お出かけのはなし〈ナユタ夢〉
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「ナユタさんは、家族で旅行とか出掛けられたら、どこか行きたい場所ってありますか?」
「え?家族で、でございますか?」
執務の休憩時のこと。
多忙な中で、数少ない恋人との逢瀬の時間にその最愛の恋人、ナマエがふとそんなことを訪ねてきたのでナユタは考える。
そして子供の頃だったなら考えていたかもしれないが、成長するにつれて、そういったことを考えなくなっていたことに気づく。
「……あまり、考えてこなかったことですね。色々と理由はございますが、単純に忙しかったのでそうした余裕がありませんでしたし」
「あ、やっぱりナユタさんもそういう感じなんですねぇ」
「ナマエさんは考えたことがございますか?」
ナユタの問いかけに、「ええとですねぇ」と彼女は紅茶のお代わりを淹れながら。
「お養父さんとは、一緒にトノサマンショーを観に行きたいって思いましたね」
「ああ……ナマエさん、ヒーロー物といったものがお好きでしたね」
(養父の御剣検事局長も、愛娘の好きなものにお付き合いされるとは……あの方もお優しいところがあるのですね)
この時ナユタはただ単にナマエが好きなヒーロー物に付き合う、優しい父親像として御剣怜侍を敬っているが……実際、トノサマンなどのヒーロー物に娘をハマらせたのは御剣本人の趣味でしかなかったことを彼は知らない。
そんな話の流れで。
「あと、レイファ様とアマラ様と、ナユタさんと一緒に出掛けられたら楽しいだろうなって思います」
「! 拙僧たちも、そうした想像に加えて下さるのですか?」
「……ず、図々しいですか?」
恋人なだけで、そういう想像をするのは気持ち悪いですか?とナマエは不安そうにする。
ナユタは慌てて、「いえ、そんなことは決して思っておりません」と否定する。
そして嬉しそうに、柔らかく微笑んで。
「拙僧はただ、貴女に家族同然の想いを向けられているようで嬉しいのです。
……ですから、お話の続きを聞かせて下さりませんか?」
「!はい」
ナユタの言葉に、ナマエはパッと目を輝かせる。
そして楽し気に話を続けた。
「レイファ様は、遊園地とか喜んでくれそうですね。わたしも行ったことがないんですけど……お養父さんが『バンドーランド』っていう遊園地の話を聞かせてくれたことがあります!」
「ふむ……拙僧も遊園地に行ったことがないのでどのような施設があるのか存じ上げませんね。
例えばどのような遊び場があるのでしょう?」
「お養父さんが言うには、『タイホくんを探せ』っていう、マスコットキャラクターを園内で探して、写真を撮って集めるっていうイベントがあったみたいですよ。
お養父さん、『アレはなかなか大変なモノだったのだよ』って言ってましたねぇ」
お養父さん、結構色んな場所を知ってて、話を聞くの楽しかったです!とナマエは純粋に養父の話が出来て嬉しそうである。彼女は養父のことが大好きで、話をするだけで表情が明るくなるのだ。
そんな彼女がとても微笑ましくて、頬が緩むナユタである。
「そうなのですね。……レイファ様は幼少期からそうした遊び場に行かれることがありませんでしたから、さぞお喜びになるのでしょうね」
王族として、姫巫女として過ごしていたレイファだ。そうした場所で遊ぶという機会はなかったに等しい。
そしてまだまだ幼い年頃だと言えるので、きっとそんな楽しそうな場所へ行けば目移りしてしまって賑やかに自分たち家族を連れまわすのだろうと思い浮かべ、ナユタは微笑む。
(今の拙僧たちはそれほど身軽な立場にありませんが)
それでも、こういう楽しい想像は悪くないとナユタは思った。
「ナマエさんは、拙僧たちとどこへ行かれたいのですか?」
「えっと、遊園地も楽しそうですけど……動物園にも行ってみたいです!」
「ほう、動物園でございますか。そこも、拙僧は行ったことがございませんが……多種多様な動物が見られるのですよね?」
何か、好きな動物がいるのですか?とナユタが訊けば。
「好きな動物がいるというか……動物の触れ合いコーナーに、ナユタさんとアマラ様に行ってみて欲しいです!」
「え?……拙僧と母上に?」
何故、そこで自分と母に行って欲しいのかとナユタが不思議そうに首を傾げると。
「二人とも、すごく動物に好かれますから。触れ合いコーナーで、動物たちがどんな反応するのか見たいです」
「拙僧たちで遊ばないで下さいませ」
それはもはや動物たちが見たいのではなく、自分と母の反応が見たいだけだとナユタは複雑になる。
だがナマエは「遊びじゃないですよ」と真面目に。
「触れ合いコーナーって、うさぎとかモルモットとか……そういう小型の可愛い動物がたくさんいるらしいじゃないですか。
可愛い動物に囲まれたアマラ様とナユタさんは、きっと綺麗で癒しの光景ですよ?」
「う、」
ナユタは無邪気な言葉に詰まる。……ほ、本気で、本心で拙僧たちが癒しの場を提供できると思ってらっしゃる!
(そ、そのような純粋無垢な眼差しで見つめられると……期待に応えたくなってしまう)
ナユタは基本的に、溺愛しているといっても過言ではない彼女に弱い。
だからもし、デートでどこかの動物園に行けるものならば彼女の期待に応えて、触れ合いコーナーの動物たちを手懐けてみせようかと考え始めてしまうナユタである。
しかしそこでふと違う考えに思い至る。
「……触れ合いコーナーで、可愛い動物と……戯れる?」
「?どうかしました?ナユタさん」
触れ合いコーナーの可愛い動物。
そこに入り、可愛い動物に囲まれる可愛らしい恋人。
それはつまり……可愛いと可愛いの、融合。
「……、…………っか、」
「??『か』?」
「可愛らしいです……私も、動物園に貴女と行きたくなりました」
「!そうですよね!きっと楽しいですよ」
こういう想像も、結構楽しいですねぇ。とナマエは笑う。
ナユタはそんな彼女を、とりあえず思い切り抱きしめた。
「!?な、何ですか、急に!?」
「あまりに貴女が可愛らしいので気持ちが昂ってしまいました。
……といいますか、私にはこんなにも可愛らしい恋人と触れ合えるのですから既に満足です」
「わたしはそういう類の存在じゃないです!」
「おや、ずいぶんと元気な……いえ、こういうのはじゃじゃ馬、とでも申せば宜しいのでしょうか?
……素直な貴女も良いですが、そういう貴女もまた愛らしくて良いですね?」
逃げ出そうとするナマエをよしよし、と優しく愛でるように頭を撫でて自分の腕の中に閉じ込めるように抱きしめてくるナユタに、ナマエは「ううう」と唸る。
「な、ナユタさん、恋人になったとたんにスキンシップ激しくなりました!じ、自重してください!」
「貴女が可愛すぎるのです」
「わたしのせいみたいな言い方!」
「それも別に誤りなどではないでしょう。貴女以外に、このようなことはいたしませんし」
「そうでしょうけど!でも、ほんとに自重してくれないと、」
「『自重してくれないと』?」
ナユタが訊き返すと、ナマエは顔を紅潮させて。
「…………は、離れるの、寂しくなるから、困ります」
「………………………………」
「?な、何ですか?」
何故か動きを止めて、目を見張っているナユタを怪訝そうに見ると。
「……………………せ」
「え?」
「貴女こそ、自重なさいませ!どこまで私を煽れば気が済むのです!?」
「え??あ、あおる?」
急に、何故怒っているのか、いや照れているのかわからないナマエである。声を荒げてはいるが、ナユタは頬を紅潮させているし怒りのあまり叱りつけているようなわけではなさそうだからだ。
「本当に、本当に可愛いが過ぎると、困るのですよ。貴女が可愛らしいのはそういう方なので諦めておりますが、時々それが忍耐を試す修行なのかと疑います……」
「は、はあ……すみません?」
その割に、自分を抱きしめる力が緩まないんですけど。と思うナマエである。
忍耐がどうとか言っているけれど、これは抗えているのだろうか?いや、何に対してなのかはよくわからないのだけど。
(それにしてもナユタさん、雰囲気のわりに結構力が強いなぁ)
抱き締められながら、いつもそう思う。柔和で、繊細そうな雰囲気のナユタだが、そこは革命派にいたこともあって鍛えられたのだろうと察する。
そんなことを思っていたから、つい。
「………いつか、ナユタさんに抱き潰されそう」
「……あの。そういうことは、他所で言わないようになさいませ」
そういう誤解で非難されるのは、拙僧になりますので。とナユタは顔を真っ赤に染めながら理解していない恋人に言い含めるのだった。
「え?家族で、でございますか?」
執務の休憩時のこと。
多忙な中で、数少ない恋人との逢瀬の時間にその最愛の恋人、ナマエがふとそんなことを訪ねてきたのでナユタは考える。
そして子供の頃だったなら考えていたかもしれないが、成長するにつれて、そういったことを考えなくなっていたことに気づく。
「……あまり、考えてこなかったことですね。色々と理由はございますが、単純に忙しかったのでそうした余裕がありませんでしたし」
「あ、やっぱりナユタさんもそういう感じなんですねぇ」
「ナマエさんは考えたことがございますか?」
ナユタの問いかけに、「ええとですねぇ」と彼女は紅茶のお代わりを淹れながら。
「お養父さんとは、一緒にトノサマンショーを観に行きたいって思いましたね」
「ああ……ナマエさん、ヒーロー物といったものがお好きでしたね」
(養父の御剣検事局長も、愛娘の好きなものにお付き合いされるとは……あの方もお優しいところがあるのですね)
この時ナユタはただ単にナマエが好きなヒーロー物に付き合う、優しい父親像として御剣怜侍を敬っているが……実際、トノサマンなどのヒーロー物に娘をハマらせたのは御剣本人の趣味でしかなかったことを彼は知らない。
そんな話の流れで。
「あと、レイファ様とアマラ様と、ナユタさんと一緒に出掛けられたら楽しいだろうなって思います」
「! 拙僧たちも、そうした想像に加えて下さるのですか?」
「……ず、図々しいですか?」
恋人なだけで、そういう想像をするのは気持ち悪いですか?とナマエは不安そうにする。
ナユタは慌てて、「いえ、そんなことは決して思っておりません」と否定する。
そして嬉しそうに、柔らかく微笑んで。
「拙僧はただ、貴女に家族同然の想いを向けられているようで嬉しいのです。
……ですから、お話の続きを聞かせて下さりませんか?」
「!はい」
ナユタの言葉に、ナマエはパッと目を輝かせる。
そして楽し気に話を続けた。
「レイファ様は、遊園地とか喜んでくれそうですね。わたしも行ったことがないんですけど……お養父さんが『バンドーランド』っていう遊園地の話を聞かせてくれたことがあります!」
「ふむ……拙僧も遊園地に行ったことがないのでどのような施設があるのか存じ上げませんね。
例えばどのような遊び場があるのでしょう?」
「お養父さんが言うには、『タイホくんを探せ』っていう、マスコットキャラクターを園内で探して、写真を撮って集めるっていうイベントがあったみたいですよ。
お養父さん、『アレはなかなか大変なモノだったのだよ』って言ってましたねぇ」
お養父さん、結構色んな場所を知ってて、話を聞くの楽しかったです!とナマエは純粋に養父の話が出来て嬉しそうである。彼女は養父のことが大好きで、話をするだけで表情が明るくなるのだ。
そんな彼女がとても微笑ましくて、頬が緩むナユタである。
「そうなのですね。……レイファ様は幼少期からそうした遊び場に行かれることがありませんでしたから、さぞお喜びになるのでしょうね」
王族として、姫巫女として過ごしていたレイファだ。そうした場所で遊ぶという機会はなかったに等しい。
そしてまだまだ幼い年頃だと言えるので、きっとそんな楽しそうな場所へ行けば目移りしてしまって賑やかに自分たち家族を連れまわすのだろうと思い浮かべ、ナユタは微笑む。
(今の拙僧たちはそれほど身軽な立場にありませんが)
それでも、こういう楽しい想像は悪くないとナユタは思った。
「ナマエさんは、拙僧たちとどこへ行かれたいのですか?」
「えっと、遊園地も楽しそうですけど……動物園にも行ってみたいです!」
「ほう、動物園でございますか。そこも、拙僧は行ったことがございませんが……多種多様な動物が見られるのですよね?」
何か、好きな動物がいるのですか?とナユタが訊けば。
「好きな動物がいるというか……動物の触れ合いコーナーに、ナユタさんとアマラ様に行ってみて欲しいです!」
「え?……拙僧と母上に?」
何故、そこで自分と母に行って欲しいのかとナユタが不思議そうに首を傾げると。
「二人とも、すごく動物に好かれますから。触れ合いコーナーで、動物たちがどんな反応するのか見たいです」
「拙僧たちで遊ばないで下さいませ」
それはもはや動物たちが見たいのではなく、自分と母の反応が見たいだけだとナユタは複雑になる。
だがナマエは「遊びじゃないですよ」と真面目に。
「触れ合いコーナーって、うさぎとかモルモットとか……そういう小型の可愛い動物がたくさんいるらしいじゃないですか。
可愛い動物に囲まれたアマラ様とナユタさんは、きっと綺麗で癒しの光景ですよ?」
「う、」
ナユタは無邪気な言葉に詰まる。……ほ、本気で、本心で拙僧たちが癒しの場を提供できると思ってらっしゃる!
(そ、そのような純粋無垢な眼差しで見つめられると……期待に応えたくなってしまう)
ナユタは基本的に、溺愛しているといっても過言ではない彼女に弱い。
だからもし、デートでどこかの動物園に行けるものならば彼女の期待に応えて、触れ合いコーナーの動物たちを手懐けてみせようかと考え始めてしまうナユタである。
しかしそこでふと違う考えに思い至る。
「……触れ合いコーナーで、可愛い動物と……戯れる?」
「?どうかしました?ナユタさん」
触れ合いコーナーの可愛い動物。
そこに入り、可愛い動物に囲まれる可愛らしい恋人。
それはつまり……可愛いと可愛いの、融合。
「……、…………っか、」
「??『か』?」
「可愛らしいです……私も、動物園に貴女と行きたくなりました」
「!そうですよね!きっと楽しいですよ」
こういう想像も、結構楽しいですねぇ。とナマエは笑う。
ナユタはそんな彼女を、とりあえず思い切り抱きしめた。
「!?な、何ですか、急に!?」
「あまりに貴女が可愛らしいので気持ちが昂ってしまいました。
……といいますか、私にはこんなにも可愛らしい恋人と触れ合えるのですから既に満足です」
「わたしはそういう類の存在じゃないです!」
「おや、ずいぶんと元気な……いえ、こういうのはじゃじゃ馬、とでも申せば宜しいのでしょうか?
……素直な貴女も良いですが、そういう貴女もまた愛らしくて良いですね?」
逃げ出そうとするナマエをよしよし、と優しく愛でるように頭を撫でて自分の腕の中に閉じ込めるように抱きしめてくるナユタに、ナマエは「ううう」と唸る。
「な、ナユタさん、恋人になったとたんにスキンシップ激しくなりました!じ、自重してください!」
「貴女が可愛すぎるのです」
「わたしのせいみたいな言い方!」
「それも別に誤りなどではないでしょう。貴女以外に、このようなことはいたしませんし」
「そうでしょうけど!でも、ほんとに自重してくれないと、」
「『自重してくれないと』?」
ナユタが訊き返すと、ナマエは顔を紅潮させて。
「…………は、離れるの、寂しくなるから、困ります」
「………………………………」
「?な、何ですか?」
何故か動きを止めて、目を見張っているナユタを怪訝そうに見ると。
「……………………せ」
「え?」
「貴女こそ、自重なさいませ!どこまで私を煽れば気が済むのです!?」
「え??あ、あおる?」
急に、何故怒っているのか、いや照れているのかわからないナマエである。声を荒げてはいるが、ナユタは頬を紅潮させているし怒りのあまり叱りつけているようなわけではなさそうだからだ。
「本当に、本当に可愛いが過ぎると、困るのですよ。貴女が可愛らしいのはそういう方なので諦めておりますが、時々それが忍耐を試す修行なのかと疑います……」
「は、はあ……すみません?」
その割に、自分を抱きしめる力が緩まないんですけど。と思うナマエである。
忍耐がどうとか言っているけれど、これは抗えているのだろうか?いや、何に対してなのかはよくわからないのだけど。
(それにしてもナユタさん、雰囲気のわりに結構力が強いなぁ)
抱き締められながら、いつもそう思う。柔和で、繊細そうな雰囲気のナユタだが、そこは革命派にいたこともあって鍛えられたのだろうと察する。
そんなことを思っていたから、つい。
「………いつか、ナユタさんに抱き潰されそう」
「……あの。そういうことは、他所で言わないようになさいませ」
そういう誤解で非難されるのは、拙僧になりますので。とナユタは顔を真っ赤に染めながら理解していない恋人に言い含めるのだった。
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