好きだろ?その、いつも捜査でお世話になってるから……受け取ってもらえるかい?」
ぼくは念のため用意してた、ナマエちゃん専用の飴玉が入った小さなガラス瓶を差し出す。
ナマエちゃん専用だっていう特別感が欲しくて、リボンとか、ガラス瓶にも気を配った物になってるし……大丈夫!なはず!
ナマエちゃんは「はあ……ありがとうございます」と素直に受け取ってくれた。
……ヤバいな。好きな人に贈り物をして、受け取ってもらえるのって緊張感あるけど……貰ってくれた瞬間の幸福感はとんでもなく大きいよ。
(好きな人にチョコを贈るバレンタインデーの女の子の気持ちがよくわかった……これは、テンション上がるよ、うん)
そんな多幸感にぼくが浸っていると。
「……あ。じゃあ、牙琉検事にこれ、あげます」
「え?」
ぼくの手にコロンと差し出されたのは、小さなキュービック型のチョコ。
……コレって。
「ちょ、チョコじゃないか!?」
「?はい、チョコですよ。……あ、チョコ、嫌いでした?」
「いや、違うよ!チョコ好き、大好き!でも、えっと、ナマエちゃんから貰えると思ってなかったから、ビックリして!」
「……なんか、今日はやたらにチョコのお菓子を仕事仲間の人にもらったりして。それを上司が『お前ら綾里に餌付けするのやめろ!』って注意?してくれて……」
それで、何とか治まった状態で。とナマエちゃんは教えてくれた。
……とりあえずぼくは、『ナマエちゃんの上司、ありがとう』と心の中で感謝する。
え?ぼくはいいのかって?……いいんだよ、ぼくは!
ぼくはいたってピュアな心で彼女に贈り物をしてるだけなんだから!!
「……ところで、今日って何か特別な日だったりしましたっけ?」
ナマエちゃんが、ぼくが大事そうにチョコを見つめているのを見て、そう訊いてくる。ナマエちゃんは、結構そういうイベント事には無頓着だ。
だからぼくはいつも通りに笑ってみせて。
「そうだねぇ……ナマエちゃんからチョコを貰えた日だから、特別な日だよ、きっとね」
〈恋人になった後〉
「響也くん。……バレンタインデーのチョコって、作ったこと、ある?」
「え?さすがに、作ったことはないなぁ」
同棲してるマンション、リビングのソファーで。
ナマエちゃんと恋人になってから、初めてのバレンタインデーが近い。
恋人になったぼくを、ナマエちゃんは『響也くん』と呼ぶ。
ぼくより年上であるナマエちゃんだけれど、彼女は意外と、大事な人には甘えたになる。
表情だって、ぼくに向けるモノはずいぶんと柔らかいし、何より可愛いもんだから……恋人冥利に尽きるというか、とにかく嬉しい誤算。そしてギャップがあって、すっごく可愛いし嬉しい。
もうホントに、ナマエちゃんのことになると嬉しいとか可愛いとか、それしか言えなくなるのがほとんどだから、そこは改善しないとだ。
だって、大好きな彼女を褒める言葉が少ないなんて、ぼくのプライドが許さないんだよ。
(それはともかく)
「バレンタインデーのチョコ、手作りしてくれるのかい?」
そう、今重要なことはソレだ。
恋人同士になって、ようやく迎えた恋人たちの注目イベント。バレンタインデー!
内心、めちゃくちゃにテンションが上がってるぼくだ。外から見たら、いつも通りだろうけどね。
そんなぼくに、ナマエちゃんは申し訳なさそうに。
「……わたしも、チョコとか作ったこと、なくて。どうしようって思ってて……」
「あ、そうなんだ」
「うん……それで、宝月ちゃんに相談したんだけど。
『牙琉検事だったら、先輩の作ったものなら何でも喜びそうですけど。でも、いっそのこと一緒に作っても喜びそうですよね』
って、言われて……どうなのかなって」
刑事くん、キミ最高。天才じゃないかい?
「その発想はなかったよ……何それ、すっごく楽しそうだね」
「え……それでいいの?」
「ぼくも作ったことないけど、大好きなナマエちゃんとキッチンに立ってお互いのチョコを作るとか、想像だけでも楽しそうだよ」
「……チョコの作り方も知らなくて、作ったことないの、変じゃない?」
少し不安そうにそう話すナマエちゃんに、ぼくは明るく笑ってみせる。
「別に?それってつまり、ぼくに会うまで渡したいって思うほどの男がいなかったってことだし、
ぼくが初めて、ナマエちゃんが作ったチョコを貰える幸運な男だってことじゃないかい?」
そう語るぼくに、ナマエちゃんは少し驚いたみたいに目を見張って、
「……美味しいの、作れるように頑張るね」
「うん。ぼくも、ナマエちゃんと一緒に食べるのにピッタリなものを作れるように、頑張るね?」
そう言って笑い合って、ぼくはナマエちゃんを抱きしめた。
そしてこの後めちゃくちゃバレンタインデーのチョコに関するレシピを調べまくった。
〈次のページは夕神検事です〉
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